白波はうねり渦巻き風に酔う
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実のところ、俺は日本刀というカテゴリがそこまで得意ではない。やはりロングソードみたいなのと比べると耐久に難があり、そして曲剣のカテゴリなので刃をひっくり返さないと返しの一撃が出来ないというのもある。
幕末は例外だ、そんなこと気にする前に決着するからな……雑念を捨ててばっさりずぶり。それが幕末イズム。
とはいえあくまでも剣と刀があったら剣を選ぶかな、程度の苦手意識なので勿論幕末仕込みの剣術で刀も扱えるが……まぁそもそも根本的な問題として俺はまともに使える刀武器を持っていない。
境光の宝剣の刀モードは夜限定だし、蒼耀月はゲージ溜めと成分結晶溜めが必須な上に居合抜刀が一度しかできない。
まぁなんだかんだ境光の宝剣使うだろと思ったがギャラトラに逃げていたのでそれも叶わず……八割自業自得だが、そんなわけでこの銕刀【廻渦白波】が初めての常に刀として振れる刀なのだ……
「では早速、お披露目抜刀……「疾風」!」
踏み込みから加速、ぶにゅんぼにゅん身体を震わせながら突っ込んできた脂身肉とすれ違う一瞬の間に鞘から抜き放たれた黒い刀身に白く波模様が描かれた刃が真横一文字の閃きを描く。
「残心………」
キン、とスタミナがゼロになって動けないのでカッコつけて納刀した瞬間、脂身肉の身体からダメージエフェクトが噴出。なんか脂っこそうなエフェクトだなと思いつつも脂身肉がぶゆぶゆ震えながら地面に倒れ伏したのと、スタミナが回復し始めたのを確認しつつ姿勢を正す。いい刀だ、実直堅実、そしてなにより強靭だ。
いつもの鉱石類を素材に使っていることに加えて、「炉」の運用を手助けしただけあってかこの刀は練習用の刀として百点に近い能力を備えている……まぁ耐久値が尋常ではなく多いだけなんだがな、実質傑剣への憧刃の下位互換かもしれないがアレは見直してみると手間の塊なので同じようなものを作ろうとすると一日二日では完成しないのでボツ。
とりあえず先鋒としてやってきたのは赤身肉と脂身肉だけのようで、サバイバアルが方天戟で赤身肉を唐竹割にするという大味なのか器用なのかよく分からないトドメを刺したところで戦闘が終了する。
「なんだ、刀使いに転職したのかよ?」
「あー、スキル目当てみたいなもんかな」
「刀はなぁ、居合が見た目の派手さの割に威力が無くてなぁ……ん?」
「どうした?」
「……今オメー、一撃で倒してたよな?」
「ラッキーパンチだろ、刃物だけど。次いくぜ次!」
「あっ、待てコラまさか高倍率の居合スキル持ってんじゃねぇだろうな!!」
……
…………
………………
この層に登場するモンスターは基本的に食肉用の動物を模したお肉だ、なのでこの層の安全地帯で購入できるとあるアイテムととあるモンスターを組み合わせることで……プレイヤーは強力な機動力を手に入れることが出来る。
「待てコラァァァァァァアア!!」
「おー、頑張れー。もっと足を動かせー」
「ぬぉぉぉあああああ!!!」
俺が今跨っているモンスターの名はホースオマージュ・サラブレッドカスタム、その名が示す通り食肉モンスターがメインのこの殻層において数少ない移動用お肉だ。
安全地帯で購入できる「行動干渉用制御手綱」を装備することで飼い慣らすことができる馬肉の入手こそこの殻層を攻略するにあたっての重要事項とも言えるだろう……ま、機動力があるということは捕まえるのに苦心するということなのだが。
「おーいまだかー、いい加減待ちくたびれたんだがー???」
「く……うるせぇ……AGIはそんなに高くねぇんだよ……」
スタミナを切らして首のない馬の形をしたお肉が離れていくのを悔しげに眺めているサバイバアルを急かしてみるが、ここでグダついてもしょうがない。
「仕方ねぇなぁ……おいサバイバアル、お前がこの馬使えよ。名前はニトロ生肉」
「クソみてぇなネーミングセンスだなオイ! で、お前はどうすんだよ?」
いやー、そもそもの話……
「俺は自分で走った方が速いんだわ」
「あー、ホルダー称号取ってやがったな……」
この称号がある限り、俺は世界最速を名乗ることが出来る……嘘だ、幼女先生に勝てる奴はこの世に存在しないので強いて言うならプレイヤー最速か。
「徒歩で行くのかよ?」
「そういう心配は俺より早く進んでから言ってくれ」
「上等じゃねぇか、いくぞニトロ生肉!!」
焼けてるのか生なのかハッキリしない馬肉がサバイバアルの手綱捌きを受けて勢いよく走り出す。瞬く間に草原を駆けていくサバイバアル達を見送りながら……俺は例のアクセサリーを装備する。
あの頭のおかしい独楽回しは封雷の撃鉄・災との併用が原因だ、何でもかんでも足し算すればいいってもんじゃない……だから組み合わせを変えるべきだった。
スキルによる後押しを受け、速度を得た俺の身体が勢いよく前へと猛進……やっぱり、流石に封雷の撃鉄必須の速度ではなかった、スキルだけで賄える速度で 兇嵐帝痕・極は発動する!!
「そしてぇ……既に「走法」にアタリはつけている!!」
言うなれば背中を押されて滑るアイススケート、右回転で身体が傾く前に左回転でそれを相殺する、言葉にすると少し間抜けだがこれ以上なくシンプルな原理!
「サバイバァアル!! 孤島の頃から何も変わっちゃいねぇ!!」
タッパが幼女だろうと男だろうと、速度があろうとなかろうと!
「俺が! 先攻で!! 俺が! 主導権を獲る!!」
「その速度で長距離対応は反則だろうが!!」
「琥珀ガチャすりゃいいんだよフハハハハハハ!!!」
邪魔だ肉共! 回転を利用した晴天流「旋風」!! ヒャッホウ五体同時キルぅ!! オラオラどうしたかかってこいや全員動かない肉にジョブチェンジさせたらぁぁーーーーーーっ!!!!
〜五分後〜
「……で、回転しすぎて三半規管グロッキー状態になった、と」
「リアルの方のボディがゲロ吐きそう……五分待って、回復する」
「じゃあ俺はその五分で進むからよ、まぁそこでゲロっててくれや……ハイヨーニトロ生肉!!」
「こ、このやろう……」
回りすぎには、気を付けよう………うぇ゛
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