2025年M1、最低得点高すぎ問題、ドンデコルテと真空ジェシカ1点差問題、駒場さん「志らく枠」なのでは問題を語る
2025年のM1が終わりました。今年も色んな「バカ」が登場しましたね。ルンバにまたがり江ノ島に行くバカ、全身にライトを巻き付けて現実をスワイプするバカ、そしてYahooの天気予報を見てやよい軒でおかわりするバカ。
みんな、本当に、最高にしょうもなかった。
各スポンサーさんも力が入っていましたね。貴乃花の子供時代を再現する日清食品さんとセブンイレブンさん(ですよね?)、渋谷凪咲さんに大声を出させるサントリーさん(「机上の空論城」が元ネタだと思います)。
今日だけのために作られたCM。なんと贅沢な! もはやM1は長嶋茂雄さんが評したような「国民的行事」なのです。哲夫さん風に言えば、日本全国が面白い。
さて、そんなM1を「データ」で振り返ります。
審査員は敬称付き、演者は敬称略とさせていただきます。あらかじめご了承ください。
採点、そもそも10点満点でも良いのでは?
まず、2025年の採点結果を振り返ります。
最低得点は88点(柴田さんがママタルトに)、最高得点は99点(塙さんがエバースに)でした。
平均点・標準偏差を見ると分かるように、基本的には90点以上が大半、それぞれの審査員のなかで 3 ~ 5 点差を争うような戦いでした。だったら10点満点で良いんじゃない?とは思います。
審査員 9 名の採点をヒストグラムで表現してみました。88点~99点の間で、93点~95点に得点が集中しているとわかります。それだけ僅差だったと言えますし、じゃあ10点満点で良いんじゃない?とは思います( 2 度目)。
今のM1で起きているのは、最低得点の上昇です。最低と最高の得点幅が狭いから、本当に僅差の戦いと化しています。85点とか80点とか、最低得点を付け難くなっているんでしょう。なぜなら、山田邦子さんや上沼恵美子さんのように炎上するから(多分)。
ちなみにM1が復活した2015年まで過去に遡ると、2019年頃まで最低得点として80点~83点など付いていました。が、2020年以降最低得点が上昇を見せています(20年85点、21年87点、22年84点、23年86点、24年87点)。
絶対評価として「凄く上手いよね(基本的には90点以上です)」ということであれば、じゃあ10点満点で良いじゃない?100点満点である必要ある?と思います( 3 度目)。
M1を運営する皆さんには「100点満点にしている理由」を改めて考えて欲しいです。0点~100点で評価するためでしょう。もう少し、バラけても良いのではないでしょうか。だから審査員が増えたのだと思っていました。
ドンデコルテ、真空ジェシカ、ヤ―レンズ
今回の採点を得点降順で表現します。相対的貧困層・ドンデコルテとペーパードライバー・真空ジェシカ、ゼロオークロック・ヤ―レンズ、それぞれがわずか 1 点差でした。
ドンデコルテの得点が高いのは駒場さん( 1 点差)、哲夫さん( 4 点差)、柴田さん( 2 点差)、ともこ姉さん( 1 点差)の 4 名、真空ジェシカの得点が高いのは大吉先生( 4 点差)、塙さん( 2 点差)、後藤さん( 1 点差)、同点は山内さん、礼二さんでした。
たかが 1 点、されど 1 点。
哲夫さんの 4 点と大吉先生の 4 点は同じ重さでしょうか? 例えば、90点ばかりの採点だけど 1 人だけ94点なのと、89点から99点と採点がバラけている中での94点とでは、「 4 点」の意味が変わります。
こうした場合、データの『標準化』を図ります。異なる尺度や単位のデータを「平均 0 、標準偏差 1 」という共通の基準に変換する手法です。これにより、身長と体重、平均点の異なるテストの得点などを比較できます。
結果は以下の通りです。
ドンデコルテ2.07、真空ジェシカ1.56、ヤ―レンズ1.40。わずか 1 点差でしたが、とても分厚くひっくり返らない 1 点差でした。
トップバッターを評価する難しさ
番組が始まった18時30分から、30分も盛り上げるだけ盛り上げるので、テレビ画面から演者の緊張が伝わってきました。やや甘噛みが続いた印象です。
そんな環境でトップバッターとして登場し、空気を一変させるのは、本当に並々ならぬ腕前が求められるのだと感じています。ヤ―レンズが去年とは打って変わって「惜しみないバカ」を演じて、舞台が明るくなりましたよね。
改めて、10組の得点を振り返ります。
トップバッターを基準とし、それより面白い/面白いとは言えないで採点をしていく「90点理論」で採点していく方が多いと筆者は思うのですが、「面白いコンビがトップバッターで出てきた」と思われたのか、90点以上が続出しました。
