同姓同名、しかも生年月日も同じ 京都市が口座差し押さえのミス「同様の事案」なぜ頻発
差し押さえた口座が同姓同名で、生年月日も同じ別人だった―。京都市が10月末に公表した市民税差し押さえの取り違えは、「偶然の一致」が招いた珍しいミスのように見えるが、実は全国でも同様の事案が繰り返し起きている。京都市のミスの原因と、他の自治体の運用を取材した。 【写真】ミスを受け、京都市長の取った行動は 市納税室によると、今年7月、市民税を滞納する市内の男性に督促や催告を繰り返したが応じなかったため、氏名や生年月日、住所を基に複数の金融機関へ口座の照会を行った。 その結果、氏名と生年月日は同じで、届け出られた住所だけが異なる口座が1件あると、一つの金融機関から回答があった。この時開示されたのは、滞納者ではなく、神奈川県在住で全く関係のない男性の口座だった。 担当課ではまず、過去にその神奈川県の住所に住んでいた市民がいないか住民票を基にした庁内システムで調べたが、該当者はいなかった。次に、全国共通の「住民基本台帳ネットワークシステム」で市外にも範囲を広げて調べ、口座の氏名と生年月日、住所が全て一致する神奈川県の男性が実在することを見つけた。ただ担当者は、同姓同名のうえ生年月日まで同じ人がほかにいると考えず、この男性を滞納者と思い込んだという。担当者の上司も見抜けず、10月中旬、滞納者ではない男性の口座を差し押さえた。 京都市にとっては初の「同姓同名で生年月日も同じ」人を誤認して差し押さえた事例だったが、2023年には福岡県みやま市で、24年にも群馬県伊勢崎市や新潟県村上市などで全く同じミスが相次いでいる。 京都市によると、差し押さえる前に滞納者自身の住所の履歴が記された戸籍の付票を確認すれば、ミスは防げたという。再発防止に向け市は、滞納者本人かを確認する手順や職員間のチェック体制の見直しなどを検討している。 市では税の滞納者は年間約1万人いる。処理件数が多いため見過ごしてしまいやすいケースだったのだろうか。京都市の約2倍の人口を抱える大阪市に聞いた。同市では、同様のケースも想定し、なぜ住所が異なっているのか理由を含めて確認する体制を整えているという。担当者は「差し押さえは間違ってはいけないので、研修でも確認するように共有し、チェックが形骸化しないように徹底している」と強調した。