強化外骨格「Hypershell Pro X」で登山レビュー

今回のネタはCES2025でも展示されていた外骨格デバイス「Hypershell pro X」についてです。2年前にKickstarterで支援していたのですが、ようやく手元に届きました。

以下は2年前に書いた記事です。

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概要

Hypershell Pro Xは、AIを搭載した強化外骨格デバイスで、主にアウトドア活動や日常生活における身体的な負担軽減(特に腰や脚のサポート)をするために使います。

2.0kgという軽量設計でありながら、最大30kgの重量を相殺する能力を持っており、重い荷物を持ちながらの長時間の移動や昇降をアシストしてくれます。負荷軽減だけでなく山岳地帯や高所の移動時間短縮も狙えるデバイスです。

 

私個人の感想としては、ハプニングもありましたが満足でした。

基礎スペック紹介、実機のチェック、最後に登山計画の上で実際に山に持っていってバッテリーの持ちなど機能評価します。

2025/1/20からですが、モノはここから買えます。

https://jp.hypershell.tech/collections/featured-products

 

 

基礎スペック

本体スペック表

Hypershellが展開している製品は3種類があり、今回レビューするのは真ん中のPro Xです。更に200g軽量なCarbon Xや廉価版のGo Xという機種があります。

公式サイトからスペック表を持ってきて日本語に訳しました。

Hypershell Go: 日常のアウトドア AI 外骨格jp.hypershell.tech

製品

Hypershell Go X

HGX-400W-NYL

Hypershell Pro X

HPX-800W-NYL

Hypershell Carbon X

HCX-800W-NYL

価格 US$ 799 US$ 999 US$ 1,499
折りたたみ時の寸法 430mm × 260mm × 125mm 430mm × 260mm × 125mm 430mm × 260mm × 125mm
重量 2kg 2kg 1.8kg
最大出力 400W 800W 800W
バッテリー範囲 9.3マイル / 15km 11マイル / 17.5km 11マイル / 17.5km
消費エネルギー削減 最大20% 最大30% 最大30%
アシスト速度 7.5 mph / 12km/h 12.4 mph / 20 km/h 12.4 mph / 20 km/h
動作姿勢認識 6種類 10種類 10種類
AIエンジン MotionEngine LIT MotionEngine MotionEngine
ベルト素材 ナイロン ナイロン GORE-TEX
保護等級 IP54 IP54 IP54
動作温度 -10°C~60°C / 14°F~140°F -20°C~60°C / 14°F~140°F -20°C~60°C / -4°F~140°F
充電温度 0°C~40°C / 32°F~104°F 0°C~40°C / 32°F~104°F 0°C~40°C / 32°F~104°F
充電時間 65Wの充電アダプターと標準Type-C急速充電ケーブルを使用して90分で充電完了。最大100WまでのサードパーティType-C充電アダプターに対応。

[1] 3km/hの歩行速度、7kmのテスト環境で計測。
[2] 90kgの成人が15°を超える斜面を移動した際の体内代謝消費量に基づくデータです。
テスト環境の結果であり、実際の使用条件によって異なる可能性があります。

Pro Xの耐用距離は1,500kmと書いてありました。2万歩で15kmくらいなのでハードユースなら1年立たずに超えそうな距離ですが、デフォルトで保証期間は1年なのでとりあえず安心。

バッテリー範囲について

2年前にキックスターターに出たとき、スペックをまとめた時にはHypershell Proは25kmまでと書かれていたのですが、17.5kmになりました。バッテリーを2つ付属させたから合計35kmなのでヨシ!ということらしいです。

なお、公式サイトによると17.5kmというのは傾斜2度で測定されています。

17.5KMは、25%エコモード、2度の傾斜で測定されています。実際の範囲は、気温、高度、アシストレベルなどの要因によって影響を受ける場合があります。

この測定結果は条件がかなり緩く、普通の山だと傾斜2度以上ある場所がほとんどだと思うので、稼働時間については実機で見ていきたいと思います。

個人的には平地では50%、傾斜がある場所では75%くらいで動作させないと効果が分かりにくいです。

 

動作姿勢認識について

ウォーキング、競歩、砂利道、ランニング、サイクリング、

登山、丘を上る、階段を上る、丘を下る、階段を下りる

の10種類をAIが認識していい感じに足腰の動きをサポートしてくれます。

Go Xは6種類で、登山、砂利道、ランニング、サイクリングが省かれています。

 

