地方の大学 留学生確保に苦戦 国の交付金に影響も 島根大学や鳥取大学
山陰両県の大学が外国人留学生の受け入れに苦戦している。島根大は留学者数が思うように伸びず、設定した目標達成が難しい状況になっている。鳥取大はそもそも目標を設定していない。政府は2033年までに受け入れ・定着40万人の目標を掲げ、大学に支給される交付金にも影響しかねないため、大学側は巻き返し策を探っている。 島根大、インド工科大と人材交流拡大へ 半導体や材料分野 年度内に拠点、就職橋渡しも
島根大は第4期中期計画(2022年度~27年度)で、全学生に占める留学生の割合を最終年度の27年度に5・2%に引き上げるとする。25年度は目標287人に対し、現時点で250人。出身国は中国が多く、バングラデシュとマレーシアを加えて約7割を占める。毎年11月の「グローバル月間」にイベントを開き、各学部での交流も進める。台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁の影響は現状、確認できていないという。 受け入れ人数は19年度が218人で、以降214~261人で推移し、目標を上回ったことがない。計画上の目標に当てはめると、27年度時点で310人程度を達成しなければならず、国際課の岩田奨課長は「なかなか難しい」と明かす。 理由の一つが留学生側の意識変化だ。日本は生活環境や治安の良さから人気だったが経済成長が鈍化し、国内の就職先も限られるため、選ばれにくくなった実情がある。特に地方の大学は苦戦しており、島根大は打開策として、インドを代表する理工系のインド工科大ハイデラバード校などと個別に連携強化を図る。
国立大に対しては、人件費や研究費に充てる国の「運営費交付金」が配分されている。中期計画の達成度は次期交付金額にも関わるため、岩田課長は「少しでも目標値に近づけるよう今以上にアプローチする方法を考えたい」と話した。 国立大学協会は少子化と人口減少時代の大学の将来像として、全学生に占める留学生の比率を40年までに「3割」に高めると盛り込んだ。 鳥取大国際交流課の担当者は「地方大にとってかなり大きな数値だ」と吐露する。毎年度150~180人程度の留学生が入るが、受け入れ人数の数値目標を設定していない。 担当者は増加は急務だと理解しつつも「どこの学部を増やすかや宿舎の問題、受験してもらうためのアプローチ方法を含めて対策がまだ十分できていない。まずは足元をしっかり固めたい」とした。 24年度に57人を受け入れた島根県立大(本部・浜田市野原町)は第4期中期目標(25~30年度)に、3キャンパス(浜田、松江、出雲)で毎年度100人の受け入れ達成を目指すとしている。