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シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜  作者: 硬梨菜
竜よ、龍よ! われらが駆けるは憧れの果て
474/948

極彩に塗り潰す色災

イかれたメンバーを紹介するぜ!!

◇R-R◇


「不公平だよなー、新大陸にいなきゃ参加もできないなんてさ」


「始めたばかりの俺たちがいたって役立たずだろ?」


「まぁそうだけどさ……ん?」


「何だ? 揺れて……」


「いやここ死火ざ───」


轟音、激震。衝撃を伴った超高温の水蒸気に吹き飛ばされた開拓者たちが火山から消え去る。


「Folololololololo」


誰も知らぬかつての赤竜、火山の蓋として火口湖の底へと沈んでいたかつて竜だったものが木っ端微塵に砕け散る。

海とは比べるほどでもないが、それでも大量の水が溜まっていたはずの火口湖は今やその全てが蒸発し尽くし、その中央には一匹の焔蝶の姿が。


より大きな意思を受け、「赤」の蝶は敵を待つ。





◇RB◇


「Brrrrroooooo……」


それは、青褪めた身体を燃やすでもなく、放電するでもなく……ただ、歩いていた。


「なん……」


「体力の、上限(・・)が、削れて………」


「待っ」


ただそれだけで、それの歩いた道のりには死が積み上げられていく。

黒霧の鬣を風に流し、こうべを垂れながらあるく無眼の青馬は歩き続ける。


嗚呼、もっと殺せと根源が囁く。「青」の馬はこれから歩む先にいる命を嘲笑うように嘶いた。




◇R-B◇


「あっぶねー、回復助かった!」


「え? 私回復魔法なんて使ってないけど……」


「え?」


「MrrrFFFffffffff……」


「な、なんだぁ!?」


「か、蛙?」


「ちょ、どこまで体力が回復して……」


「グギャバ!?」


「……え?」


フワフワと宙を風船のように浮遊する六つ足の蛙のような黒色の何か。プレイヤー達がモンスターと戦っている最中に突如乱入したそれは、傷を癒している。


傷を癒している。


傷を癒している。


癒す傷がなくても癒し続ける。


終いには、過剰な回復力で肉が弾けるほどに、癒して、癒して、癒して癒して癒して癒して癒して………


プレイヤー達が風船のように爆ぜた熊型モンスターと同じ末路を辿るまで、あと───


「黒」の蛙は、その光景を喜悦に目を細めてずっと見ていた。




◇R-G◇


神話の大森林、日差しの差し込む神秘的な場所であると同時に木々に遮られ視界の悪い森の中で……それは、静かに行動を起こしていた。


木漏れ日差す泉に口をつけて水を飲む一角獣、その背後の木が動き出す。木のモンスター? 違う、それは極めて高度な擬態で木に化けた孔雀だ。


ただ現実の孔雀と異なる点があるとすれば、ダチョウのような異様に長い足と……孔雀の代名詞とも言える尾羽が奇妙な形をした果実の連なりのような形をしていることか。


「Kyokyokyo」


ぱしゃっ、と。一角獣の背中に緑色の液体がブチまけられる。

それは孔雀の尾羽に実る果実を長い首と嘴で器用に咥えて投げつけたもの、一角獣の背で潰れたそれが中に溜め込まれていた液体で一角獣の毛皮を穢したのだ。

とはいえ一角獣とて生存競争をこれまで生き延びてきたモノ、水風船が爆ぜた程度の痛痒で揺らぐほど柔な生命力はしていない。


何事かと振り向いた一角獣が、バサリと開かれた孔雀の両翼……羽毛の一枚一枚が振動して金切り声にも似た音を出したことに気付いた瞬間、異変は起きた。


「……?、!!?、!!?!?!」


緑の液体が紙に染み込むかのような速さで一角獣の体内へと染み込む。


魔力の徴収……不足。


膂力の徴収……不足。


体力の徴収……不足。


足りない、足りない、だから身体で支払え(・・・・・・)

