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シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜  作者: 硬梨菜
竜よ、龍よ! われらが駆けるは憧れの果て
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龍よ、龍よ。 其の五十

ジャスト五十ぅーーっ!! 予定通りです(満々のドヤ顔)


まぁブロッケントリードをユザパったお陰ですね、彼に何があったんでしょうねぇ

「「従剣劇(ソーヴァント)!!」」


二人の剣聖の声が重なる。


三重奏(トリオ)……【影絵三役シンクロニシト】!!」


七重奏(セプテット)……【七つの罪錘(セブン・シンカー)】!!」


二振りの指揮者による三と七の剣劇が奏でられ、重力の檻と、剣聖と連動する影絵の双斬撃がジークヴルムに叩き込まれる。


「おいやべーぞ! 見るからに爆ぜそうなんだが!!」


「間に合わ───」


『まだです!!』


諦めない。

ガラス瓶ごとポーションを噛み砕きながら、空を駆けて最後の突撃を敢行する黒い影。



残り五秒。


もはや取り返しのつかない程に膨れ上がった光の球体から放たれたレーザーが秋津茜を襲う。


「【ファーラ・プロテクション】!!」


何処からか飛んできた、聖輝士の守りがレーザーを屈折させるように受け止めて寸前で秋津茜を守った。


残り四秒。


「【アトラス・バインド】!!」


何処からか飛んできた、陰陽導師の呪縛が秋津茜を叩き落とさんと振りかぶった龍王の右腕を縛り封じた。


残り三秒。


「スカルアヅチを壊すことは……絶対に許さない!!」


何処からか背後に回り込んでいた、大棟梁渾身の打撃がジークヴルムの背骨を叩いて直立の姿勢にする。


二秒。


『防ぐ!!』


『穿つ!!』


防御障壁が張られ、左腕が振るわれる。

だが、もう止まらないはずの秋津茜は障壁の前でピタリと静止し、さらには龍王の左爪は命中したはずの秋津茜の身体をすり抜けた。


否、それは虚像……水鏡(ミカガミ)に映った幻。




残り一秒。


『致命……忍法(・・)!!』


叫ぶ。

僅かな一瞬、翼をはためかせ虚空に踏み込んでジークヴルムの認識のその先へと踏み込んだ正真正銘最後の一撃。


握りしめた兎花【桜】が光に包まれる。光は花びらの形となって散り、まるで旋風に巻き上げられたかのように、まるで箒星の尾のように、鮮やかな花を撒き散らしながらただ一点を穿つ。


『【満開咲閃(ハナヒラケ)】ーーーっ!!!』









残り、零秒。



◇◇


再びの沈黙。

ジークヴルムが生み出した覇滅の光は……膨張を止めた。

致命兎の神匠によって鍛えられた桜の短刀はジークヴルムの逆鱗へと深く突き立てられ、真っ二つに叩き割っていた。


ジークヴルムは息絶えたわけではない。だが、逆鱗を穿たれ最期の試練である「覇滅炉心(バスターピース)」を阻止された時点で……決着はついていた。


『───見事』


静かな一言に込められた万感の想い。所詮はゲーム、所詮はプログラム、だがそれでも秋津茜の身体はジークヴルムの言葉に背筋を震わせ、そこで糸が切れたようにその身体が下へと落ちていく。


『人よ、竜よ、よくぞ我を討ち倒した。貴様らの光輝、しかと目に焼き付けた……遍く広がりし一号の者よ、世界を拓く二号の者よ……お前たちならば、来たる始源の災禍にも抗えよう』


