ReaEQからはじめるイコライザーの基礎的な扱い方
当記事はYTPMVアドベントカレンダー2025に参加しています。
記念すべき一日目の今日!情熱だよ情熱
はじめに
突然ですが、みなさんは音MADやYTPMVを制作するうえでイコライザーを使っていますか?
あまり効果を意識せずに使っていたり何なら使ったことがない人もたくさんいると思います。
そんなあなた、一度上手くいったEQの設定をなんでもかんでも使い回していませんか?
………
EQの値を使い回すな!
今回はそういうお話です。
正直音MADにおいては必要とまでは言わず、でも扱えるようになるとクオリティの大幅な向上に繋がる、そんなプラグイン。
そんなイコライザーとは何者なのか、そしてそれに則ったReaEQの扱い方を解説していこうと思います。
1.イコライザー(EQ)とは
イコライザー(以下EQ)とは、ざっくり説明すると帯域毎に音量バランスを調整するプラグインです。
これを使うことで、目立たせたい帯域を際立たせたり邪魔な帯域を抑えることができ、音同士のぶつかり合いを抑えたり好みの音作りに一歩近付けることができます。
EQには主に、固定の周波数のスライダーを動かすグラフィックイコライザー(GEQ)と周波数のつまみをある程度自由に動かせるパラメトリックイコライザー(PEQ)の二種類があります。
ReaEQは後者のパラメトリックイコライザーであり、当記事ではこのPEQについて解説していきます。
調整できる周波数帯域が最初から決められている
2.ReaEQのパラメーター
PEQには、主にFrequency・Gain・Bandwidth / Qの3つの値があります。
Frequency:どの周波数を調整するか
Gain:どれだけ音量を増減させるか
Bandwidth / Q:どれだけの範囲に影響するか
上記の値はReaEQを扱う時にも触れることになります。
ReaEQの画面中央にはType:というプルダウンがあり、ここからバンドの種類を選ぶことができます。
この中から私がよく扱うものを抜粋して解説していきます。
Low Shelf / High Shelf
Low Shelfが選択した周波数より下、High Shelfが選択した周波数より上をまとめて調整できます。
個人的にはベースやキックの音作りの際に原曲の低域を抑える時に重宝しています。
デフォルトだと①、④のバンドがそれぞれLow Shelf、High Shelfとなります。
このタイプを扱う際にはBandwidthを最小にしておいた方が扱いやすいと個人的には思います。
Band
選択した周波数を中心に音量の増減ができます。
恐らくEQと聞いて一番想像しやすいオーソドックスなタイプになります。
デフォルトだと②、③のバンドがこれにあたります。
今回の記事ではこちらのBandを用いた調整方法を解説しています。
Low Pass / High Pass
Low Passが選択した周波数より上、High Passが選択した周波数より下をカットできます。
低音域を通すために高音域を削るという意味でのLow Passなので(逆も然り)、Low / Highの表記と作用する方向が逆になっています。
Low Shelf / High Shelfを選択中に一番下までバンドを引っ張ってもこのタイプに変化します。
この中でもHigh Passは特に、低音域のノイズを除去するために台詞やボーカル、ベース以外の音合わせに適用することが多々あります。
ReaEQであれば、Frequencyを100Hz、Bandwidthを2.00に設定しておけば変になることは少ないと思います。
Notch
選択した周波数を中心に大幅に音量をカットします。
不要なノイズが混じってる時なんかに重宝します。
Bandを選択中に一番下までバンドを引っ張ってもこのタイプに変化します。
これらの機能を知っておくだけでもかなりEQが扱いやすくなると思います。
ちなみにプリセットも色々用意されていますがあくまで楽器用に帯域が設定されているので音MADでの使用は割と非推奨です。
ではどのように調整すべき帯域を探せばよいのでしょうか?
