吠えろ猛牛、神峰を駈けろ
地獄の色違い厳選を終えたので色違い厳選します(無限ループ)
Q.なんで連合のテラトン級二隻巻き込んで自爆したの?
A.連日の人力シャッフルで手が滑ってね、誠に申し訳ないごめんねゴミ共
Q.なんでウチの船に万全の状態のゲリラ送り込んできたの?
A.手が滑ったから仕方ないねぇ! 人力で転送ゲートシャッフルすればいいんじゃないですかなぁ!! ポチポチとさぁ!! ねぇ!!!!
「ホーネッツネスト」盟主ディアホーン、女王玉座と共に自爆し討ち死。
………………
…………
……
「た、たまやー」
「形的にかぎやじゃねェのか? いやどういう形なのか知らねェけどよ」
「札束で殴り合う憎悪の応酬だ、なんとノンフィクションのライブ映像。フォックス、ポップコーンとコーラとか持ってないか?」
「……お前、日に日にガラが悪くなってないか」
「化けの皮じゃないかしらねぇ」
脱皮生物がコードネームのネカマによりにもよって化けの皮呼ばわりされたの控えめに言って面白すぎないか? これがアホ二人のどっちかだったら一発入れてたぜ。
昨今の現代社会において誰それの企業が気に食わないから毒を盛ろう鉄砲玉を差し向けようなんて野蛮が通るはずもなく、資本主義の闘争とは札束で作った棍棒で殴り合うイマジナリーチャンバラがデフォルトである。
だがどうだ、この世界じゃ流通と情報によって為されていた見えざる拳が明確なリソースとオブジェクトになって文字通り火花を散らしている。
「どれだけ課金装備に身を包んでも人間一人の命の単価なんて自爆ボタン一つで散るんだなって……いとおかし」
さりげなーく最終日の戦闘開始時間前に自爆の直撃範囲にまで近づいた女王玉座が派手に爆散した事で、ただでさえ一週間近く戦い続けて疲弊していたテラトン級の一隻は真ん中から真っ二つに裂けて連鎖的に爆散、かろうじて轟沈は免れたテラトン級も無傷とは到底思えない様子で後ろへと下がっていく。
埋伏の毒とは言うが、まさか一日で味方が特大地雷になるとは思わないだろう。人の感情を巧みに操る愛板氏の妙技と言うべきか……ペンシルゴンや変態とも違う、いやむしろそのハイブリッドと言うべき感情と実利で人を動かす手練手管は見習うべきなのか否か……
「自爆ってだけでなんか特別感あるよなァ……敬礼でもしとくか?」
『はっはっはっ、敬意を払う程善人でもないだろう』
その技能は別としてこの七日間でもしかしなくても自分達が悪役サイドなのでは、とほぼ確信を抱きつつあるのだが正義の類義語は価値観であり対義語は正義(2)というのだ。
であるならば実質俺たちは正義の戦士なので思う存分この暗黒帝王の鉄砲玉として駆け抜けることにした……というか今更裏切ったらまず間違いなくヘルメットが爆発する気がする、いや絶対するだろう。不自然に後頭部が重いですもんねぇこれ!! 一撃でうなじごと脊椎を抉るタイプの非人道兵器じゃねーか!!
「……自爆した婆さんのお陰で装備はフル回復だ、そしてもう今日一日しか猶予はねぇ。そして当初の「契約」通り……」
この七日目の戦争期間残り時間十分の段階で、俺たちが乗り込んだGカップムネ肉氏の旗艦「偉大なる巨峰」に愛板氏が温存し続けたもう一つの切り札が叩き込まれる。あるいはその攻撃で沈むかもしれない船に俺たちは今いるのだ、これは戦争開始前から決まっていたことであるし、改めて交わした契約に基づいた事でもある。
『女王玉座の自爆、それに伴う敵戦線の半壊によって君達に期待した以上の結果が出されている。仮に今日ゲームオーバーになったとしても、こちらからの攻撃で偉大なる巨峰諸共沈んだとしても報酬は約束する……つまりは好きに動いていい、存分に暴れ切ってくれ』
「気楽に言ってくれるぜ、やるこた変わりねェがな」
『進みたまえよ諸君、契約は果たすとも』
今更妥協はしない、目指せ本丸首魁の首。そしてここからは………
「……個別行動、愛板さんも含めて六面作戦でGカップムネ肉を追い詰める」
「途中で死んでも言いっこなし、ってね」
「生きて帰りたいなぁ、装備の持ち帰り的に」
大型バイクを取り出す者がいれば、高出力リアクターを搭載したパワードアーマーを纏う者がいる。自身の制御下に置いたバトロイドのスクワッドを従える者がいれば、決戦仕様の銃器を担ぐ者、光学迷彩を起動する者がいる。
ホーネッツネストが突貫工事で生産した決戦装備、存分に使わせてもらおうか………何を隠そうこの俺はクソみたいなレースゲーの過疎りきって何度マッチングしても同じ顔ぶれとしか会わないオンラインで三冠を達成した男。
無双ゲーとレースゲーを組み合わせてはいけないってテスト段階で気づかなかったんでしょうかね、スタート地点から逆走してゴール付近の敵を倒して強装備ゲットからのプレイヤー殲滅が一番強いってレースゲーとして何かが致命的に間違ってるよ。
「頭のネジが八艘飛びとは俺のこと……!」
「……跳ねすぎだろ」
「水切りかなにか?」
オートパイロットとかあったらそりゃビークルからビークルに飛び移って他プレイヤー潰すでしょ普通! 狂人扱いされる謂れはねぇ!!
「それじゃあお先に失礼! 地獄で会おうぜ朋友諸君!」
閉鎖空間強襲用武装搭載大型二輪「アステリオス」がどう猛な唸り声を上げる。猛牛を模った大型バイクは乗り手たる俺の意思に従って放たれた矢の如く発進、侵入者を排除するべく殺到するセキュリティアンドロイド達をボウリングのピンよろしく吹き飛ばして爆走する。
「いいねェ! だがリアルじゃラガーマンの俺を差し置いてタックルかますのは見過ごせねェなァ!!」
「あら初耳」
「ラガーマンがそんな物騒なパワードスーツ着ていいのか」
「紳士のスポーツだからな、礼服くらい着るぜ」
「これが並ぶ結婚式とか絶対行きたくないなぁ、ブーケトスで死人でそう」
一瞬で背後に消えていった他のメンツ達も動き始めたようだ。何かクソ面白そうな話題が聞こえた気がしたが……もはや全ては過去という名の背後に消えていった、今の俺は前しか見ねぇ!!
「ほほほはははははははは!!」
悲鳴と高笑いの混じった変な声を口から出しながら爆走するバイクが機能通りのシステムを発動し、曲がり角に衝突する前にブースターの噴射で直角カーブの壁面に張り付いて走り続ける。壁だろうが天井だろうが重力制御の応用で全て地面として走り続けるモンスターマシン…………だが俺はこの手のじゃじゃ馬物理演算は慣れている。一番最近だとやっぱシャンフロになるが……ゲームシステムやゲームエンジンが違ってもコツは共通するもんだ。
「目指せ大将首!」
一番乗りは俺だっ!!
・閉鎖空間強襲用武装搭載大型二輪「アステリオス」
バイクなのに戦闘機技能が要求されるモンスターマシン、だいたいビートゴウラムって言えばイメージは伝わるでしょうか。サンラクは足りない技能値をプレイヤースキルで無理やり補ってる、具体的に言うと武器の操作はオートだが操縦が半分マニュアル
ちなみに本編で言及されたレースゲーですが、初期案でルストがハマってる筈だったゲーム設定の流用