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シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜  作者: 硬梨菜
竜よ、龍よ! われらが駆けるは憧れの果て
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タスクフォース・アウトサイダー

もにもにアラサーという衝撃の事実に対し喜びに起因する動揺を隠せないので更新です

金剛晶取っちゃったから今5ポイントしかないの逆に笑えて来ますね(虚無の微笑み)

「いまのわたしは……そう、さいきょう……!!」


「ヘイヘイ! 残像に気ぃ取られすぎ!」


「動体視力に不足を確認、トレーニング期間終了は延期されます」


「ちょっ、こわいこわいこわい!!」


出会って五秒でオチてるあたり、やはりこいつのポテンシャル(戦闘力ではない)は侮れないな……

ウィンプを中心に黒雷を纏った俺とブースターを噴かしたサイナが二重構造式の周回運動して軽く泣かしつつ、俺はサミーちゃんさんに会釈しつつズバリ方針を口にする。


「蜘蛛と百足を狩る」


「じゃ、わたしねてるからがんばって……」


「残念だが同時並行でお前のレベリングは継続だ、レベル87とか端数で満足せず90の大台に行こうぜ?」


「いーやー!!!」


「しかし契約者(マスター)、フォルトレス・ガルガンチュラの生態を鑑みるにアーミレット・ガルガンチュラを利用した訓練法は破綻の可能性が大きいかと」


「何、課外授業ってやつさ」


フレーバーテキストを見るに、要塞蜘蛛はフェロモンか何かで子蜘蛛を操る。深海にも似たような奴がいたが今は関係ない。

つまりフォルトレス・ガルガンチュラが本気を出せばアーミレット・ガルガンチュラの悉くは死兵……というより消耗品と化し、敵に向かって特攻していくわけだ。


「いいか? 基本的に蜘蛛と百足のどちらかだけと戦うなんてのは不可能だ。どっちかが起きればもう片方も起動する、だが逆に言えば奴らの注意を最も集めるのもまた奴ら自身だ」


MvMの基本は相打ち誘発と横槍介入だ。MvMvPが成立するのはプレイヤー自身のステータスが化け物じみていない限りは不可能、列車砲と要塞相手にプレイヤーが対抗する手段はそうはあるまい。


「いいか、フォルトレス・ガルガンチュラの制御下に入ったアーミレットは母体が注意を向ける対象以外からの攻撃に鈍くなる。つまり殴り放題だ」


「な、なるほど? ふ、ふん! ずいぶんとかんたんそうじゃない!」


案の定イキり始めたウィンプを可哀想なものを見る目で見つめるサイナに「しーっ」と口を閉じるよう指示。


「……了解:」


ウィンプは気づいていない、これからお前が行くのは反撃こそ来ない代わりに範囲攻撃で流れ弾(・・・)が飛んでくる戦場だということを……


「サミーちゃんさん、いざって時はアレ咥えて避難お願いしゃっす」


こうして、俺のサミーちゃんさんに対する好感度は益々高まって行くのだった……


「あ、お前の出勤も確定な」


「ですわぁ!?」


そんなこんなで、ブリーフィングタイム。


「はい、これ一応念のため作ってもらったツァーベリル帝宝晶を使った諸々」


イムロンと勝手にマッチングさせたとはいえ、性能比べに燃えるビィラックに「作業増やすなや!」とド突かれたが、別に素材が重要なのであって性能はどうでもいいって言ったんだがなぁ。


NPC判定のある俺とエムルはアクセサリ、NPCではあるがアクセサリスロットが無いサイナは代わりに存在する拡張機能ユニットに「増設双駆動型ブースター」なるものを。

んで、NPCなのかモンスターMobなのかいまいち分からないウィンプや、普通にエネミーMobなサミーちゃんさんは仕方ないので……


「なにこれ」


「ツァーベリル帝宝晶の現ナマ」


「かくさ!!」


色々検証したところ、パーティに入ることができるのでこのユニークモンスター(疑)も判定的にはNPC判定なようだ。

だったら、と念のため作っておいたアクセサリを渡しておく。ツァーベリル……というか水晶群蠍系列と関連する鉱物は魔力の蓄積に共通している。

とはいえ流石はクリスタルエンペラー、ツァーベリル帝宝晶を使ったアイテムはどいつもこいつも一癖二癖ある性能だが、ガワが重要だし今回はそのピーキーさが活かされることはないだろう。


