「気に、なっちまうなぁ……」
イラストを描く筆も止まりがちになっている、如何して此処まで自分が気になっているかと言われれば理由は一つだけ―――この世界では未来と過去から外来種というべきポケモンが来ている。パルデア地方の中央に坐する大穴、そこにはタイムマシンがある。そこから未来と過去からポケモンが来ている。古代種と未来種、この二つが今に与える影響は余りにも大きいが……それ以上に気になる事がある。
「ペパー、これ大丈夫なのか……?」
この地方を廻るストーリーの柱の一つ、レジェンドルート。主人公はそこでルートの相棒となるペパーと共にパルデア地方の各地に存在する秘伝スパイスを探す事になる。そしてそのペパーの両親こそがタイムマシンを作り上げている。バージョンによって母親と父親という差異があるが、今回の場合は恐らく父と母がいない状態になっているので色んな意味でやばい事になっている。
「それに加えて……」
ロースト砂漠で目撃情報のあるポケモンこそが問題の未来と過去のポケモン、俗にいうパラドックスポケモンである事を確信している。テツノワダチとイダイナキバ、その両方が存在する事になると色んな意味で大変な事になるし最終的に主人公であるアオイとハルトは二つのパラドックス軍団と戦う事を強いられるのだ。
「知りたく、無かったなぁ……」
素直な事を言えば物凄く頭が痛い、ついでに胃も痛い、かと言って無視する事も出来ない。パラドックスポケモンには現代の道理なんて通じないし能力値も暴力的な物ばかりだ。一説には古代種はゲンシグラードンがやばかったからああなったというのを見た事がある。じゃあ未来種は……分からないが兎に角双方の時代のパラドックスにはやべぇのがいる。
「此処まで知っちゃって、知らんぷりは出来んよな……子供が頑張ってるのに大人が何もしないのは格好付かない……パラドックスは欲しいしな」
と自分に言い訳をする。正直な事を言ってしまうとイダイナキバとトドロクツキをゲットしたいという思いがある。扱い切れるかと言われれば微妙だが……バトルしてみたいという思いは強い、こう思うと自分はネモの事を言えないなぁ……素直に苦笑しとある人物に連絡をする事にした。
『ハロハロー!!いやぁお久しぶりだねラビ氏!!』
「お久しぶりですナンジャモさん、すいません突然のお電話をしたのに」
『何々気に召されるな、ボクはラビ氏なら何時でもウェルカムだよ。何ならまたコラボしたいし』
「はは、それじゃあ遠くない日に」
『おおっやったね!!』
連絡を取ったのはナンジャモ、同じ配信者という繋がりもあるがそれ以上の事がある。
「実はですね、近々ナンジャモさんの所にとあるアカデミーの学生さんが挑戦しに行くと思います。その時は私にご連絡を頂けませんか?そして私が会いたいと伝えて欲しいのです」
『その位でいいなら幾らでもするよ、ラビ氏にはアローラライチュウを譲ってくれた恩もある訳だしボクとの仲じゃないか』
「有難う御座います、ライチュウさんの調子は如何ですか」
『そりゃもう絶好調よ!!実は最近さ、ライチュウと海に行った時にはサーフィンに挑戦してるんだよね。お陰で日焼けが気になっちゃってるんだけどリップ氏に良い感じの化粧品と日焼け止めを紹介して貰えたんだよね~お陰で配信でも綺麗になったね~って言われるようになってさ~』
そこからは他愛もない世間話をしつつ、コラボをする時はどんなことをしようか~という話をした後にジムの挑戦者が来たらしいので通話を終わらせた。
「……まあなんとかなる、かな」
「今回紹介するのは此方」
「ヤドラン……?」
「ヤドランさんです、此方はリージョンフォームのガラルヤドランさんになっております」
| ・ヤドランか~ ・相変わらずとぼけた顔してんなぁ…… ・マジでこいつだけは何考えてるのか分からない。 ・私の指示聞いてくれないのは交換で貰ったポケモンだからなのかのんびりなのか ・それは、どっちだ? |