というのも、2023年M1は「トップバッター超面白い問題」が勃発して、令和ロマンに90点を付けた松本人志さんが以降の採点に苦戦されておられた印象があるのです。
90点よりは上だろうと、+1 ~ 7 点が付きました。凄いのは、その後に登場しためぞんに対して、しっかり得点を下げて採点した各審査員がいたことです。山内さん、柴田さんの94点⇒89点は「凄いな」と思います。
一方で、駒場さんは「ヤ―レンズ以上」と採点されました。そして、その流れのまま10組の採点が終了した結果、駒場さんは「ヤ―レンズ」が最下位という結果となりました。
この結果を受けて「駒場さんは途中で採点軸を変えたのではないか?」といった罵倒する声をチラホラ見かけました。
いやいやいや、そんなわけ無いでしょう。筆者は、駒場さんは「志らく枠」だと捉えています。ランジャタイ、トム・ブラウンに高得点を付けたように『私たちにはわからないんだけど、駒場さんの心の中では納得している得点の付け方』があるのでしょう。
そこで、得点の傾向を主成分分析で見ておきます。
■主成分分析とは…
たくさんある列を、全体が分かりやすく見通せる 1 ~ 3 程度の列(次元)に要約していく手法。この要約は「次元の縮約」という表現で呼ばれる場合もある。要約した合成変数のことを「主成分」と呼びます。
この辺りの実装、何をやっているかよく分からないという方は、9 人の審査員の得点を 2 列に圧縮したと捉えて下さい。9 人でそれぞれ傾向があって分かりづらいのですが「似た者同士の 2 列」があれば、それを 1 列にまとめます。 9 人分のデータ→ 2 つの傾向にまとめて可視化しやすくなったと考えてください。
得点の振れ幅は、駒場さんから大吉さんまで広がりがありました。ヤ―レンズの得点が低かった駒場さんに「どうなんだ?」と言うのであれば、同じくドンデコルテの得点が低かった大吉先生や塙さんに「どうなんだ?」と言って欲しい。
結局、推しが 3 位に入らなかったことの「恨み節」ではないでしょうか。それは一生懸命に漫才をされた真空ジェシカやヤ―レンズを、結果的に貶しているのではないでしょうか。
「駒場が得点を…!」「哲夫はやっぱり…!」と罵倒してどうなるのです。そして、その言葉はどうして柴田さんに言わないのでしょうか。もし、柴田さんが採点していなければ、真空ジェシカは最終決戦に進出しています。
恐らくは「哲夫って今揉めてるよね」「駒場はヤ―レンズを最下位にした」など、わかりやすい理由で 2 人は責められている希ガス。本当に良くない。
お笑いの世界で「犬笛」なんて絶対に吹いてはならないでしょう。まずは審査員に敬意を払いませんか。
筆者も「豪快キャプテンの採点甘くない?」とは思いますが、だからと言って審査員に暴言を吐くのは違うと考えています。
駒場さんから大吉先生まで、色んな見方をする漫才師が 9 人揃って、全員の意見を集約して「面白い」と評価された上位 3 組がエバース、たくろう、ドンデコルテなのです。
吉本興業は18日、中国・上海で20〜22日に予定していた公演の開催を中止すると発表した。理由は「やむを得ない事情」としているが、高市早苗首相の台湾をめぐる発言による日中対立の影響を受けての対応とみられる。
ぜひ、中国在住の皆さんにエバースらの漫才を見て欲しい。習近平も笑うはず。知らんけど。
M-1 2026に向けて
蓋を開けるまで、今年の最終決戦はエバース、ヤ―レンズ、真空ジェシカだと思っていました。ところが、初めて見るたくろうの挙動不審漫才、ドンデコルテの信者漫才に腹を抱えて笑いました。初見ゆえに、新鮮な気持ちで笑えました。
思い起こせば、2019年のM1でミルクボーイが史上最高の笑いを生んだ後、このまま和牛が勝ち抜くかと思いきや、傷付けない笑い・ぺこぱが出てきた時も、時代の壁が壊れた音がしました。
今年も同じように、時代の壁が壊れた音がしました。ただ、新陳代謝がエグすぎる。漫才って、毎年のように新しい人が出てくる。ルミネに漫才観に行こう!って思いました。
2025年のM1は初めてのウォシュレットで*にちょうど当たったように、私の心にも新鮮な笑いがちょうど当たりました。来年が今から楽しみです。
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誤 ヤ―レンズ 正 ヤーレンズ
前の年より低くしたら面白くないと思われて視聴率下がるでしょ
審査員の人数が同じなら歴代最高得点が出た時に盛り上がれるからでしょう。別に本質的な公平性なんかは最優先ではない。数字の扱いはともかくエンタメに対する理解がないから見当外れなこと…
6人の審査員の最高点と最低点を除いた合計にしたら良いんや。 審査員の主観で優劣をつけるフィギュア系の競技は大体そう。 審査員の心理的な負担も減る。