最後の一瞬、膨れ切った光を解き放つ引き金を引けなかったが故に、莫大なエネルギーの全てが血が巡るようにジークヴルムの核へ、中へと戻らんとする。

だが如何にジークヴルムとて、瀕死の状態で過剰なエネルギーを受け止め切ることはできない。


『思えば遠く、長く……ここが我が終点か』


身体の端から肉体を崩壊させつつあるジークヴルム、金色の灰となって消えゆく龍王の姿に誰もが声を出せず……


『あ、あのっ!』


『───む』


いた。一人だけ声をかける者がいた。

ボロボロの姿で立ち上がり、地に足つけて天を見上げ、滅びゆく黄金を見上げる漆黒の少女。


『あの……ええと………』


秋津茜は、何故声をかけてしまったのだろうとしどろもどろな声を出し……最終的に、いつも自分が好敵手へと贈る言葉を選ぶ。


『あの! ずっとずっとお一人で戦って………凄かったです! ありがとうございました! お疲れ様でした!!』


『────』




───よくやった。


最期の瞬間、ジークヴルムが何を想ったのか……それを知る術はない。

だが、ほんの一瞬……本当に僅かな一瞬、龍王ではない「ジークヴルム」の色を映した龍眼は瞬膜の瞬きを経て、再び龍王のそれへと戻る。


『聞け! もはやこの世界の時は再び動き出している!! かつての神代に施された封印は綻び、始源の胎動は鼓動へと変わりつつある!!』


翼は全て消え失せ、左腕も今消えた。


『戦わねばならない、かつて偉大なる神代の先人が敗北した始源の波濤に、貴様らは命の輝きを示さねばならぬ!!』


右脚が消え、地に伏せど龍王は堂々たる声を張り上げる。


()て、幾星霜の果てに生きる人よ、お前達はこのジークヴルムをも超えた……ならば、始源を恐るる道理なし!!』


もはや、身体の殆どが消えている。だがそれでも、最後に残った胸部と、首はこれだけは言わねばならぬと言葉を紡ぐ。


『───幸運を、人間(ヒト)の征く未来に勝利の栄光があらんことを』


そして消え逝く寸前、秋津茜にだけ……否、秋津茜「達」にだけ聞こえた小さなメッセージ。


『───その名を誇れよ、ノワルリンド(・・・)。それは偉大な男の名前……なの、だか……ら………』


『っ!』


青空に黄金の風が流れていく。果たして顔を歪めた少女の表情はどちらに由来するものか。

天の覇者たる龍王が消えた空は、透き通るほどに蒼く……何故か少しだけ悲しげに見えた。






『天覇のジークヴルムは永き敗残の戦いを終えた』

『天より火が消え、新たな灯火は人の中へ』

『決戦フェーズ終了』

『ユニークシナリオEX「来たれ英傑、我が宿命は幾星霜を越えて」をクリアしました』

『参加者全員が称号【龍狩り】を獲得しました』

『参加者全員が称号【竜狩り】を獲得しました』

『参加者全員が称号【天より高く金より(まばゆ)く】を獲得しました』

『ジークヴルムの角破壊者が称号【破天】を獲得しました』

『参加者全員がアイテム【黄金の龍灰】を獲得しました』

『ジークヴルムの角破壊者がアクセサリー【霊角の残影】を獲得しました』

『参加者全員がアイテム【赤竜の魔菌】を獲得しました』

『参加者全員がアイテム【白竜の魔菌】を獲得しました』

『参加者全員がアイテム【世界の真理書「天覇編」】を獲得しました』

『特定条件を満たさなかったプレイヤーの「呪い」が消失しました』

『特定条件を満たしたプレイヤーの「呪い」が変化しました』

『ワールドストーリー「シャングリラ・フロンティア」が進行しました』

『始源が動き出す』

『ワールドストーリーの進行により以下のレイドモンスターが実装されます』

『レイドモンスター「(にら)がる大赤翅(だいせきし)」が出現しました!』

『レイドモンスター「彷徨(さまよ)大疫青(だいえきせい)」が出現しました!』

『レイドモンスター「圧恵(おしめぐ)大富黒(だいふこく)」が出現しました!』

『レイドモンスター「(なぶ)縁大緑(えんたいりょく)」が出現しました!』

『レイドモンスター「嵩増(かさま)大黒繊(たいこくせん)」が出現しました!』

『レイドモンスター「(へだ)てる大白壁(だいはくへき)」が出現しました!』

『レイドモンスター「蟲喰(むしば)大緑宮(だいりょくきゅう)」が出現しました!』

『レイドモンスター「(むさぼ)大赤依(だいせきい)」の再出現カウントが開始されました』

あれれー?なんか色が欠けてるねー?

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― 新着の感想 ―
閣下の面影を感じる
青一色分、なんとかの大群「青」
総力戦、決着。感動した。この場にプレイヤーとして参加できないのが読者として悔しいよ!!
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