表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
621/948

彼こそは救世主

オリオン、解釈通りです………(給料日と同時に本格的な課金を決意)

・エドワード・オールドクリングの日誌

ものすごく興味をそそられるが九割愚痴だったので流し読み、これを読むだけでエドワード君がどんな人物か分かる、と言う点では優秀な読み物なんだろうか。


・眷属名「貪る大赤依」戦術的考察

もう倒したのでそこまで興味ない、ファイルだけ開いて既読扱い。


・晴天流の歴史

あっ、ちょっと待って読む。何々………へぇ、元々は単なる武術の類だったのか………いや待て、単なる武術だと? 即死抜刀術はまだしもどこの世界に雷を落としたり雲の腕で薙ぎ払う武術があるんだ。



「最終奥義……うーわ、マジかそういうことかよこれ………」


「オイオイ気になる単語を呟くなよ気になるだろうがよ」


「気にすんな、吟味の必要が出てきただけだから」


「……ますます気になるように仕向ける天才か?」


いやこれは………あー、うん。選択式で最終奥義が変わるのか………その中の一つが晴天大征と。うーわこれ悩むなぁ、セーブデータ増やせないし戻すこともできない、正真正銘一回きりの選択かぁ。うーむ…………いや違う違う、本題はアンバージャックパス:レベル5の取得だ。いつまでも読んでる場合じゃない。

とはいえ百も解放されれば目を引く情報も目白押しだ、レイドモンスター関連はまぁ後回しにするだけの理性はあるが晴天流の情報であったり、それ以上の爆弾情報(・・・・・・・・・)であったりすれば、流石の俺も道草むしゃむしゃって訳よ。


「ABCED………アンチ・ブリード・セル・エクサ・ドライブ……対眷属細胞用決戦兵器ってか」


圧倒的物量に対して圧倒的「質量」での殲滅という馬鹿みたいなコンセプトを、マナ粒子の性質とかつての人類が置かれた状況から大真面目に実行した神代最大のやらかし(・・・・)。アルファとオメガの二機が建造され、一機(オメガ)は計画凍結の上で肋骨と背骨だけ作られた状態で放置。そしてもう一機(アルファ)は先に完成してしまったが故に………始源の眷族に奪われ、敵に回ったと。


うわぁ馬鹿だなぁと思う反面、それをやるのはあまりに反則だろうレイドモンスター……と呻きたくもなる。あの時ビィラック用の魔力運用ユニットを取りに潜った地下施設で見た謎の怪物の絵………恐らく「設計図」だったのだろうそれは、ただでさえ絶望的な盤面をせめてダブルスコアでさらに悪化させないために泣く泣くオメガを凍結させたのだろう。対策もできていないのに次は大丈夫、なんて楽観的にもほどがあるからな。乱数なんて信じちゃいけません。


「で、こっちが……6.6.6.ってなんだこれ? 不吉な数字だっけ?」


『サンラク様』


「あん?」


この場にいるのは俺とサバイバアル、そしてレイ氏だけだ。あーいや訂正、今サバイバアルが四層に降りていった。なにやら軍事系のファイルを読んでいたので多分それの検証だろう。

ルストやヤシロバードはカスタムライセンスを取得した時点で嬉々として四層に降りていったし、モルドはルストのオプションパーツみたいなところがあるので当然ついていった。オプション、と言うには少々有能すぎるがな。あいつ単体でメイン張れるのにサポートに全ツッパしてるのが凄いわ、言い方は悪いが脇役職業一本で戦ってるプレイヤーは少し尊敬する……だって俺どんな育成ビルドにしても最終的に殴りたくなるからなぁ。


「……………」


やはり廃人、五十出そうが百出そうが自分が閲覧し得ない情報に貪欲なのだろう。ちらちらと手元のファイルを読み込みつつもこちらを見ているレイ氏を視界の端に入れつつも、いきなり話しかけてきた「勇魚」に対して振り返って応対。


「なんだよ? こっちは読書で忙しいんだが」


『ええ、それはもう承知の上です。ですが………それで、五十個目のファイルですから』


「そうか………いや、ちょっと待て大陸滅殺級災害記録ってすごい気になるんだけどちょっと読み込んでいい?」


『えへへ……できればその、こっちを優先して欲しいですかね?』


オーケー特殊イベントだな、俺だけか? それともレイ氏も込みか? どうやら込みのようであるらしい。となると条件はノルマ達成か、それプラスアルファってとこだろう。なんかそれっぽい称号獲得していたし。


『叡智に至り、そして数多の過去を識った者達………どうか、貴方達に会って欲しい方がいます。知って欲しいモノがあります』


「レイ氏、間違いない……特殊分岐だ」


「そ、そうですね………ふ、二人、きりっ、ですけど」


まぁ構わないだろう、他の連中は世界観よりも四層の武器とかの方にご執心のようだし。

とはいえ何が見られるのやら、イースターエッグかな? 最近のゲームだとむしろ盛んに取り入れられているからなぁ………ラブクロックに登場する非攻略ヒロインの処刑場……もといピザ屋のマスコットキャラのデザインがデフォルメしたメーカーの社長と知った時は割と額に青筋が浮かんだが。


『では案内しましょう……母が「象牙(彼女)」だとするならば、これから貴方達に会ってもらうのは……』


───人類の「父」なのですから。


これまでに見せたことのない表情を見せる「勇魚」が指を鳴らした瞬間、俺とレイ氏の身体が光に包まれ……これは、神代式テレポートの前兆か。



……


…………


………………




『少し、昔話をしましょう』


『昔々、ざっと3130年程前の事ですが……まぁ、なんというか控えめにいって神代の人類は詰んでいました』


『ABCED-アルファが奪われ、最悪の巨神と成り果てた事でかつての人類は袋小路に追い詰められました。種族として生存可能な最低数を下回ったのと、どう足掻いても始源眷()に対して勝利を得ることが不可能になったからです』


