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『どうしたデスー?』
泣き叫び親に取りすがる仔実装に近付いたのは、一頭の成体実装だった。
野良実装らしく薄汚れた身なりで、死骸と仔実装を見て小首をかしげている。
『…!マ、ママが、ママがおかしいテチュ!助けてほしいテチー!』
『デ…おまえ、ママが死んじゃったデス?みなしごデスー?』
本当は仔実装は判っていたのだ。
人間の精を受けて生まれる実装石は程度の差こそあれ賢く生まれつく事が多い。
この仔実装は衰弱した親から、臨月を待たずに産み出された。
身体は平均的な仔実装より小さいが、知性は並みの実装石より高い。
だから
『…マ、ママは…死んでないテチュ…!ニンゲンさんのおクスリで助かるテチュ…!』
偽石から受け継いだ知能と生まれついての知性は親の死を理解していたが、同じく受け継いだ知能と知性、そして胎教代わりに受けた「人間との暮らしの素晴らしさ」の知識が、親の死を受け入れる事を拒んだ。
『デプププ…本当に死んだらもうダメデス、大体ウスギタナイ野良に何かしてくれる人間なんていないデス~』
『テェ!?お、オバチャンなんでイジワル言うテチ?ひどいテチ…、な、何するテチ!?ママ、ママー!』
野良実装は仔実装を抱え上げると、なにやら上機嫌で歩き始めた。
実装石がたどりついたのは、町外れの市民公園だった。
野良実装の気配はあるが、時間帯のせいなのか周囲に同族の姿は無い。
衰弱しきった体が強烈に求めたのは水だった。
林を徘徊する間、草についた夜露で辛うじてしのいできた。
胎に仔を抱え、空腹も極限に達しているが、何より喉を潤す清浄な水が欲しい。
公園の端にある水場を目ざとく見つけ、駆け寄っていった。
「デ…デ…デッ…デッ…デ…ッデ…?」
モルタルで浅く広めに取られた水場の、底に溜まった水へ近付くにつれ次第に腹がきりきりと痛み始める。
それは陣痛であった。
水を求めていたのは乾きのせいばかりではなく、生命維持が困難になった母体から強制的に仔を脱出させる機能が働いた為でもあった。
水場を目前にし、痛みから膝をつく実装石。
(あと少しで、子供が、水が、腹が、飲みたい、産まれる、痛い、痛い、いたい、いたい、イタイ・イタイ…)
混濁する意識の中、本能だけが実装石の手足を動かしていた。
うずくまった姿勢で仔を産み、一匹を引き寄せ、粘膜を舐め取った所で実装石の消耗は極限に達した。
『…オマ…おにいちゃ…サン…仔デ…ニンゲンさん…飼…デ…ス…』
水場を目前に、水を飲む事無く実装石は死んだ。
『テ…ママ、ママ、どうしたテチ?ママ?ママ~!』
きょとんとしていた仔実装だが親の異変に気付いて揺り動かそうとする。
『ママ、ママ!…ニンゲンさんに助けてもらうテチ!ママ!しっかりするテッチー!』
リボンを引っ張り親を動かそうとする仔実装、だがそこに近付く影があった。
山林に投げ出された実装石は、自分を捨てて立ち去る少年を呼んで鳴いた。
『おにいちゃんサン!ワタシはここデスゥ!落ちたデスゥ!早く助けてデスゥー!』
落とされた道路に這い上がろうとして擁壁にしがみつき、ひとしきり鳴き、喚き、喉が枯れ、手足が痛む。
ゴシュジンサマと違って気が利かず、何かと自分の事をいじめる『ゴシュジンサマのおにいちゃん』を、この実装石はほんの少し小馬鹿にしていたが、また、家族として信用してもいた。
自分を家族として、人間と同列と考えてしまった実装石にとっては、自らが人間にとって亡き者にし得る存在にすぎないという想像は不可能だった。
ましてや少年は自分の純潔を奪った相手であり、自分の胎にはその命が宿っている。
実装石は自分が落ちた事に『ゴシュジンサマのおにいちゃん』が気付かなかったのでは、と考え、納得した。
しかたなく元々単独行動を好むこの実装石は、歩いて家まで帰る事にした。
『帰るデス~、帰ったらおにいちゃんサンと結婚してあげるデス、できちゃった婚は恥ずかしいデス~♪』
益体も無い妄言を胎教歌代わりに、下生えを掻き分け進んでゆく。
だが、山実装ならぬ元飼い実装にとって、山林は予想以上に踏破困難だった。
食料もなく、胎に仔を抱え、あても無く林をうろつく実装石には、人間なら迷う事などありえない程度の山林も大アマゾンのジャングルに等しい。
結果的にこの実装石が人里に降りてくるまで10日以上が経過してしまった。
ふくよかだった身体はやせこけ、身綺麗にしていた服もあちこちが変色し、破け、ほつれて酷い有様である。
本来なら野垂れ死にをしてしかるべきだったが、若干の判断力と強運が、この実装石の命をつないだのだった。
