自死した息子、剣道部で受けた「屈辱」 先輩は「いつものおふざけ」

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松本江里加
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 いつものおふざけの感じ――。

 東海大福岡高校(福岡県宗像市)の剣道部の男子生徒(当時17)がいじめに遭い、2021年に自死したことをめぐる訴訟。福岡地裁は19日、当時の先輩で20代の男性に165万円の賠償を命じた。先輩は今年6月の証人尋問で、「その場の雰囲気でやってしまった」などと説明していた。

裸にしてわいせつ、動画撮影も

 19年に男子生徒が入学した当時は高校3年生。部や寮の中心的人物だった。

 自身、1~2年生のころは上級生から顔に粘着テープを巻かれ洗濯ばさみで皮膚を挟まれたり、背面からサッカーボールを当てられたりしたという。

 先輩になってからも後輩から、そうしたことをされることもあった。

 「みんなを笑わせようというノリだった。リアクションで笑いを取るのが面白かった」

 判決は先輩がおしおきをしようと考えてわいせつ行為をし、別の部員らに動画を撮るよう指示したと認定した。

証人尋問で被告が語ったことは

 判決によると、19年6月3日、剣道部の部室で先輩が男子生徒の体をつかんで畳にあおむけに寝かせ、複数人で全身に粘着テープを貼った。その後、ズボンやパンツを下ろし、下半身を露出させ、触るなどした。

 被告側弁護士「それまでも注意していたがこのときは口頭ではないのはなぜ」

 先輩「何回言っても聞かんな、と、おしおきの気持ちでそうなった」

 弁護士「単なるおしおきではない」

 先輩「いつものおふざけの感じだった」

 弁護士「(男子生徒は)笑っていたか」

 先輩「粘着テープを貼った時…

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この記事を書いた人
松本江里加
西部報道センター
専門・関心分野
地方創生、子どもの権利、福祉,など