バッテリーについて

上記が本体スペックですが、バッテリーについてもまとめておきましょう。

スペック表に記載されている重量は本体のみで、バッテリーは1つ410gあります。

製品

Hypershell Intelligent Battery

AIB-5000-50E

Hypershell Anti-cold Temperature Battery

AAB-5000-50S

価格 US$ 99 US$ 119
バッテリータイプ リチウムイオンポリマー  リチウムイオンポリマー
寸法 80×40×50mm 80×40×50mm
重量 410g 410g
容量 5000mAh, 72Wh 5000mAh, 72Wh
定格電圧 14.4V 14.4V
最大充電電圧 16.8V 16.8V
充電ポート USB-C Port; PD Protocol USB-C Port; PD Protocol
動作温度 -10°C ~ 60°C / 14°F ~ 140°F -20°C ~ 60°C / -4°F ~ 140°F
保管温度 0°C ~ 40°C / 32°F ~ 104°F 0°C ~ 40°C / 32°F ~ 104°F
対応製品 Hypershell GO X / PRO X / CARBON X Hypershell PRO X / CARBON X
標準充電時間 90分 (65W充電アダプター + 標準Type-C急速充電ケーブル)
90分 (Hypershell 4-way充電ハブ使用)

 

Hyppershell Go X は普通のバッテリーが1つ、 Pro XとCarbon Xには2つ耐寒仕様のバッテリーが付属します。普通のバッテリーはどれでも使えるようですが、耐寒仕様のバッテリーはGo Xと互換性がありません。

冬山などの寒冷地で運用する場合には、Pro XかCarbon Xを選んだほうがいいですね。後述しますが、充電ハブも買ったほうがいいです。

 

考えられる使用シーン

ハイキング/登山

登山

移動範囲が広がりちょっとキツめの観光ロケーションにも挑戦できそうです。Hypershellに完全に依存したスケジュールは危険なのでルート選定は慎重に。

カメラマンのフィールドサポート

カメラマンのフィールドサポート

カメラマンは重い機材を抱えての移動が欠かせませんが、30kgの重さを相殺してくれるのでロケ先への行き来の自由度が格段にアップすることでしょう。

配送、建設現場の負荷軽減

配送の負荷軽減

階段の上り下りや長距離移動をサポートしてくれるので仕事中の足腰が守られそうです。特にエレベーターがない場所ではかなり効果的かもしれません。

開封の儀

本体一式が専用ケースに納められています。軽くて持ち運びやすいです。

開封

付属品は以下の通りです。

ネイビーブルーとグレー、アクセントのオレンジ色がカッコいい。

本体はアルミニウム合金で出来ており、軽量ながら頑丈そうです。

  • 本体
  • バッテリー2つ
  • USB-Cケーブル
  • 保証書
  • マニュアル(英語のみ)

付属品

早期支援者だったので日本のコンセントでも使える65WのPD充電器と3年の追加保証がついてました。

充電器

マニュアルはここから読めます。

内側のクッションはマジックテープになっており、取り外して位置調整が可能です。

2年前の画像にあった100均に売ってそうなベルトから大幅に進化しました。

取り外し可能なマジックテープ付きベルト

体に合わせて横幅調整が可能で、ロックを解除すると伸縮します。

長さ調整

装着できるサイズの目安はこのリストを見ればわかります。

バッテリーは背面下部に装着できるようになっており、使用中に外れないようにカチッとロックされます。ロックボタンを押して引っ張ると抜けます。

バッテリーの脱着

ロックボタンを押すと内部のツメが動いて外れる仕組みです。

バッテリーのロック

身体に装着したままバッテリー交換もできました。下側なのでバックパックを下ろす必要もありません。右側のモーター部分に電源スイッチとバッテリー残量が分かるインジケータがあり、Bluetooth接続して専用アプリからバッテリー残量を確認することもできます。

インジケータ

バッテリー側に充電用のUSB-Cポートは無いので、充電は本体上部のUSB-Cポートからか、別売りの充電ハブで行います。

USB-Cポート

バッテリー充電中に本体を起動しようとするとアプリ側に警告が出ました。

充電中はバッテリー外さない 体につけない

バッテリーを充電しながらローテーションして使いたければ充電ハブも買う必要があるようです。1ポートだけでいいのでUSB-Cの変換アダプタを作るか、バッテリーにUSB-C端子を付けてくれたら現地でも充電できて嬉しいんですが…