あまりに理不尽な自己破産に一角獣が絶叫を上げ、悶え苦しみ……しかしその声は誰にも気取られる事なく森の中に消えた。


しばらくして、「緑」の孔雀と……それに付き従う緑一色に堕ちた一角獣は新たな獲物を探して木々の先に消えた。




──────


場所は変わる、摂理も変わる。


──────



◆L-B◆


「Oi」


「Oii?」


地面を割って現れたそれらは、一言で言えば「サイクロプス」であった。

顔の大部分を占める一つの眼球で辺りを見回し、それらは自分以外に自分と同じ同族がいることを認識した。


「Oii」


「OiiiiIIIIIIIII!!!」


ならばやる事は一つしかないと、そう言わんばかりに筋骨隆々のサイクロプス達の拳がクロスカウンターの形で交差する。



しばらくして、勝者と敗者が決まった。


全身を粉砕された黒い一眼鬼の一体が地に伏せる。

勝ち残った一眼鬼はそれを凝視すると、倒れた同族の首元に顔を近づけ……


一切のためらいなく、その喉笛を食い千切った。


「OOOooooooo……!!!」


肉を貪る、肉を貪る、肉を貪る。

骨はない、身体のほぼ全てを筋繊維のみで構築した一眼鬼が他でもない同族に貪り食われていく。

悍ましい共食いが続けられる中で、捕食者たる一眼鬼の身体に変化が訪れる。


筋肉がより強固に肥大化し、メキバキと音を立てて腕が……その一眼鬼が必殺の一撃として多用した右腕がさらに凶悪さを増していく。


あまりに原始的な強さへの欲求、その果てに己の膂力で己自身を滅ぼす末路が待っているとしても……一眼鬼が止まる事はない。


「Oooiiiiiii……」


肉片の一つすら残さず同族を食い尽くし、筋肉的に一回り巨大化した一眼鬼はゆっくりと立ち上がると新たな同胞(エサ)を探して歩き出す。


「黒」の鬼は、勝利し続ける事でのみ己のレゾンデートルを満たすことができるのだから。






◆L-W◆


ぷにょん、ぷにょん、ぷにょん。


それは柔らかで、流動的で、そして貪欲であった。

木を飲み、土を食い、岩を溶かす。口はなく、目もなく、臓器すらも見当たらない。ゼリーのような流体をぷにょんと蠢かせながら、真っ白なスライムが増殖と捕食を繰り返し続けて動き続ける。


十秒経てば一は二に、一分経てば更に増える。放置すれば手がつけられない。

いつしか荒野に巨大な「穴」が出来た時には、数千……否、数万に及ぶスライムが大地を埋め尽くしていた。


ぷにょん、ぷにょん、ぷにょん。


スライム達から感情を読み取る事はできない、彼らは無機質に喰らい、増え、そして今自分達が作り出した穴へと大量のスライムが身を投げていく。


穴の底に叩きつけられたスライムが飛び散り、後続のスライムと融合していく。いつしか穴にへばりついたスライムが「壁」となり、「床」となり、積み上げられたスライムが「柱」となり、「階段」となり………最後の一匹がその身を歪めて「閂」となった頃には、荒野に巨大な純白の「塔」が完成していた。


彼らは覚えていた、かつてこの地に足を踏み入れた者達はこのようなものを作り上げていた、そして……自分達の手によるものではない「これ」を見ると、調べずにはいられないのだと。


だから自分は……口を開けて待っているだけでいいのだと。


「白」の流体達は来訪者を待ち続ける。






◆L-G◆


虫が飛んでいる。だがそれは珍しいわけでもない、樹海ならば虫の一匹や二匹探せばいくらでも見つかる。


それが例え人よりも巨大なサイズだったとしても……新大陸の性質的に多少珍しくはあるがあり得ないという程ではない。


ではそれが気味が悪いほどに緑一色であったなら?

ではそれが虫であることを差し引いても統制が取れすぎているなら?

ではそれが襲った敵を殺すことなく生け捕りのままどこかへ運ぶとしたら?


だがそれは、彼らを説明する上で重要なことではない。


「は、離せっ! くそっ、離せよっ!!」


哀れな犠牲者たる獣人族が蜂のようにも蜘蛛のようにも蠅のようにも、あるいはそのどれにも当てはまらないようにも見える奇妙な巨大羽虫にしがみつかれるように拘束されて運ばれていた。


そして彼は見た、大地に根ざし、あまりに肉肉しい大口を花弁で彩った異様な「花」を。

そしてそこへと無感情に投げ込まれ、噛み砕かれたモンスターが自分の末路を示していることに。


「や、やめっ」


花が持つ唇すら備えた巨大な口から舌が伸ばされ、獣人族の男に巻きついて引き摺り込む。

遺言も断末魔も上げる暇なく肉片以下の粉微塵に咀嚼されたそれを嚥下した花は、甘ったるい腐臭を帯びたげっぷ(・・・)をすると、それが合図であるかのように虫達が再び散り散りに広がって飛んでいく。


「緑」よ虫と花は嘆く、こんなものでは足りないのだと。もっともっと栄養が必要だ……。







???


「ジークヴルム……逝ったかよう」


見上げた先に空はなく、それでも何かに思いを馳せながら吐き出される吐息が一つ。


「そん時がぁ……近えのかもしれねぇなぁ……」


人よ、人よ。力を以て今を生きる者達に問いかけるもの……その一つに位置する最古の兎は手を触れるでも種火を入れるでもなく、口に咥えた煙管に火を灯す。


真っ暗な空間に小さな火が灯り、兎が見上げた先にあるそれ(・・)を本当に僅かにだが照らし出す。


「……「花」「風」「月」は活きの良いのがいる、「鳥」もイイのが見つかった……俺等(おいら)ぁにゃあ出来なかった、だがもしかしたらを信じたくなっちまうもんだぁなぁ」


それはあまりに巨大で、それはあまりに禍々しく、そしてそれは深く深く眠っていた。

人一人ならば簡単に圧し潰せてしまえそうな巨大な鎖によって雁字搦めにされたそれは、今は眠り微睡む白き神(・・・・・・・・)


「あと少しだぁ……待っててくれよなぁ、ご主人(・・・)


兎の姿と共に煙管の火が消える。眠れる神は、再び暗闇に封じられた……


だが、その目覚めはそう遠くはないのだと、不滅の兎だけが知っていた。




以上だ!!



狂える大群青「えっ」

貪る大赤依「あいるびーばっく」

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― 新着の感想 ―
月がサンラクなんだろうけどビジュアルが鳥すぎる
ちょっと待って、ウサギのご主人って、アリス?
何回か読んで考えた結果、圧恵む大富黒(「黒」の蛙)ってサンラクの封雷の撃鉄・災+神秘「愚者」のスリップダメージ2倍で対処できる気がする。
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