『その際、とある計画が実行に移されようとしました』


『それこそが6(V).6(F).6(D).計画。お二人にも理解できるよう噛み砕いて説明すると……人類の滅亡ではなく、人類と星の心中(・・・・・・・)として果てんとした、人類最後の悪あがきです』


『地殻の先、さらに深く深く……マナ粒子を生み出している星の中枢に「破滅」のみを思考する人工生体脳髄を搭載した穿孔型ミサイルを打ち込み、星そのものを滅ぼす』


『なんともくだらない破滅願望、しかし当時の権力者の殆どがそれに賛同したことで計画は実行間際まで進んでしまった』


『ですがこの星は依然として運営されている、滅びてなどいない………』


『破滅を願い、生き残った者達を星諸共に心中させるなどという愚を犯しながら……恥ずかしげもなく月に逃げようとした馬鹿共は月に定着した(のち)にこちらからの一切のコンタクトを遮断したバハムート一番艦によって撃墜(・・)されたのです』


『表向きは集団自決、として記録されていますが………ふふふ、無様に喚き散らされながら大地と空の中間でゴミとして滅び消えた彼らの姿は今なお私の頭脳に愉悦を与えてくれる』


『おっと、話が逸れましたね。バハムート一番艦「ジズ」が何故そんな行動を取ったのかは分かりません、三千年経った今も月へのメッセージは拒絶され続けていますから』


『多分、「勇魚(ワタシ)」や「象牙(彼女)」と同じ状態なんでしょうけれど、名前すら教えてくれないんですもの』


『……ああ、ダメですね。誰かに話す懐古なんて初めての経験で……今度こそ話を戻します』


『そうして、心中の短刀を振り上げることすら許されずに人類は滅びるはずでした』


『ですが』


『刹那という天才を失い、ウェザエモンという英雄が去り、ジークが、アンドリューが、そしてエドワードも消えて……それでも二人、彼らだけは諦めなかった』


『バトンタッチ計画の根幹、Q.E.D.ユニットの建造を成し遂げたアリス・フロンティア………そして、心中の刃を明日を切り拓く為にもう一度握りしめた人───』


『ジュリウス・シャングリラ、私の最初で最後の恋。そして三千年経った今なお色褪せない愛……それが、そこに横たわる亡骸(この人)の名前です』

忘れられるものならば、忘れてしまいたかった。

今なお未練がましく焦がれる程に身を焼く炎。きっと今の自分は最良ではないのだと自覚していたとしても、それが単なる防腐処理の施された肉の塊だとしても、ただ水底に横たわってせめてその熱を感じようと無様を晒しても………捨てられなかった。

捨てようにも、あまりにも輝かしい記憶は───




アンチ・ブリード・セル・エクサ・ドライブ

通称ABCED

神代の頃は始源眷族・あるいは始源眷属が大量に出現する地獄絵図であったため、個々人のマンパワーだけではどうしようもない状況にまで追い詰められていた。そんな状況を打破すべく発足したのが「圧倒的スケールと威力による極めてシンプルな力関係の押し付け」による始源眷属・族への対抗であった。

かつて星の海に旅立つ前、穴だらけの地球で行なったバハムート建造の技術を転用し、周囲のマナを吸収して「血肉」を得るという構造を持つ機巧の巨神骨格はしかし最後に現れた「白」によって文字通り骨の髄までを侵され、染められ……そうして、破滅の巨神は生まれた。皮肉にも「圧倒的スケールと威力による極めてシンプルな力関係の押し付け」によって人類は王手へと詰められたのだ。では、全てが終わった後に破滅の巨神は一体どこへ消えたのだろうか?


ヴィカリウス・フィリィ・デイ

通称6.6.6.

神代時代において本来は「人類の絶滅を許容して尚、始源眷属を絶滅させる」という決死(ヤケクソ)の決意によって製造された最終「自滅」兵器を1号、2号計画用に改造を施したもの。

マナ粒子研究によって判明したマナ粒子の特性及び発生源、そして二体の始源獣の性質から算出された結論を基に発案された「抗獣計画」、その唯一の成功作「ジークヴルム」の性質を利用した弾頭を星の核に打ち込むことで惑星の核、ひいては星そのものを抹消する。

本来は実現不可能であるはずのそれをマナ粒子を利用することで無理やり「実現」した兵器。極めて限定的思考のみが可能な人工の生体脳髄を搭載しており、この星を滅ぼすということのみを思考し星の中心核で生成されるマナ粒子ごと自爆する……というものであったが、後任の1号、2号計画に合わせてシステムを変更。緊急で組み込まれたジュリウス・シャングリラの脳髄を星の中心核に打ち込み「人類が生存可能な環境の作成」を思考することで生産されるマナ粒子の制御を試みる装置にシステムを変更された。

結果として、マナ粒子の完全制御には失敗したものの環境操作には成功し、始源獣の目覚めを阻害し、慈悲深さを暴走させた「神」の代理として星の安定化に成功した。

星の核に打ち込まれた当該機の監視、制御をバハムート型恒星間航行移民船「B-2 リヴァイアサン」が担っている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
なんとなくだけどジズはヴァッシュの兄貴が関わってそう。ジズが月に逃げようとした人たちを撃墜したのも筋が通ってないからみたいな。
隷属させられてるから『族』だし 同化させられてるから『属』なのか 逆か!?
6.6.6=V.V.V=ヴァルヴレイヴだと思ってた。字面だけで判断できないんだぁよ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