第62回ラグビー全国大学選手権準々決勝(20日、明大36-0関学大、秩父宮)関東対抗戦を制した明大は関学大(関西3位)を後半に突き放し、46-19で快勝。急遽(きゅうきょ)先発したFL楠田知己(4年)がチームを引っ張った。早大(関東対抗戦3位)は関西リーグ王者の天理大に26-21で競り勝ち、5連覇を狙う帝京大(同4位)は筑波大(同2位)に36-0で勝利。東海大(関東リーグ戦1位)は京産大(関西2位)に24-26で逆転負けした。来年1月2日の準決勝(東京・国立競技場)は早大―帝京大、明大―京産大の顔合わせとなった。
関学大に逆転されても明大が焦ることはなかった。12-14の前半29分、FL楠田が左中間に持ち込み再逆転のトライ。以降は相手にリードを許すことなく勝ち切り、3大会連続で準決勝に駒を進めた。
「トライはたまたま僕が取っただけ。すぐこの試合を勝ち切らないとというマインドになった」
この試合は当初は控えだったが、NO・8利川桐生(4年)のコンディション不良で18日夜に先発を命じられた。「リザーブから早めに試合に出ることもあり、いつも準備していたから慌てることもなかった」と楠田は振り返る。
明大はエリート集団の印象が強いが苦労人だ。東海大大阪仰星高で全国制覇。大学2年の2023年にはU-20(20歳以下)日本代表に選ばれた。ところが同年夏のU-20世界選手権でタックルした際に頭を強打。重い脳振盪(しんとう)を起こし、プレーから離れざるをえなくなった。
復帰するまで1年半、ミーティングの準備など裏方の仕事をこなし、故障者を誘って筋トレにも励み「グラウンド外のことに気が回るようになった」という。そのおかげで今季は副将に選ばれ、チームをまとめる役割も負う。
チームは残り15分から4トライを奪って関学大を突き放し、準決勝の京産大戦へ弾みをつけた。CTB平翔太主将(4年)が「規律が課題。京産大相手に反則をすると難しい試合になる」と気を引き締めれば、楠田も「(この日の試合で)ハイタックルの反則を取られたので、低くいかないといけない」と呼応。7季ぶりの大学王者へ、重戦車軍団はさらに加速する。(田中浩)
■データBOX
◉…準々決勝が初戦のシード4校のうち、天理大、東海大、筑波大が敗退。現行の変則トーナメントになった第53回大会(2016年度)以降、史上初めてシード3校が初戦で敗れた。
◉…関東対抗戦の3校がベスト4に進むのは23度目。このうち19度で対抗戦のチームが優勝しており〝V率〟は83%。