あなたの為のオーケストラ 其の九
リアルがクソ忙しくて更新できず申し訳ないです……一箱でアポロウーサと竜嵐還帰とアルル当てて申し訳ないです……サヴァクティスと秘ア・ストラ・ゼーレ当てて申し訳ないです………
(なお20thではなかったので下唇を噛む顔)
あと更新が遅れた理由の一つはシャンフロ関連で三つくらい並行して書いていたから、かろうじて本編を書いたところ
「勝ったですわ?」
「まーけーまーしーたー」
「……そんなに強いんですわ?」
「おう、貪る大赤依とクターニッドとジークヴルムと連続で戦わされたわ」
「控えめに言って悪夢ですわ!?」
「いやそれは勝ったんだけどな?」
「ほぁっ!?」
やっぱ問題は最後に出てくる奴だな、下手すりゃ俺より俺の扱いが上手い節まであるぞ。
いやしかし、盾防御誘発からの瞬間転移奇襲は敵ながら見事だった。輝槍仮説の硬直が溶ける瞬間を完全に把握した上での二段構え……対処そのものはできたがあそこで完全に攻撃と防御の矢印が確定してしまった。
だがこれではっきりした、このまま挑んでも勝ちを拾う可能性は限りなく低い。
「修行フェーズ、か…………」
「ま、また百足ですわ!? 蜘蛛ですわ!? いーやーでーすーわー!!!」
「いやいや逃げるなよエムル……ヴォーパル魂はどうした。まぁ百足と蜘蛛は後回しだな」
確かに三桁レベルに到達しているとはいえ、俺のレベルは上限というわけではない。まぁいざって時はレベルダウンとやらを試すかもしれないが……それは今は関係ないことだ。
確かにレベルを上げればステータスも高くなる、だがそれは只でさえ上位互換な「俺」のステータスも上がるという事だ。流石にステータス据え置きとは楽観視できない。
となれば増やすべきは基礎スペックではなく手数だ、どれだけ強力なロケットランチャーを持っていたとしてもインファイトで使うのはハンドガンだろう。どっかの銃狂いはマスケットで謎の格闘術をやってたりしたが……今思い返しても意味が分からん、なんで破損させずにモンスターの突進を受け止められたんだあれ……つまりはそう、上位互換であっても白星を奪い取れるテクニック、そしてそれを実現する新しい風が必要なのだ。
「自己確認してるのか敵の攻略してんのか分からなくなってきたが……控えめに言って「俺」は遠中近距離及び一撃特化手数特化全てに対応し、魔法対策も万全、奥の手として怪物化する手段まで持ち合わせたパーフェクトウォリアーだ」
「自分のこと褒めてるですわ?」
「敵を分析してるだけ。スキルは機動力に特化しており、並の動きじゃ追いつくこともできないだろう……そして【最大速度】すら獲得した加速力、まさに向かう所敵なし……」
「結論:自慢」
いやだから敵を分析してるだけだって。基礎スペックが高い以外は全部俺の完全コピーだから仕方なく俺は俺を褒めるようなことを言わねばならんのだ。
とはいえ今挙げた点がそっくりそのままこっちに来るのだからドヤ顔してる場合でもない。非常に厄介なAIだ、こちらの手の内を知り尽くした上で同じ手札でこちらをメタってくる。だが同時に決して無敵ではない。
「奴が俺をメタれるなら逆も可能だろう」
現に別離なく死を想ふなんかは数少ない奴に対するアドバンテージだ、恐らくある程度の条件を必要とする武器であれば完全コピーの隙を突くことができる。だが詠唱起動系は野郎、ふっつーに無言で使ってたからなぁ……ずっこい、ずっこいぞ「俺」。
「リヴァイアサン……いや、これ以上向こうに遠距離武器を持たせたくない、最悪銃器類は持って行かない方がいいまであるし……んー、んんんんん…………」
………ダメだ、思い浮かばない。
「寝るっ! ここベッドとかある?」
「存在します、こちらです」
どうしたもんかね。
◆
文明社会に属している以上、どうしても社会に従わねばならない時は多い。とどのつまり学生は学校に行かねばならないのだ。
何やら用事があるとかで、今日は斎賀さんとは一緒に登校しなかったのでいつもより気持ち早めで学校に到着した俺は、手持ち無沙汰だったので携帯端末でシャンフロ攻略サイトを開く。
「相変わらずアホみたいに重いな……画像表示無し、と」
これでようやく見れる程度の速度になる、えーと? 旧大陸面白い事になってんなぁ……始源眷属関連はパス、存在が発覚した以上どうあがいてもMVP争奪戦になる。聞いた話じゃサードレマ襲撃イベントとか最初レベル90以上の奴らが独占しようとしてたとかなんとか、まぁ「青」の性質上瞬殺されたらしいけど。
もう片方の「青」がアレなもんだからどんな奴かと思ったが、まさか体力ゲージごと削り倒してくるとはなぁ……通常のスリップダメージ毒も併用してるってのが悪質だ。レベル100オーバーだと一秒で死ぬってマジですか?
