米司法省は現地時間19日夜、性的虐待罪などで起訴され公判前に自殺した実業家ジェフリー・エプスタイン元被告を巡る事件で、捜査資料、裁判資料など関連文書「エプスタイン・ファイル」第1弾を公開した。今後も順次公開していくという。一方、20日になって写真を含め少なくとも16のファイルが司法省によって削除されたとみられ、謎を呼んでいる。

 今回の公開ですでに米下院監視委員会の民主党メンバーなどが公開してきたものも含め、トランプ大統領、故マイケル・ジャクソンさん、ミック・ジャガー、ビル・クリントン元大統領、俳優ケビン・スペイシー、アンドルー元王子ら、多くの著名人の写真や名前が明らかになった。

 トランプ氏は11月19日、司法省に対し、可能な限り分類解除された「あらゆる記録、文書、通信、捜査資料」を30日以内に公開するよう命じる法律に署名していた。

 ただし、司法省は「写真に一緒に写っていることが即ち犯罪行為を意味するわけではない」と強調している。社交場やイベントなど、公開の場で偶発的に撮影された写真もあるからだ。

 公開されたエプスタイン・ファイルでは、クリントン氏が、顔が〝黒塗り〟になって判別できない女性とのツーショット、マイケルさんとエプスタイン氏とのツーショット、エプスタイン氏の元恋人で人身売買での〝少女調達係〟ギレーヌ・マクスウェル受刑者がエプスタイン氏の素足の指で胸をタッチされる場面など、多くの写真が公開された。

 しかし、19日に公開された写真など少なくとも16のファイルが20日に削除された。下院監視委員会の野党民主党メンバーらはX(旧ツイッター)で「一体何が隠されているのか。アメリカ国民のため透明性が必要だ」と非難した。

 米メディア・NBCは「削除されたファイルの一つには、エプスタイン氏と著名人の写真が額装されたテーブルの写真が含まれていた。テーブルの下には、開いた引き出しがあり、その中にトランプ大統領の写真が2枚入っていた。1枚は、水着姿の女性たちに囲まれて立つトランプ大統領の写真で、もう1枚は、エプスタイン氏がトランプ大統領、メラニア夫人、ギレーヌ・マクスウェル氏と並んで写っている、よく知られた写真だった」と報じた。

 確実に削除された写真はトランプ氏がらみのため「トランプ政権がトランプ大統領を守るために削除させたのではないか」と疑問の声が出ている。

 しかし、米国事情通は「一連の捜査では人身売買の被害者とその親族1200人が特定されたといわれます。11月19日の公開命令からわずか1か月では、全ファイルを公開するにもチェックが間に合わず、公開後に被害者保護のため、削除したのでしょう。今後、黒塗りで再公開するとみられます。また、クリントン元大統領とハーバード大学前学長ラリー・サマーズ氏とエプスタイン氏との関係など、捜査が進行中の案件もあるのが関係しているかもしれません」と指摘している。