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「MRI検査をしておけば…」裁判で実施義務違反が問われた事例

2025/12/22
桑原 博道 田村 孔(仁邦法律事務所)

Екатерина Чумаченко/stock.adobe.com

 皆さんは「MRI検査を実施していれば、より早期に診断・治療できたであろう症例」に遭遇したことはありますか? 仮にこうした症例が医療訴訟に発展した場合、MRI検査実施義務の有無が争点になり得ます。一般にMRI検査は、頭部、脊髄・脊椎、関節などに加え、近年では、循環器や消化器などの診断においても、有用とされています。また3次元の画像構成ができる利点がある上に、放射線被曝のおそれもありません。

 だからといって、全例でMRI検査を実施するわけにはいきません。もっともMRI検査にこうした有用性や利点があり、放射線被曝のおそれがないからこそ、MRI検査実施義務の有無が争点になる医療訴訟では、「検査をしなかったこと」について裁判官の理解を得るのに苦労することがあります。ちなみに医療訴訟では、医療経済論を持ち出しても、なかなか裁判官には響かない点は留意しておきたいポイントです。
 
 今回は、結果的にMRI検査を実施する必要性があったが、診察時に検査の実施に至らなかった症例に関する裁判例を紹介します。

連載の紹介

日常診療に生かす医療訴訟の教訓
患者とのトラブルで頭を悩ませないようにするためには、日々の診療で紛争予防を意識した対応をしておくことが欠かせません。本連載では、医療機関側の弁護活動を行う仁邦法律事務所(東京都港区、桑原博道所長)の弁護士が、実際の裁判例も参照しつつポイントを解説します。

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