「いやそっちではなく……」
あったあった、武器種ページ。クソほどあるな、とりあえず今の俺が使ってない奴だと……やっぱ弓とか? いやしかし銃より優先する理由あるか? 向こうが銃使う前提だとデメリットばかり目立ってしまうな……うーむ……やはり近接、もしくは近接にも使える中距離……マスケット格闘術……いやそれは却下……うーむ、うーむ………
「何文章と睨めっこしてんだよ?」
「将来設計」
「何、大学の進路でも決めてんの?」
「バカ言え、ゲームの話だ」
「え、マトモな話してたの俺の方じゃね……?」
リアル進路は既に決めてんだよ、武田氏に相談して組み上げた「余暇にクソゲーを一、二本は嗜める程度に高い階級に上り詰めるサラリーマンチャート」をな……! とりあえず心理学を学べとのことで。なんで心理学?
「将来の話ならむしろお前だろ」
「なんで俺? 普通に大学行くけど」
「え……? 「根無し草の旅人として全国行脚しつつ愛の伝道師雑菌ピアスの名を国語の教科書に刻み込む」ってあの日河川敷で言ってたじゃないか……っ!!」
「しねーよ!! 言ってねーよ!!」
だろうな、俺もそんなアホな話は聞いてない。だがお前以外が「聞いた」と言えばそれはもはや言ったに等しい……!! これを風評被害と言う。俺の言葉に反応したアホが次々とあの日の思い出(妄想)を雑ピ改め暁ハートさんにぶつけていく。
「今更何言ってんだよ! 俺ぁよう、あの時のお前の目に希望を見出したんだぜ……!?」
「応援してるぜ愛の伝道師!!」
「教科書に載ったら教えてくれ、落書きするから」
「なんて壮大な夢なんだ……他の皆にも教えなきゃ!!」
「1から10までデマじゃねーか! てか拡散はやめろ!!」
「でもこの前芸能人に絶賛されてましたよね?」
「いや………まぁ」
武田氏、心理学を学べってのはこう言うことだったんだね……少しの真実が混ざるだけで嘘が際限なく暴走していく、こう言うことなのか。
いつしか「この先の人生全てを捧げて愛を叫ぶ」事になりつつある暁ハート先生を微笑ましい目で眺めつつ………いや、ンな事してる場合じゃねーよ。
「思考が乱された……くっ、許せねぇ暁ハート……!」
「跳弾にしたって悪意満載かよテメーっ!!」
流れ弾(狙撃)、いやどうでもええわ。
何やら謎拳法の構えで威嚇するポエマーは放っておいて…………拳法?
「それだ」
「は?」
「名案! ナイスヒントだポエマー! サイン会を開く時は呼んでくれよな!!」
「感謝しながら悪意のナイフ握るのやめない?」
悪いな、外道を相手するなら必須技能なんだ。
愛の伝道師「暁ハート」とリアルカースドプリズン「顔隠し」、その正体は一体……(同級生)