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土曜ドラマ「大地の子」

土曜ドラマ 大地の子
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『大地の子』

作家・山崎豊子が、8年の歳月をかけて完成した全3巻にわたる大作のテレビドラマ化。日中共同で制作、終戦50周年の1995(平成7)年、放送70周年記念番組として放送された。

第2次世界大戦の終戦から、激動する日本と中国の現代史。不幸な爪跡の中で、日本人も中国人も懸命に生きる姿を全7回、計10時間50分で描いた超大作。

時代に翻弄されながらも力強く生きた人々のストーリー

敗戦の混乱の中、旧満州で両親や妹と離れ離れになってしまった少年・松本勝男(上川隆也)は、中国人の養父・陸徳志(朱旭)に引き取られ、名前を陸一心と改めて大切に育てられる。

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『大地の子』

技術者となった一心は、文化大革命の波にもまれながらも苦難を乗り越えて、ついには日中共同開発プロジェクトである最新鋭の鉄鋼プラント建設に携わることになる。日本側スタッフの中には、一心の実父・松本耕次(仲代達矢)がいたが、はじめはお互いが親子であることには気付かなかった。

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『大地の子』

妹との再会、死別を機に耕次が実父であることを知る一心。実父に対する複雑な気持ちに揺れながら、鉄鋼プラントを完成させる。長江下りの船の中で「日本に帰って来てくれないか?」という耕次に「私は大地の子です」と、一心は中国に残る決心を伝えた。

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ドラマ化構想から4年、日中共同制作の苦労

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『大地の子』

戦後50年を経ても日中の間に残した深い傷の一つが残留孤児の問題だ。『大地の子』はそれを真正面から取り上げたもので、NHKと中国中央電視台で共同制作された。原作は完成まで8年かかったが、ドラマ化も制作開始から4年かけ、中国側とじっくり検討を重ねて作られた。

中国側の台本チェックは厳しかった。中国側との間では、(1)原作中に実名で登場する中国の指導者の部分は不可、(2)NHKは中国の内政問題ではなく、純粋に父と子の愛の物語を描くという姿勢を守る、という点が確認されていた。

「役者の人民服を悲惨な時代に合わせて汚そうとすると『日本人は中国人のことを貧乏で汚いと思っている!』と怒るんです。それでも現実感を追求する姿勢を理解してもらった後は、彼ら自らが服に泥をつけていました」(河村正一チーフ・プロデューサー)

主役・上川隆也 大ブレイク

ドラマの主役には新人の起用しかありえなかった。シーンの3分の2が中国のため、通算128日間という長期に渡って、長春、大連、北京、内モンゴル、上海、重慶と広範囲な地域で行う大規模なロケだ。有名俳優ではOKをもらえない。主役選びが難航する中でプロデューサーらはふと手にした情報誌に載っていた、ある劇団の俳優に注目した。劇団「キャラメルボックス」の看板俳優・上川隆也だ。『大地の子』に出演すれば一年間は舞台に立てない。悩む上川に対して、劇団の主宰者・成井豊が背中を押した。

「主宰者からは『NHKで修行してこい』と言われました。役者として大きくなって劇団に帰ってくれば、それでいいと。」

このドラマでの成功で、上川は一気に若手実力派俳優の評価を得ることになった。

感動の最終話 脚本家も泣いた中国俳優の「さようなら」

最終話。残留孤児である一心を育てた中国人養父・徳志(朱旭)と、実の父・耕次が対面した後、耕次を徳志が見送るシーン。台本では「再見(ツアイツエン)」と中国語になっていたが、台本を読み込んだ朱旭は、脚本の岡崎栄に日本語で言いたいと提案していた。

撮影日、岡崎以外のスタッフは誰も知らないまま本番を迎えた。突然、養父が「さようなら」と実父に向かって日本語で話し、頭を下げる。

養子とはいえ愛する息子・一心。その実の父であり、戦後50年間息子を探し続けた耕次に対し、日本語で声をかける養父の想い…。現場の誰もが驚き、そして目頭を熱くした。岡崎も現場から離れた木の陰に隠れて号泣していたという。

【アカイさんの一言】

このドラマの全セリフのおよそ80%は中国語。陸一心役の上川隆也さんは完璧な中国語を話している。しかし、上川さんは中国語を全く話すことができなかったので、実はセリフを発音ごと丸暗記していた。それを知らない中国側スタッフはしばらくの間、彼は中国語が話せるものと思い込んでいたという。

長春のシーンには中国在住の残留孤児10人が出演した。「『日本へ連れていって欲しい』と泣きながら頼むシーンでは、実際に体験しているので演技とは思えませんでした」(河村正一チーフ・プロデュサー)とスタッフも涙したそうだ。

平成7年度文化庁芸術作品賞やモンテカルロ国際テレビ賞最優秀作品賞を受賞した。

  • 放送期間
  • 1995(平成7)年11月11日~12月23日(全7回)
  • 放送時間
  • 総合テレビ 毎週土曜 21:00~22:30(最終回 ~22:50)
  • 原作
  • 山崎豊子
  • 脚本
  • 岡崎栄
  • 音楽
  • 渡辺俊幸
制作統括
  • 村山昭紀
  • 河村正一
演出
  • 松岡孝治
  • 榎戸祟泰
  • 潘小揚
  • 美術
  • 深井安夫
  • 技術
  • 横山隆一
音響効果
  • 林幸夫
  • 高橋美紀
出演
  • 仲代達矢
  • 上川隆也
  • 田中好子
  • 永井真理子
  • 宇津井健
  • 朱旭
  • 蒋文麗

※NHKアーカイブスブログ(2008年7月25日)より転載、加筆、写真追加

みんなのコメント

  • 大地の子、また観たいです。 再放送してくれないかな?スミーさん
  • 「大地の子」は、作者の山崎豊子さん自身が映像化は、無理なのでは?と、思われていたそうです。 本を読み、感動したので、ドラマ化を楽しみにしました。 その当時初めて見た上川隆也さんの演技は、魂が込められたものでした。 中国の俳優さんも良かったです。 原作本と、映像化されたものの両方が素晴らしかったです。 ラストは、原作とは違いましたが、救いを感じました。 今でも、時々見たくなるドラマです。ぴかママさん
  • 原作を読んでぜひドラマを見たいと思いました。 上川さんは他の山崎豊子さん原作のドラマに出ており、心にしみる演技が印象的です。ぜひ「大地の子」の再放送をお願いいたします。なつさん
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