バッテリー無しで本体のUSB-C端子にAnkerのモバイルバッテリーを繋いでみましたが、流石に動作はしませんでした。

充電ハブ

登山計画

今回の試験会場について

試験会場は関東民御用達のハイキングルート、高尾山周辺の山です。

高尾山はハイキングに来た人でいっぱいなので、今回は陣馬山から景信山を経由する11kmの縦走ルートにします。

今回のテストルート

高尾駅北口からのバスで陣馬新道登山口まで行って、帰りは小仏バス停で帰れます。昔このルートを歩いたときは8時間かかりました。

スタート地点から陣馬山までの傾斜がキツめですが、陣馬山まで到達すると起伏が少なくて歩きやすいハイキングコースになっています。

のぼり756m くだり803m

テスト条件

25%エコモードで使えばバッテリー交換無しで完走するはずですが、25%は物足りないので基本的に3倍の75%エコモードで使います。

25%エコモードで17.5km行けるとすれば、75%ならバッテリー1つで5kmくらいは持ってくれるだろうと信じます。

今回のルートでは最後あたりでバッテリー切れになりそうなので、使わないお昼ご飯のタイミングで充電します。65wで90分充電すれば満タンになるらしいので50%くらいは回復してくれるでしょう。

正直このルートなら最初のキッツい登りさえ楽できればOK。

 

登山計画(1月・冷え込みあり・11kmルート)

距離11km、登り750m、下り803m、予想所要時間8時間
開始時間: 8:30

水は2Lあれば十分だと思いますが、Hypershellもありますし、さらに2Lペットボトルも追加。絶対余りますが、久しぶりで使う量を忘れたので。ここに書いてないのも合わせて、持ち物の合計重量は15kgくらいになりました。

カメラマンだったらこれに加えて三脚や大型のレンズ、予備バッテリーなどが加わるので+6kgくらい増えると思います。

持ち物リスト
カテゴリ アイテム 重量 備考
服装 ベースレイヤー -- 吸湿速乾性の長袖シャツ
服装 ミッドレイヤー -- フリースまたは薄手のダウンジャケット
服装 アウター -- 防風・防水のレインジャケット(ゴアテックス)
必需品 バックパック (paago works Buddy 33) 1.1kg 容量33L
必需品 小物入れ(paago works Switch M) 1.1kg いろいろ(財布とか)
必需品 水筒 (500mL + 350mL) 1.2kg 500mLはお湯 350mlは色々用
必需品 SOURCE ハイドレーションパック (1.5L) 1.5kg 飲みやすいハイドレーションシステム
必需品 トレッキングポール 0.3kg 膝への負担軽減
必需品 雨具 0.6kg 防水性のあるレインウェア
必需品 応急キット+非常用アイテム 0.9kg

困ったとき用 

携帯浄水器とか熊よけスプレーとか

特別装備 Hypershell Pro X 2.0kg エクソスケルトン
特別装備 Hypershell バッテリー x2 0.8kg 1つあたり410g
特別装備 Anker PowerCore III Elite 25600 0.6kg

充電用モバイルバッテリー

最大87w出力

その他 カメラ (Canon EOS RP + レンズ+携帯用バッグ) 1kg 撮影用
その他 行動食 0.8kg チョコレート、ナッツ、エネルギーバーなど
その他 昼食 0.5kg カップラーメン、おにぎり2こ
その他 ペットボトル 2Lの水+500mLお茶+300mLコーヒー 2.8kg 水分はいくらあっても困らないので

脚部のベルトをバッテリーらへんに巻き付けるとブラブラしなくていい感じにはなったのですが、折りたたんでもバックパックにいれるのはちょっと厳しい。

折りたたんでもデカい

バックパックの外に引っ掛けると邪魔ですし、最初から装着して行くことにしました。おっ足悪いんか?みたいな目で見られますが、まあ仕方なし。デメリットとして横幅がデカくなるので電車やバスで座るときに隣に人がいると邪魔です。

動作音はかなり静かでほぼ無音です。ロングコートでも着たら付けてるのは分からないと思います。

つけたところ

現地メモ

  • モバイルバッテリー使うなら事前確認すべき
    電車に乗ってる間は使わないので座りながらAnkerのモバイルバッテリーで充電してみるとhypershell側のバッテリーが減って逆給電が始まりました。最初はアプリ側の不具合かな?と思って放置していたのですが、気づいたら43%に…まさかのアクシデントです。持っていく前にモバイルバッテリーでちゃんと充電できるか相性確認しておくべきでした。Ankerのバッテリーがただのお荷物になってしまうとは…
    Hypershellの名誉のために言っておくと、CIOのモバイルバッテリーを使ったら正常に充電できました。(動作確認品: SMARTCOBY Pro PLUG )
  • 歩き方の最適化が必要
    左と交互に脚を動かすとサポートしてくれますが、右右左左だとサポートしてくれません。歩幅を小さく、すり足で足を前に出すと勝手に脚が持ち上がってくれて楽でした。