3.調整する帯域の探し方
さて、ここからがようやく本題です。
EQの機能が分かったところで、どうやって調整する周波数帯域を探せばいいかが分からなければ意味がありません。
例えばスネア。
楽器であれば、どの辺りの周波数を弄れば気持ちのいい音になるかの大体の相場が決まっています。
スネアを叩くと、胴体の振動するドスっとした音と裏面の金属線のシャリシャリした音が鳴ります。
ドラムの型によって細かい音色は異なりますが、それでも上記の鳴り方をするのはどれも同じです。
一方で音MAD素材におけるスネアはどうでしょう。
なんと全部音の鳴り方がバラバラ!これでは楽器のように全てがセオリー通りにとはいきません。
そのため、適宜素材に合わせて弄る帯域を探さなければいけません。
そこで、私が行っている帯域の探し方の一例を書こうと思います。
まずは、タイプをBandにしてBandwidthを少し小さめに設定し、その状態でGainを12前後まで持ち上げます。
体感0.8辺りにすると扱いやすいように感じたかも?
その状態で、調整したいトラックを再生しながらFrequencyを動かし、各帯域の音を確認します。
音量を上げたうえで悪目立ちしすぎていると感じた帯域は少し音量を下げ、逆に心地良く感じた帯域があれば少しだけ持ち上げます。
この時、増減の幅は±6.0db以内に抑えておいた方が過剰に音が歪まず扱いやすいと個人的には思っています。
また、基本的には音量を抑える目的を主として使用し、そのうえで強調したい帯域を必要最低限だけ持ち上げるようにしましょう。
以上の手順を踏まえることで、必要に応じた帯域を選んで調整をすることができます。
…………
…難しくね?
突出している帯域を選ぶと言葉では言っても実行するとなるとやっぱり難しいことです。
右も左も分からない状態の初心者が言われていきなりできることではありません。
そこでなんと、ReaEQには便利なことにアナライザー機能がついています。
どの周波数帯域が飛び出しているかを視覚的に捉えることができるため、調整する際の参考に大いに役立てることができます。
また、特定の帯域に絞って聞くことができるプラグインもいくつかあるので、そういったものを活用するのも一つの手です。
一例として、SPANというアナライザーは再生中にCtrlを押しながら左クリックすることでその前後の帯域だけを聴くことができます。
帯域毎の音の特徴を捉えることに慣れないうちはとても難しいですが、回数を積み重ねれば自然と感覚として身に付いてくるので少しずつ取り組んでいきましょう。
4.イコライザーを挿すタイミング
これでEQの扱い方についてはざっくり理解できたと思いますが、ではどのタイミングで挿すべきなのでしょうか?
結論から言うと、いつでも大丈夫です!
帯域毎のバランス感や突出している帯域があるように感じたらその瞬間に挿して大丈夫なんです!
そのうえで、個人的には一番最初に挿すことが多いです。
You Wa Shock!やOTT等の音を歪ませるプラグインをほぼ全トラックに挿すほどに愛用しており、それらを使ううえで各エフェクトの手前で不要な帯域を除去しておいて余分な雑音を混ぜたくないためです。
他には一通りエフェクトをかけた後に最終的な微調整として挟むことも多々あります。
他の方に聞けば様々な意見が出てくるかと思いますが、それだけ自由に扱ってよいものなのです。
おわりに
以上を踏まえたうえで、改めて皆様に伝えなければならないことがあります。
EQの値を使い回すな!
ここまで読んでいただいた皆様には何故良くないことなのかお分かりいただけたかと思います。
素材一つ一つに音の特性があり、それぞれの調整すべき帯域や音量は全て異なっています。
そして、EQを上手に扱えるようになると素材の底力を引き出すことができ、より魅力的な音声に一歩近づくことができるようになります。
皆様も是非この記事を参考にイコライザーに挑戦してみてください。
皆様の音MAD / YTPMV制作にこの記事が役立てば嬉しい限りです。
それでは皆様、よきYTPMVライフを。


コメント