男のスマホに虐待動画…大久野島のウサギの口にはさみを入れ傷つけた疑いで再逮捕 なぜ虐待は起きるのか #専門家のまとめ

石井万寿美
まねき猫ホスピタル院長 獣医師
イメージ写真写真:イメージマート

広島県竹原市の大久野島は「ウサギの島」として知られ、多くの観光客が訪れています。

滋賀県大津市の会社員の男が、1月9日と21日にウサギ2匹を蹴って死なせ、さらに2匹の口にはさみを入れて傷つけた容疑で動物愛護法違反の疑いで再逮捕されました。

同島では昨年11月以降、99匹のウサギの死骸が確認されており、男が関与をほのめかしていることから、警察が関連を調べています。なぜ、このようなウサギの虐待が起こったのか、詳しく見ていきましょう。

ココがポイント

同署が押収した証拠品からはウサギを虐待する様子を撮影した動画や画像が見つかった。
出典:中国新聞デジタル 2025/2/10(月)

スマートフォンからはウサギを虐待する複数の動画や写真が見つかっており、警察は余罪を調べています。
出典:TBS NEWS DIG Powered by JNN 2025/2/10(月)

スマートフォンに、ウサギを虐待している様子を映した動画や画像が残っていたことや、本人の供述などから余罪が発覚した
出典:RCC中国放送 2025/2/10(月)

エキスパートの補足・見解

広島県竹原市の大久野島で発生したウサギ虐待事件は、多くの人々に衝撃を与えました。
男はウサギを蹴っただけでなく、口にはさみを入れて傷つけた疑いで再逮捕されています。同島のウサギたちは人間を警戒せず、エサをもらいに寄ってくるため、今回のような虐待に対して無防備でした。

草食動物であるウサギは、自ら身を守る手段を持たず、逃げるしかできません。猫のように鋭い犬歯や爪を持っていないため(猫は虐待されないわけではありませんが)、暴力を受けた際になすすべもなく傷ついてしまいます。

観光地としてウサギを守るためには、防犯カメラの設置や巡回を強化し、虐待行為を未然に防ぐ対策が必要です。また、ウサギと触れ合う機会が多い環境だからこそ、動物愛護の意識を高める啓発活動も重要です。

同時に、今回の事件の背景や動機についても、社会全体で考える必要があります。動物虐待は、やがて人間への暴力へと発展する可能性があるとも指摘されています。

今回の事件を教訓とし、二度とこのような悲劇が起こらないような環境づくりを進めていくべきです。

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まねき猫ホスピタル院長 獣医師

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大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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