「72の法則」「115の法則」「126の法則」とは?使いやすいのは?

「72の法則」「115の法則」「126の法則」を使えば目標資産額を達成するための利回り・運用期間が手軽に計算できます。


2025/05/08

この記事のポイント

  • 一括投資で運用資産が2倍になる利回り・運用期間を知りたいなら「72の法則」
  • 「126の法則」は積立投資で運用資産が2倍になる利回り・運用期間を求める計算式
  • 「NISA」「iDeCo」などコツコツ投資派なら「126の法則」を覚えておこう

目次:

老後資金や子どもの教育費、マイホームの頭金など、重要なライフイベントのためにまとまったお金を貯める機会は意外と多いです。そんな時、どのぐらいの利回りで資産運用すれば何年で目標金額に達するのか、手軽に計算できると便利でしょう。簡単な計算ですぐに分かる「72の法則」「115の法則」「126の法則」という3つの法則をご紹介し、どの法則が一番使い勝手が良いのか、ご説明します。

資産運用に役立つ3つの法則

「72の法則」「115の法則」「126の法則」はすべて想定する運用利回りと運用期間を基に計算します。いずれも「運用資産(投資元本・投資したお金と運用益の合計額)が投資元本の何倍になるか」を計算する手段ですが、運用資産を何倍にしたいのか、一括投資・積立投資のどちらを選ぶのか、によって利用する法則は変わります。

1.「72の法則」:運用資産が投資元本の2倍になる年数・利回りを計算

「72の法則」は預貯金や投資信託などに一括投資した場合に「どのぐらいの運用利回りで何年間運用を続ければ運用資産が投資元本の2倍になるのか」が分かります。複利での運用を前提にしており、計算式は以下の通りです。

1年間の運用利回り(%)×運用期間(年)=72

運用利回りが年3%であれば、運用資産が投資元本の2倍になるために必要な期間は24年(運用期間=72÷3)。概算ではあるものの、厳密に計算した結果である(1+0.03)^24=2.03(2.03倍)との差はわずかです。「72の法則」を使い、さまざまな運用利回りで運用資産を投資元本の2倍にするために必要な運用期間を求めた結果が以下となります。

「72の法則」の具体例、フィデリティ投信が作成

銀行の普通預金金利は年0.001%(注)です。この金利(利回り)では運用資産が投資元本の2倍になるまでに7万2000年もかかります(運用期間=72÷0.001)。金利がその100倍(0.1%)あったとしても、720年必要です。
注:日銀「預金種類別店頭表示金利の平均年利率等」、2023年7月分

株式、債券、リート(REIT、不動産投資信託)などさまざまな金融資産を組み合わせて資産運用すれば、長期的には一定の利回りが期待できます。過去の実績を見ると年4〜7%程度が現実的な水準だと考えられます。

①世界株式インデックス、②株式への配分割合が多い「積極型」、③株式と債券の配分割合が同じ「バランス型」、④債券への配分割合が多い「安定型」、⑤世界債券インデックスの5つのポートフォリオで1989年12月から2021年12月まで32年間運用した場合の利回り(リターン)の最大値、平均値、最小値、フィデリティ投信が作成

運用資産を投資元本の2倍に増やすためには、運用利回りが4%であれば18年(運用期間=72÷4)、7%の場合は10.3年(運用期間=72÷7)必要です。

2.「115の法則」:運用資産が投資元本の3倍になる年数・利回りを計算

「115の法則」の仕組みは「72の法則」と同じです。預貯金や投資信託などに一括投資した場合に「どのぐらいの運用利回りで何年間運用を続ければ運用資産が投資元本の3倍になるのか」が分かります。複利での運用を前提にしており、計算式は以下の通りです。

1年間の運用利回り(%)×運用期間(年)=115

運用利回りが年5%の場合は、運用資産が投資元本の3倍になるために必要な期間は23年(運用期間=115÷5)。厳密に計算した結果である(1+0.05)^23=3.07(3.07倍)との差はわずかです。「115の法則」を使い、さまざまな運用利回りで運用資産を投資元本の3倍にするために必要な運用期間を求めた結果が以下となります。

「115の法則」の具体例、フィデリティ投信が作成

運用資産を投資元本の3倍にするためには、運用利回りが1%であれば115年かかります(運用期間=115÷1)。3%なら38.3年、5%であれば23年です。「たった1%でそんなに変わるの?」と思われるかもしれません。しかし、老後への備えなど何十年もかけて資産運用をする場合には、わずか1%の違いで運用成果に大きな差が生まれるのです。

3.「126の法則」:積立投資で運用資産が投資元本の2倍になる年数・利回りを計算

「126の法則」は投資信託などで積立投資をした場合に「どのぐらいの運用利回りで何年間運用を続ければ運用資産が投資元本の2倍になるのか」が分かります。慶応大学の枇々木規雄教授が提唱しています(注)。
注:「126ルール:積立投資の複利効果を概算する簡単な計算ルール、日本FP学会ニュースレター」(枇々木規雄)、2021年12月

「126の法則」は毎月一定額を給与から天引きして資産運用に充てるなど、積立投資で利用する計算式です。2024年から始まった「新NISA」の他、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」などのお得な制度を利用してコツコツ投資に取り組む場合は「72の法則」「115の法則」よりも使い勝手が良いのではないでしょうか。計算式は「72の法則」「115の法則」と同じで、以下の通りです。

1年間の運用利回り(%)×運用期間(年)=126

運用利回りが年3%の投資信託などに毎月投資した場合、運用資産が投資元本の2倍になるまでにかかる時間は42年(運用期間=126÷3)です。「126の法則」を使ってさまざまな運用利回りで必要な運用期間を計算した結果が以下となります。

「126の法則」の具体例、フィデリティ投信が作成

ライフプランを考える現実的な時間としては20~40年くらいが一般的でしょう。毎月一定額を積み立てて資産運用を20年間続ける場合、運用資産を投資元本の2倍にするためには6%強、40年では3%強の利回りがそれぞれ必要になります。このほか、積立投資で運用資産を投資元本の3倍にするための運用期間や利回りを計算する「190の法則」もあります。

まとめ

どのぐらいの利回り、運用期間であれば目標とする運用資産額に届きそうか、大まかな目安を知りたいのであれば、すぐに計算できる「72の法則」「115の法則」「126の法則」を知っておくと便利でしょう。2024年から始まった「新NISA」の他、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」といったお得な制度がある日本では、よく耳にする「72の法則」などよりも積立投資で利用する「126の法則」のほうが使いやすいかもしれません。ぜひ活用してください。

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