|---|
「此方のヤドランさんはガラル地方で見られるヤドンさんが進化した姿なのですが、ガラルの離島群であるヨロイ島の固有種と言っても過言ではありません。何故ならばヨロイ島にあるガラナツという植物の種を食べ続けた結果、世代を超えて蓄積されてガラル独自の姿や能力を持つようになったとされているのがガラルヤドンさんです、と言っても基本的には原種のヤドンさんとの差異はありませんね、毎日ボ~っとしてますので」
| ・リージョンしてるのにあんま変わらないのか。 ・ヤドランの方は全然違うな……尻尾じゃなくて腕にあるし。 ・何がどうしてそうなったんだお前 |
|---|
「原種ヤドランさんは尻尾にシェルダーがかみついた結果、バランスの為に二足歩行になったのですがガラルヤドランさんの場合は腕に噛みつかれて、前足が歩くのに使えなくなったから二足歩行になったらしいです。そしてシェルダーに噛みつかれた事でシェルダーの毒素と体内のスパイスの成分が化学反応を起こして毒とエスパータイプの複合タイプとなっています」
| ・結局二足歩行にはなるのか。 ・まあ前足が使えなくなったら立つしかねぇか ・だけどまあ、お前其れで戦えるのか? ・シェルダーも役に立ってるのか? ・パンチの時には、まあ…… |
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「実はヤドランさんは腕のシェルダーさんを有効活用出来るんです。ヤドランが腕のシェルダーの舌を掴むとシェルダーさんは条件反射で毒を飛ばすんです。そして強敵と対峙した場合には体内の刺激物質が全身を駆け巡り、全身の神経が刺激されヤドランさんは覚醒を起こします。さながら西部劇のガンマンのようなスピードでシェルダーを構えて毒を噴射するんです、ねえヤドランさん」
「ヤドラン……?ヤァ……ドラン?」
「う~んヤドランさん必殺のどわすれ、これは信じられない」
| ・いやアンタが信じなくてどうするんだよ!? ・分かるけど、スゲェ分かるけど!! ・ヤドランを信じてあげてください!! ・お前は謹慎だ!! ・マジでボンヤリしてるからなぁ……。 |
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「そんなヤドランさんですが、その素早い攻撃こそが特性のクイックドロウなのです。私のヤドランさんでの統計ですが25~30%の確率で素早く攻撃してくれますね、そんなヤドランさんに先制の爪と呼ばれるアイテムを持たせると44%にも先制攻撃できる確率が上がるという面白い特性持ちです」
| ・そりゃ確かに面白い。 ・静電気とか炎の身体とは違って自分で狙いに行けるのは面白いな。 ・44……ほぼ二分の一やんけ。 ・それで先制出来るって相当に恐ろしいな。 |
|---|
「ヤドランさんは良くも悪くものんびり屋さんなのですが、この特性で相手の油断を打ち貫くという事が可能です。そして更に面白い技としてシェルアームズという技を使うことが出来ます。これは毒タイプの技なんですけど物理と特殊の打ち分けが出来るんです。技一つでこんな事が出来るのはこのヤドランさんだけじゃないですかね」
「―――ヤドラン?」
「褒めてますよちゃんと、因みに物理の時はこの腕のシェルダーさんでぶん殴ってきます」
| ・面白いなぁ…… ・良くも悪くもギャンブル性能たけぇな…… ・でもなんかヤドランへのイメージ変わったかもしれない。 ・ヤドランと言えば耐久寄りなイメージあったもんな ・此処まで攻撃的にもなれるのか……。 |
|---|
「こんなヤドランさんですが、腹太鼓も使えるのでいきなりパワー全開にしつつクイックドロウで最速で攻撃を仕掛けるなんてロマンコンボもあります。まあそれもヤドランさんがその気になればの話になってしまいますが……」
「ヤド、ラン」
「貴方の話なんですよ?」
「ヤァ……ヤァ……?」
「ダメだこりゃ」