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不世出の輝き

静まれ! JGE編には新規クソゲーは出さないって決めただろ!(暗黒面からの手招き)

まぁ、それはそれとして。


「なんかねぇ、新しいモンスターカテゴリが追加されるっぽい」


「クーデターの誘いの後にそれかよ」


「いや、まぁ優先度優先度」


「新しいカテゴリ……ユニークとか、レイドとかそういう区分けですか?」


「その通り、二人は「二つ名」モンスターって知ってる?」


「……まぁ、知ってるわな」


「新大陸の"緋色の傷(スカーレッド)"みたいな……」


「そうそれ、あれの発展系として新しくエクゾーディナリーモンスターってのが追加されるらしいね」


エクゾーディナリー……? 高校英語知識とゲーム的英単語しか知らない俺の知識にはない単語だが、そんな英単語あったか……?


「エクゾーディナリー……Exordinary……Ex-ordinary? エクストラオーディナリー、非凡……というより、不世出のモンスター……ですか?」


「うっそ、一発正解とか凄いね玲ちゃん」


「すげー」


「い、いえっ! そんな、えと、きょ、恐縮です……」


流石は玲さん、リアル文武両道は伊達じゃないってことか。だが不世出、不世出と来たか……その言葉を踏まえて考えると、こういう事か?


「今まで世に出てこなかった存在、評価を受けていないモンスター?」


「そう、エクゾーディナリーモンスターは通常のモンスターがスポーンして、何らかの偉業を達成して二つ名を名乗るそれとは似て非なる存在、特殊な出自を経て最初から他と異なる姿と力を持つモンスターってわけ」


特異な出自と、特異な能力……思い浮かぶのは金晶独蠍だ。アレは偏食という出自で現れ、同族殺しに特化した姿と自己再生能力を持つ。

そういう意味ではエクゾーディナリーモンスターとやらの条件には合致しているが、奴はあくまでもレアモンスターだ。となるとどういうモンスターが該当するのか……


「ちなみにその一例を私は既に知っている」


「よし、交換成立だな」


「まさかそのメンマで釣れると本気で思ってるなら最新美容ラーメン洗顔の刑に処すけど」


「刑って言っちゃってるじゃん」


「コウカン……」


「で? その一例ってのは?」


「ドラクルス・ディノサーベラス"死闘の傷(スカーデッド)"」


ん………? あぁ、スカー()ッドじゃなくてスカー()ッドなのか、いや紛らわしいわ!!


「ドラクルス・ディノ系列って本来は元となるモンスターが変貌した姿なんだけどさ、"死闘の傷"はそいつら同士の交配で生まれたイレギュラー……生まれながらの汚染個体なのさ」


それ故に生まれてから今に至るまで、ただ生きるだけでも莫大なエネルギーを要する超高燃費でありながらも今まで生き延びてきたそれは、通常のドラクルス・ディノサーベラスとは隔絶した強さを誇る。

より大きなエネルギーを持つものは、皆総じて強きもの達だ。それらと死闘を繰り広げ勝利してきた"死闘の傷"には決して消えない数々の傷が刻まれている……


「要するに生まれつき「傷だらけ(スカー)」ってことかそれ?」


「だろうね、しかも傷ごとに対応した攻撃を当てないと通らないダメージ無効能力備えてるっぽいんだよねぇ」


「それは……」


ウザいな。"緋色の傷"はダメージを受けるごとにどんどん頑強になる性質を持っているために追い詰めるほど手がつけられなくなるモンスターだが、情報通りなら"死闘の傷"は序盤から超耐久を発揮するモンスターだ。というか広いからって新大陸の樹海が魔境過ぎる、ボスキャラ放し飼いかよ。


「そんなわけで既存のモンスターをさらに発展させたエクゾーディナリーモンスターが実装されるんだけど……実はこれ、討伐報酬が特殊なんだよね」


「というと?」


「エクゾーディナリーモンスターを撃破したプレイヤーはレベルアップしなくてもスキルを覚える。倒したエクゾーディナリーモンスターの力を宿したスキルをね……」


「………マジ?」


「マジもマジ、それプラス専用素材だからね……新旧大陸両方に出現するってのは割と英断かも」


完全下位互換と化した二つ名モンスター君…………レイドモンスターという危険が両大陸に存在する以上、新コンテンツを新大陸のみに配置すればただでさえ傾きがちなプレイヤー比がさらに傾く事になる。そう考えると新大陸行きの船に定員があったのもこれを狙って……?

