生後間もない娘に性的虐待→撮影して児童ポルノ製造した父親(1)福岡高裁が「監護者わいせつ罪」の解釈・適用の誤りを指摘し1審判決を破棄【判決詳報】
生後間もない実の娘に対し、6回にわたりわいせつな行為をし、そのうち5回の行為を撮影して児童ポルノを製造した父親の控訴審。 【写真で見る】生後間もない娘に性的虐待→撮影して児童ポルノ製造した父親の控訴審 1審判決を破棄した福岡高裁 福岡高裁(溝國禎久裁判長)は「監護者わいせつ罪」適用した1審判決を「事実を誤認したものといわざるを得ず、この誤りが判決に影響を及ぼすことは明らかである」として破棄し、「不同意わいせつ罪」を適用して新たな判決を言い渡すことを決めた。 ■事件の概要――生後間もない実の娘への卑劣な犯行 父親は2024年1月から11月までの間、生後2か月〜1歳だった実の娘に計6回にわたりわいせつな行為を行った。 事件の現場となったのは自宅だった。 犯行の初期は娘の性的部分を指で押し広げる行為、次第にエスカレートして自分の下半身を娘の性的部分に押し当て、こすりつけるなどの行為に及んだ。 さらに父親は、計6回のわいせつ行為のうち5回について自身の携帯電話で撮影し、動画データ5点と静止画データ25点を作成・保存。 児童ポルノを製造した。 ■弁護側は量刑不当を主張 検察側は訴因変更を請求 控訴審で弁護側は・原判決の懲役3年6か月の実刑は重すぎる・執行猶予付きの判決が言い渡されるべきであると主張した。 一方、検察側は「現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて」の要件該当性に疑義があると判断し「監護者わいせつ罪」から「不同意わいせつ罪」への交換的な訴因等変更請求を行い、福岡高裁はこの請求を許可した。 ■福岡高裁の職権判断――「影響力」と「乗じて」の解釈 11月27日の判決で、福岡高裁はまず「監護者わいせつ罪」と「不同意わいせつ罪」の関係を整理した。 福岡高裁は 「『監護者わいせつ罪』が成立するためには、単に監護者が被監護者に対してわいせつな行為に及んだだけでは足りず、『現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて』の要件を満たす必要がある」 と指摘した。 そのうえで福岡高裁は ・「影響力」とは被監護者の意思決定に作用を及ぼし得る力をいう ・「乗じて」といえるためには、上記影響力を及ぼしている状態でわいせつな行為を行えば足りる ・被監護者が行為者を監護者であると認識していなかった場合など、監護者の上記影響力と無関係にわいせつな行為が行われた場合には、これに当たらない と判示した。
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