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イオン、物価高での食品スーパー再編 40億円コスト削減し販促費捻出

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イオンは22日、食品スーパーの成長戦略を公表した。関東は上場子会社のユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(USMH)、関西はダイエーに食品スーパーの運営を集約する。再編で最大で650億円を改装などに投じるほか、約40億円のコスト削減につなげる。合理化を進め低価格商品の拡大など節約志向に対応する。

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「価格競争の高まりやインフレによるコスト上昇などで特に首都圏や近畿ではスーパーの事業環境は非常に厳しい」。22日夕、東京都内で開いた記者会見でイオンの吉田昭夫社長は食品スーパー事業の再編の理由についてこう語った。

今回の再編を通じて「スケールメリットの最大化と地域に根ざした商品政策の両立で持続的な成長につなげる」と意気込む。

2026年3月1日付でUSMH傘下のマックスバリュ関東(東京・江東)にダイエーの関東事業、ピーコックストアを手掛けるイオンマーケットを統合する。統合に合わせてマックスバリュ関東は社名を「イオンフードスタイル」に変更する。

USMHは両社を傘下に加えることで連結売上高は1兆円を超える規模になり、ライフコーポレーションなどを上回る。今回の統合により、USMHの首都圏での売上高ベースのシェアは7%と1ポイント増える。

足元でダイエーは関東に78店舗を展開する。そのうち62店舗をイオンフードスタイルに移管。残りは一部の店舗を閉店したり、グループで総合スーパー(GMS)を手掛けるイオンリテールなどグループ内企業に移管し運営を最適化する。

このほか13年にJ・フロントリテイリングから買収した関東で35店舗を展開するピーコックもイオンフードスタイルと統合する。

イオンが傘下の食品スーパーを再編する背景の一つには物価高がある。帝国データバンクによると、25年の飲食料品の値上げは前年比65%増の2万609品目と2年ぶりに2万品目を超えた。

イオン幹部は実質賃金が伸び悩むなかで「生活防衛意識が高まっており、価格に対する消費者の目は厳しくなっている」と話す。節約志向が高まるなか、人件費や光熱費といったコストの上昇分を販売価格に転嫁しにくいのが現状だ。

関東の食品スーパー事業を統括するUSMHは傘下に今回再編するマックスバリュ関東のほか、過去に買収したカスミ、いなげや、マルエツの3スーパーを抱える。足元では一部商品で仕入れ部門を統合するなどしてきたが、25年3〜8月期の連結決算は2年連続の最終赤字と苦戦している。

このためさらなる再編を通じた商品調達や物流機能の統合による合理化が必要だと判断した。これまで子会社ごとに別々に手掛けていた商品調達や物流機能を統一し、仕入れ価格を引き下げることで、特売など販促費の原資を生み出し価格競争力を高める。

調達機能を統合するなど子会社再編で約40億円のシナジー(統合効果)を創出する。USMH傘下の企業との共同調達や、イオンの物流会社などとの連携も模索する。削減したコストを原資に店舗の改装やリニューアル費用として、イオンフードスタイルとダイエーを対象に最大650億円の投資を実施する。

一連の統合効果により、30年2月期の売上高はイオンフードスタイルで25年2月期比3割増の2400億円、関西のダイエーで1割増の3300億円を目指す。

ただ首都圏では食品スーパーの「ロピア」を運営するOICグループ(川崎市)や九州発祥のトライアルHDなどの新興勢力が店舗網を拡大している。中部地盤のバローHDも11月に首都圏に進出するなど競争環境は激しさを増している。

イオンは食品スーパーで買収を重ねることで成長してきた。しかし「連邦経営」の名の下、各社の自主性を重んじて経営統合などには慎重姿勢だった。

イオンは今回の再編でこれまでの分権体制から大消費地ごとの集権体制へとかじを切る姿勢を打ち出した格好だ。イオン幹部からはなお「USMHなどグループの食品スーパーはさらなる最適化が必要だ」との声もあがる。

イオンにとって長年の課題だった食品スーパー内の再編を通じて低価格戦略に磨きをかける考えだ。ただ物流費や人件費の高騰が続く中、今回の再編で実際に想定するシナジーが得られるかは不透明な部分も残る。

ロピアなどの台頭が続く中で、イオンとしては統合を通じて早期にコスト削減など統合成果を生み出す必要がある。

(為広剛、小西夕香)

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