日本年金機構様の年間60万人が利用する問合せチャットボットのQ&A案の作成に生成AIを活用!その期待と効果をインタビュー!
こんにちは。富士通 広報note編集部です。
AI技術の進化が目覚ましい今日、富士通はお客様のDX変革を後押しするため、AI活用の総合的なサポートをご提供しています。
富士通が2025年11月6日に発表した、『日本年金機構様の「ねんきんチャットボット」の運用支援に生成AIを活用し、新たにチャットボットサービスの構想を開始』のプレスリリースは、ご覧いただけましたでしょうか?
日本年金機構様では、2020年より富士通が提供するチャットボットサービスを導入いただき、「ねんきんチャットボット」を運用しています。立ち上げから6年目を迎える「ねんきんチャットボット」は、現在、年間約60万人もの国民が利用していますが、問合せ対応用のQ&Aの作成および見直しのため、このたび富士通とともに生成AIの活用を開始されました。
なぜ現行のサービスに生成AIを活用することになったのか?また、今後「ねんきんチャットボット」はどのように進化していくのか?など、気になるポイントがたくさんありますよね。
本記事では、プロジェクトの背景や、「ねんきんチャットボット」における生成AIの事前検証など、今回のプロジェクトをご担当いただいた日本年金機構の皆様へインタビューした内容をお届けします!
ご担当者様インタビュー
今回お話を伺ったのは、日本年金機構 システム企画部の美座(みざ)調整監、事業企画部の三木参事役、荒川様、辻本様です。
日本年金機構様が利用者からのお問合せにチャットボットを導入したのは2020年でした。どのようなきっかけでしたか?
美座様:
2020年の新型コロナウイルス感染症がきっかけで、当時、事業主の保険料を猶予する納付猶予特例制度が施行され、事業主から手続きの方法や対象についての問合せが殺到しました。元々コールセンターは年金受給者メインの体制だったこともあり、とても対応しきれず、本部職員も電話対応しましたが、それでも追いつきませんでした。
そのような切迫した状況で、富士通に相談し、わずか5日間という短期間でチャットボットサービスを構築してくださいました。以降、5年間にわたり、運用保守と継続的な改善を実施してもらっています。
そのような中、現在のチャットボット運用でどのような課題意識があったのでしょうか。
辻本様:
Q&Aの管理に課題を感じていました。
現在の機構のチャットボットQ&Aは1,000件を超えており、制度改正などにより事務の変更が生じるたびに、既存のQ&Aと重複していないか、古くなった情報を掲載していないか、といったことなどを手作業で確認したうえで、各担当部署と協議しながらQ&Aを追加する必要がありました。
これらの作業に多くの時間がかかっていることから、既存のQ&A検索や抽出、新しいQ&A案作成の自動化ができればと思っていました。
また、チャットボットの対応ログは、現在のQ&Aの改善点を見つけ出す良い情報源でもあるのですが、その対応ログ情報からより良いQ&A案を作成できれば、利用者にとっても使いやすくなり、Q&Aを所管する各担当部署も作業しやすくなるのではないかと考えていました。
なるほど。そのようなチャットボットのバックオフィス作業の課題解決のため、富士通が生成AIの活用を提案させていただいたのですね。
辻本様:
はい。2020年からの長い間、機構のチャットボットサービスの提供に携わっていただいており、機構のチャットボットの細部まで把握されていることもあって、富士通の生成AI技術を活用した業務改善提案をいただきました。
すでに事前検証を行っていると伺っています。検証で実際に使ってみた効果はいかがでしたか?
辻本様:
事前検証では、新たに追加を検討している内容についてQ&A案を作成いただきました。各所管部にQ&Aの作成をゼロからお願いするのではなく、生成AIが作成した案をたたき台として提示することで、具体的な修正案をあげながら議論しやすくなりました。このことから職員の負担軽減や作業工数の削減に非常に有効だと感じています。
三木様:
UIの面でも使い勝手を良くするための提案、また、現在のチャットボットの利用者の問合せ内容から、生成AIによって利用者のニーズを様々な観点から分析し、複数のQ&A案を提案いただいております。
今後のチャットボットへの生成AIの導入の検討にあたって、日本年金機構様が抱く富士通の生成AIへの期待についてお聞かせください。
荒川様:
機構全体として、今後も窓口や電話による照会が増加することが見込まれており、対人対応を減らすため、チャットボットサービスをより多くの方にご利用いただくためには、知りたい内容に対して、調べる手間を減らしつつ、的確に答えを導けるような工夫や仕組みの構築が必要であると考えています。
そういったことを踏まえ、生成AIの活用によって自由な形式で質問しても回答できる仕組みが構築できれば、利用者の増加につながり、現在の年間60万人から100万人200万人と伸ばしていけるのではないかと期待しています。
三木様:
利用者の質問については、基礎的な内容から専門的な内容まで多種多様であり、全てを生成AIで対応することは困難だと考えています。まずは基本的な内容の質問に対しての正確な回答作成ができる仕組みの構築を期待しています。
将来さらなるチャネル戦略を計画されているということですが、構想について教えてください。またそれに対する富士通への期待があればお願いします。
三木様:
利用者との接点には、年金事務所へのご来訪、コールセンターへの電話、そしてチャットボットやホームページといったオンラインサービスがあります。専門的な分野において職員が対面で一件一件丁寧に対応する時間を確保するためにも、より多くの方にオンラインサービスをご利用いただきたいと考えており、その流れを日本年金機構全体で作ろうと現在取り組んでいるところです。
その中でチャットボットをよりご活用いただくために、富士通が持つ様々なソリューションを活かした提案をしていただけるとありがたいです。いずれは、Q&Aの作成だけではなく、生成AIが回答することも見据えて検討していく必要があると思っています。
美座様:
富士通はこれまで一緒に仕事をさせていただいているため、我々の規模感や年金制度に関するノウハウを深く理解・蓄積してくれています。チャットボット以外の業務に関しても、様々なご提案をいただいていますので、今後も引き続きご協力をお願いしたいと考えています。
おわりに
日本年金機構様へのインタビュー、いかがでしたか?
取材した富士通広報note編集部にとっても、富士通の生成AIがお客様のもとでどのような活躍をしているか、また、お客様からの期待の大きさを実感できる機会となりました。
富士通は今後も、日本年金機構様はもちろん、様々なお客様のDXパートナーであり続けるため、AIのチカラを活かし挑戦を続けていきます。ぜひ、富士通のAI活用に、今後もご注目ください!