もっとも、人里に出た時点でその運は尽きてしまうのだが。
少年が家で飼っている実装石を捨てに来たのは、ごく個人的な理由からだった。
家族が2泊3日の旅行に出かけ、少年が家に居残る事になった。
飼い実装に餌を食わせ、居間の大画面TVで秘蔵のDVDをオカズに自家発電をしようと思った時、ごくごく平凡な受験生である所の少年を「魔」が刺した。
正味の所「挿した」のは少年の方で、挿した物は「魔羅」だったのだが。
実装石は枕カバーに閉じ込め、上から荷造りロープで縛り上げ、事に及んだ。
充分に楽しんだ少年だったが、実装石が何とでも、花粉とでさえも妊娠するという事を失念していた。
実装石の緑に染まった両目を見て、少年は嘆息した。
両親は実装石にさほど興味を示していないが、妹はコレをそれなりに可愛がっている。
妊娠しているのを発見したら事情を聞くだろうし、そうなれば自分のしでかした事も発覚する。
よくよく考えれば妊娠しようがしなかろうが実装石が告げ口をする可能性は高かったのだが、とにかく実装姦が家族にばれるのは身の破滅に等しい。
幸いと言うか、この実装石はたまに一人で家を抜け出す事もある冒険心旺盛な個体だった。
たまに帰りが遅いと妹が心配して探し回るのだが、大抵は近所をケロリとした顔でほっつき歩いているのを発見するのが常だった。
今回はたまたま帰って来れなかった、そういう事にしよう、と少年は決める。
河を越え、新興住宅地に程近い山林に実装石を落とした。
体の痛みと、いきなりの仕打ちに混乱する実装石に少年は声を掛けた。
「じゃあな」
ブサイクの全身の皮を一通り剥がし終えた。
真鍮ブラシは目が細かくて少し柔らかいので、処置を終えるまでに何度もブラシを洗う必要があった。
今度は普通のワイヤーブラシを買っておこうと思う。
ブサイクの全身にコーレーグースを塗りこんでやる。
コーレーグースとは島唐辛子を泡盛に漬け込んだ激辛調味料で、沖縄料理には欠かせない。
沖縄そばにたっぷり入れて食すのが私の好みなのだが、ブサイクもどうやら気に入ってくれたようだ。
体に付いたコーレーグースを舐めようとするので、初日に使った首枷をエリザベスカラーの代わりに付ける。
実装石は回復力の高い生き物だから人間相手にするような治療は本来不要だ。
それどころか傷口に実装服以外の布が張り付いていれば繊維を巻き込んで再生してしまう。
なのでブサイクに細く切った綿製の包帯を巻いてやる事にした。
明日剥がすのが楽しみだ。
○○○○○○○○○○○○
皆様、応援いただきましてありがとうございます
実は6日目は目の色を間違えて描いてしまい、あわてて塗り直したりしております
気付いた時既にカウンターが回ってたから気付いてた人も結構いたんだろうな・・・
苺板で虐待物はどうもそぐわない気がしたので消すと発言しましたが
描いてしまった物を消すのも無責任かと思うのでやはり置いておきます
発言がフラフラしててすいません
虐待日記ひとまず終了乙記念お気に入りの服を燃やされ必死に消火活動にいそしむブサイクちゃん
久々に読み応えのある連載ものでした
ぐら氏GJ
次なる展開を期待しつつ
ちなみに一番のお気に入りは六日目
可愛くて可哀そう
1月31日
火傷治療用真鍮ブラシを金物屋にて購入、¥195
実装フード50g、飲料水300ml
備考
掴むと逃れようとして暴れるので持ち上げて手を開くこと
落下への恐怖心を利用して作業を行うと楽
●思いつくままにたらたらと虐待風景を描いてきましたが、とりあえず10回目で
(内容的にはともかく)キリがいいので一回中止します
後日固めて塩補完庫にアップし、こちらの方はその時に消そうと思います
続きは良いネタを思いついたらと言う事でご容赦ください
1月30日
服を燃やされて以来ライターの着火音を忌避
ガスが切れたノズルライターで追い回す
火が付かない事に気付くまでに13分を要す
許可なく休憩、笑った為罰として別のライターで着火
頭髪全焼、服60%程度消失、火傷軽~中度多数
水練りした実装フードを50g、飲料水の代わりに10倍希釈したスポーツドリンク500ml
1月29日
ブサイク、としあき宅への返還を要求
としあきが仔実装を虐待する動画を観賞
ブサイクの怯え酷し
エンドレスで放映決定
実装フード50g、飲料水300ml
1月28日
ブサイクのお気に入りの服を焼却
抵抗し、火を消し止めようとする
18回繰り返し髪が2/3程度燃えた時点で気絶
実装フード50g、飲料水300mlを100倍希釈のスポーツドリンクで与える
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