いや、転移魔法の取得ハードル下げればいいだけだろそれ。ディープスローターの奴が未だに商売として成立させられてるって事は取得or習得難易度がアホほど高いって事じゃないのか。


「レイドモンスター倒さないとマップレベルの大災害が起きて、エクゾーディナリーモンスターが出たことでモンスター分布を調べ直しで……」


「ユニークモンスターを倒さなきゃワールドストーリーが進まない、忙しいねぇ」


やることが多すぎる……いや、それ故のシャンフロか。あのゲームはプレイヤー一人にゲームの全てを楽しませる気が無い節がある。

農民は農民として生きて死ねと申すか、ええい武器を取れば誰だって戦士なんだよ! リュカオーン許せねぇ!!


「とりあえずライブラリが死ぬ」


「笑って死に顔を見てやろうぜ?」


「多分……向こうも、笑顔なのでは……」


「ねぇ」


む、シャンフロ談義をしていたのは三人のはずなのに四人目の声が?


「どったの夏目ちゃん?」


「その……あなた達、シャンフロ……やってるのよね?」


「そだね」


「で、そのぉ……慧も、プレイしてるのよね?」


瞬間、俺達三人に電流走る! この流れ、夏目氏が何を言わんとしているのかを察知したからだ。

心なしかソワソワし始めた俺と玲さんを他所に、三人を代表して深呼吸をしたペンシルゴンが穏やかな笑みを浮かべて夏目氏に向き直る。


「つまり夏目ちゃんは……シャンフロを始めたい、と?」


「で、でもほらあれでしょ? この手のゲームってプレイ時間がステータスと直結してるから今更始めても遅いわよね?」


「同志サンラク君、現在シャングリラ・フロンティアでプレイヤーが到達した最高レベルは147だそうですが君の使うキャラのレベルと始めた時期を教えてあげなさい」


「え? あー、始めたのは夏頃で現在のレベルは……あー、うん。147です」


いやでも俺の場合は参考にならないだろう。修正前のインベントリアがあったからこそこのステータスに到達したようなものだ、今から夏目氏を最前線レベルまで引き上げるとしても蠍は使えない。だが内情的事実というものは話さなければ存在しないに等しい。


「まぁ流石にツチノコと同じ道を辿れとは言わないけど、その気になれば割と強行軍出来ちゃうのがシャンフロの良いとこなワケ。つまり夏目ちゃん、今から始めても遅くはない!」


「そ、そう? じゃ、じゃあ私も始めたりとかしても……」


「ていうか例のシルバーでゴールドな奴も割と最近に始めて最前線に来てるよな?」


……………ん?


「何ですって?」


「鳥頭君さぁ……」


「あの、シルバーでゴールドな人とは……」


おっとこれは……


「Did I step on a mine?」


「何で英語……Exactly!」







鉛筆騎士王:Good Job!!


サンラク:いやどっちやねん


サイガ-0:???


モルド:話の流れがさっぱり見えない


ルスト:並んでる列の先頭もさっぱり見えない



・メタ視点から見るエクゾーディナリーモンスター

簡潔に白状すると「仇討人が依頼で倒す二つ名モンスターは汎用モンスターなのに"緋色の傷"は専用素材落としたよね?」という事実に気づいた為。

これはヤバいと色々考えた結果、途中からモンスターの設定考えるのが楽しくなったので新しくぶち込んでやりました。具体的には


・二つ名モンスター

特殊な思考ルーチンを持った通常のモンスターとして誕生し、現在に至るまでの行動によって二つ名モンスターとなる。その為厳密には「変な行動をする通常モンスター」なので落とす素材は通常種と同様


・エクゾーディナリーモンスター

生まれつき何らかの特殊性を持っているという設定で大きなカテゴリでは同一種だが形状や能力に特異性を持つ。


・"緋色の傷"

諸悪の根源、二つ名モンスターのくせにレイドモンスターに喧嘩を売って生還してしまった為「ここで何らかの変化が起きなければ「根本設定」に反する」という事でベヒーモスサーバーがやらかした。他二つのメインサーバーが異議申し立てしたのをりっちゃんと創世さんが発見し、殴り合いの喧嘩(弱い)の末にエクゾーディナリーモンスターが実装された。

え? 結局"緋色の傷"はエクゾーディナリーなのか二つ名なのか? えっとぉ……後天的なレアモンスター……ですかね?

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― 新着の感想 ―
読み返し勢だけど、緋色の傷ガバからエグゾーディナリーが生えたおかげで倒せど蘇る同志とのあのアツイバトルが生まれたのかと考えると本当に何がどう転ぶかわからないな
緋色の傷さんは最早別枠の特別モンスター、と解釈してもいいよね?
緋色の傷さん、何気に偉業成し遂げててゲームそのものに影響与えちゃってたかー。 そりゃ通常モンスターではいられないわ。
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