「自殺の隠蔽を提案された」長崎・海星高いじめ訴訟、遺族が元教頭の証言を否定

長崎新聞 2025/12/17 [12:30] 公開

長崎市の私立海星高2年の男子生徒=当時(16)=が2017年に自殺し、遺族が学校側に損害賠償を求めた訴訟の証人尋問が16日、長崎地裁(松永晋介裁判長)であった。生徒の父親は、突然死などの扱いにして自殺を隠蔽(いんぺい)するよう当時の教頭から提案されたと証言。15日の証人尋問で「自殺を公表するよう勧めた」とした元教頭の証言内容を否定した。

 父親は、生徒が亡くなって1週間後の17年4月27日、元教頭から電話があり「マスコミも(自殺に)感づいていない。突然死にしてはどうですか」と提案されたと証言。「あまりに衝撃な言葉だったので、紙とペンを執って『4月27日17時10分、突然死』と書いた」と述べた。

 海星高で体育祭があった翌28日にも元教頭から電話で「テレビ局が取材に来たが、自死には触れていない」「望むなら何でもできる。転校にもできる」と持ちかけられたとした。

 いじめが始まったとされる中学3年当時に担任教諭だった男性も出廷。いじめを把握していなかったと証言した。
 次回期日は来年3月2日。結審する見通し。