Post

Conversation

「早期の探索が兵庫県の体制整備義務違反(違法)状態を表している」との専門家見解のロジックについて、ようやく理解できたように思います。 まず大前提として、公益通報者保護法11条2項は1号通報(内部公益通報)への対応体制整備義務のみを定めたものではなく、3号通報(外部公益通報)を含むすべての公益通報者の保護等のために「必要な措置」をとることを定めた規定である、と言えるようです。 11条2項は以下です。 「事業者は、前項に定めるもののほか、公益通報者の保護を図るとともに、公益通報の内容の活用により国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法令の規定の遵守を図るため、第三条第一号及び第六条第一号に定める公益通報に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置をとらなければならない」 この条文の特に後段は、1号通報に対応するための「体制整備」&「その他必要な措置」を求めるものと読む人も多いのではないかと思います。しかし、実際は「公益通報者を保護し公益通報の内容を活用するために」「1号通報に対応するための体制の整備」と「その他の必要な措置」を求めるものであるようです。   「体制の整備」と「その他の必要な措置」の間に読点があれば、まだその並列関係と、意味として「1号通報」が「その他の必要な措置」にかからないことがより容易に理解できたのではないかと思います。ただ、この条文で求める義務を具現化すべく定められる、「内閣総理大臣による法定指針」の検討会の報告書を確認することで、逆に、この条文の趣旨を理解することができました。   その「検討会」の報告書の、「公益通報者を保護する体制の整備(ここに不利益取り扱い防止体制、探索防止体制等が含まれる)」(写真①)との項目の“注釈”に、「外部公益通報をする者についても探索が防止される必要がある(概要)」との趣旨の記載があります(写真②)。内部公益通報への対応体制整備義務が第一義でありつつも、外部公益通報も同様に考えられるべきなのですよ、と釘を刺しています。   そして、この「検討会」を経て正式決定した、内閣総理大臣による「法定指針」において、「用語の説明」で「『公益通報』とは『外部公益通報』も含む(概要)」とした上で(写真③)、「公益通報者を保護する体制の整備」に関する項目で(この時点で外部公益通報者の保護も目的に含んでいる)、「通報者の探索を行うことを防ぐための措置をとる」としています(写真④)。   以上に鑑みれば、公益通報者保護法が事業者に対して「外部公益通報者の探索を防止する体制整備の義務も課している」とみるのが妥当なのだろうと思います。   ここに及んでもなお「そもそも当該文書配布は真実相当性を欠き、不正の目的をもってなされた可能性があるのだから、公益通報にあたらない可能性も残っており、今時点で即ち『探索の違法性』を断じるのは早計だろう!」というご意見の方もいらっしゃるかもしれません。   しかし、公益通報者保護法が、外部公益通報も含むすべての公益通報に対する探索を防ぐ措置を義務付けているのであれば、少なくとも、第三者による客観的な「公益通報該当性無し」との判断を待たずして探索してしまう対応は、(のちに公益通報該当性が認められる余地を残している以上)すべての公益通報への探索を防ぐ体制を整備できていないことの証左だと、言わざるを得ないのだと思います。 ですからある意味、すべての「公益通報“らしきもの”」に対して、一切の探索を行わないという体制を構築しておかないと、違法状態と認定されかねない、というのが、改正を経て「体制整備義務」が付加された2022年以降の公益通報者保護法の趣旨なのだと理解します。   よって、今回の兵庫県(知事)の、通報者の探索を急いだ対応が、「現在の兵庫県における公益通報者保護法上の体制整備義務違反状態を表している」という結論が導き出され得るのだと、現時点では理解しました。
Image
Image
Image
Image
Quote
新実彰平/参議院議員・京都・維新
@niimishohei
【百条委員会において山口利昭弁護士が示された「事業者は『外部通報者』に対する探索を防止する体制整備義務も負っている」とする論(写真①)について】 少々理解しきれぬところがあり、ぜひそのロジックを詳らかに理解されている方はお知恵をお貸しください。 私の解釈は、以下です。
Show more
Image
Image
Image
Image