9:05 陣馬高原下バス停 入山

0km バッテリー残量43%

脚が引っ張られる感覚がすごい。ちょっと動かすだけで1馬力のモーターが動きをアシストしてくれます。霜が降りてて日が当たっているところは若干ぬかるんでいました。

登山道

9:42 キツめの急勾配

1.6km バッテリー残量10%

使用から40分後、なんかアシストが弱くなったな…と思ってアプリから確認したところバッテリーがLowと表示されていました。10%を切ると設定できる最大パワーが50%エコモードまでに制限されるようです。

ちょっと早すぎますが逆給電しちゃったから仕方なし、まだまだ勾配が続くので、ここでバッテリーチェンジ。バッテリー残量100%で残りの坂道を登っていきます。

アプリ画面

10:44 陣馬山の山頂に到達

3.0km バッテリー残量62%

前に来たときは立ち止まって休憩を入れながら登らないと無理だったのですが、アシストのおかげでとても楽に登れました。

持ってきたお菓子とコーヒーで40分ほどおやつタイム。雲一つなく富士山も見れました。こういうところで食べるお菓子ってうまいんですよね…

/^o^\

12:04 明王峠に到達

5.0km バッテリー残量18%

陣馬山からは平坦なハイキングコースなので燃費が若干良くなりました。0.5kmで11%減るペースです。

明王峠にはベンチがいくつか置いてあり、ちょうどお昼の時間だったので30分ほどお昼ごはん。

カプヌ

もしかしたらhypershellのバッテリーを完全放電させたらモバイルバッテリーから給電してくれるかもしれない…という淡い期待を抱いてご飯中に最初に交換したhypershellのバッテリーに再度モバイルバッテリーで充電してみましたが、0%になってからケーブルを繋ぎ直しても充電されずトドメを刺してしまったようです。

 

12:58 景信山まで残り3.2km

6.3km バッテリー残量0%

電力が足りないのかhypershellから苦しそうな震動を感じたので使用中断。

バッテリー1本で4.7km行けた感じです。予想に近い結果が得られましたが予備バッテリーをたくさん用意するか、ローテーションして充電しないとロングトレイルは厳しそう。

ここからはアシスト無しでノーマルな登山の苦しみを味わっていきます。

 

13:57 景信山に到達

8.8km バッテリー残量0% 体力40%

無理ィ!!明らかにペースが落ちています。

YAMAPプレミアム会員には移動距離とユーザーの平均ペースをグラフ化する機能があるのですが、移動距離とペースの関係を示すグラフがこちらです。

移動距離とペース

陣馬山頂までのエコモード75%で急勾配を駆け上がっているところでは100%より常に上で、通常の人より早く移動できています。hypershellを使っている間は早いペースを保てている事が分かります。

バッテリーが完全に切れた6.3km地点から先は平均以下です。

これが肉体の限界を迎えた本来の私のペースです。(平均よりも80~90%遅い)

 

15:51 下山完了

11.2km バッテリー残量0% 体力20%

登りはアシストがありがたかったんですが、下りはまあアシストあっても無くても変わらないかなって感じがしました。上りや緩やかな下りは効果抜群だと思います。

合計時間は6時間46分。3年前の8時間と比べたら大幅短縮です。

休憩時間はほとんど同じだったので通常よりも1時間以上の時間短縮ができたことになります。フルタイムでバッテリーが使えたら、もっと短縮できたと思います。

10万円くらいの投資で1時間以上の時間短縮できるんなら、毎日山登るようなお仕事してる人がこれ使うのは大いに有りなのでは?

 

帰ってきて思ったこと

あるとないとで全然違います。もうこれ無しで山行きたくないです。

登山終わった当日にこの記事出せるくらいには余力が残っています。

しかしずっと使っているとベルトが落ちてきます。他の所有者の人も言ってましたが、サスペンダーがあるとずり落ちてこなくていいと思いました。

こういう腰道具ぶらさげるのに使うようなタイプじゃないと付かなさそう。

アルミ部分にインシュロックとかでループ作ったらフックタイプでも付けれそうです。

Hypershellの回答では、純正品のサスペンダーベルトは真面目に検討したいとのことでした。

あとはモバイルバッテリーが使えないのは思わぬ盲点でした。充電ハブを買ったら動くかもしれないので販売が始まったら追加のバッテリーと一緒に買いたいなって思いました。

充電中は動かせないため、充電できるのは休憩中だけになってしまいますが、AC出力ができるモバイルバッテリーと普通の充電器の組み合わせでも良さそうです。

装着しながら背面に充電ケーブルを挿すのは難しいので、こういうマグネットアダプタをつけると充電しやすくなります。

 こんな感じ 後ろから穴を探さなくても挿せてマグネットなので端子の保護になります。

マグネットアダプタ

ということでHypershell Pro Xのレビューでした。おすすめです。

 

 

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以上

圧倒的成長。