<独自>不具合のドクターヘリに部品誤装着で一時運休 ヒラタ学園、マニュアル確認せず

救急患者の迅速な搬送に欠かせないドクターヘリ(写真と本文は関係ありません)
救急患者の迅速な搬送に欠かせないドクターヘリ(写真と本文は関係ありません)

エンジン周辺で不具合が生じたドクターヘリの整備に際し、運航を受託する学校法人ヒラタ学園(堺市)が6月、機体に適合しない部品を誤って取り付け、安全確認のため運航を一時休止していたことが20日、関係者への取材で分かった。整備ルールで定められたマニュアルの確認をしていなかった。救急患者の搬送などに影響はなかったというが、学園側は航空法で定める「安全上の支障を及ぼす事態」にあたると判断し、国に報告した。

学園が運航するヘリを巡っては、不適切な整備や機体の不具合が相次いで判明している。学園は「関係者にご迷惑をかけた。今後このようなことはないようにしたい」としている。

国土交通省大阪航空局や学園によると、和歌山県から運航を受託したドクターヘリで6月19日ごろ、エンジン付近の油圧系統に不具合が生じた。学園の整備士は急遽(きゅうきょ)、系統のケーブルを別のヘリから取り出したケーブルに換えたが、この機体に適合する型ではなかった。

「安全に支障」

航空法に基づき学園が作成した整備規程では、整備士はメーカーのマニュアルに従って整備しなければならないと定めている。しかし、今回はケーブルの型番などをマニュアルで確認していなかった。

同法では「航空機の正常な運航に安全上の支障を及ぼす事態」が発生した際、運航事業者に国への報告を義務付けている。学園側は、整備記録を確認する過程で同23日に問題を把握し、大阪航空局に経緯を説明。同24、25両日は安全を確認するため運航を休止した。

このヘリは同20日に神戸市内の基地から和歌山県内まで患者の搬送とは別の理由で飛行したが、トラブルなどはなかったという。和歌山県は「運休により、患者の搬送に影響が出たという報告はない」としている。

学園は関西広域連合管内の8府県や東京都、長崎県でドクターヘリの運航を受託しているが、昨年5月、不適切な整備を行ったとして、大阪航空局から事業改善命令を受けた。今年7月以降は整備士不足が原因で、運休が続発している。

長崎県は今月17日、学園に運航を委託しているドクターヘリの運休を発表した。飛行中にエンジンに不具合が見つかったため。現時点で原因は特定できておらず、再開時期は未定という。

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