「作戦内容だが、今回はフォルトレス・ガルガンチュラを妨害してトレイノル・センチピードに勝たせる(・・・・)方針で行く。俺は奴に直接乗り込む、エムルはサイナに載って支援、サイナも同様、ウィンプお前は出来る限りアーミレットを撃破だ」


そしてサミーちゃんさんにはいざというための後詰めだ、あのステルス性能で隠れてもらいつつ、有事の際はウィンプを回収してもらってここに撤退してもらう。


「では作戦開始!!」














シャンフロは日本時間とほぼ同じ時間経過で天候が変化する。流石に全く同じ天候というわけではないが、雨まで降らすんだからつくづく化け物リアリティだ。

現実世界での現在の時刻は六時半。シグモニア前線渓谷は黄昏の朱色に染まり、静かなこの場にこれより種火を叩き込む。


「サイナ!!」


「了解:これより示威行動を開始します」


ブースターがあるとはいえ、流石に戦術機獣抜きでは高く跳ねるように飛ぶのが限界であるらしい。それでも十メートルほどの高さまで跳躍したサイナが両手に装備した二丁拳銃を地面へと向け……発砲。


「ウィンプ! 無理に倒そうとするな、堅実にスコアを稼いでいけ!!」


「いわれなくてもそうするわよーっ!!」


そりゃ何より、さて……あいにく法螺貝は持っていなくてな、銃声が開戦の合図ってことで勘弁してくれよな。


メキメキと地面に亀裂が走る、辺りを見渡せばポコポコとアーミレット・ガルガンチュラが地面から顔を出しているのが見えるが、小粒がいくつ動いたってこんな振動は……地の底を砕くような揺れは起こせまい。


地面に走る亀裂が臨界を迎え、地面を砕いて下から超重巨躯の甲殻が土を振り落としながら姿を見せる。

成る程、その姿はまさしく列車砲(グスタフ)の名に相応しい、鉄道規模の巨体と言えばギガリュウグ(アルクトゥス)ウノツカイ(・レガレクス)を思い出すが、縦に薄かった奴とは異なり、こっちは横幅も大したものだ。


ギヂギヂと甲殻同士を擦り合わせ、地の底から首を上げたトレイノル・センチピード・グスタフを見上げながら俺は新たに地を揺らすもう一つの位置を探す。


「あ゛ーっ゛! や゛ーっ゛! わらわらきてるぅー!!」


黙っ(ミュートし)てろヘタレ……そこかっ!!


「作戦開始! サイナ、エムル! くれぐれも巻き込まれるなよ!!」


「はいなっ!」


「了解:」


龍が出れば虎も立つというもの、同じく地面を割って巨大な蜘蛛が現れたのを確認した俺は、フェロモンでフォルトレスの制御下に置かれたのだろうアーミレットに混ざって巨大要塞の方へと駆ける。


「こ、こっちみない? ふ、ふふふ……もはやわたしのどくだんぴゃあーっ!?」


百足が動いた余波でウィンプが吹っ飛んでいった気がするがサミーちゃんさんが出動していないのでセーフなんだろう。

柱のようなフォルトレスの後脚を這い上っていくアーミレットを足場がわりに蹴り飛ばしながら上へ上へと駆け上る。臨界速を使ってもいいが、あれはむしろ離脱と奇襲に使う方が向いている。

人間大のサイズたるアーミレット・ガルガンチュラは相応の膂力を備えている。少なくとも人間一人が足蹴にしたりする程度で剥がれ落ちるほどヤワではない。


気づけば頂上、フォルトレス・ガルガンチュラの腹の天辺に到達した俺はアラドヴァル・リビルドを握り、手始めに近くの「砲塔」に潜り込もうとしていたアーミレットを斬りつけ、蹴り飛ばす。

炎閃に切り裂かれた子蜘蛛が転げていき、後続を巻き込んで派手にクラッシュする。


「弾薬のない大砲なんざ、ただの置物だよなぁ!?」


火力貢献はグスタフ君に任せればいい。俺達は言うなれば工作部隊、裏方に回って弾薬備蓄を削り尽くすのさ。


「注意:トレイノル・センチピード・グスタフの筋繊維質に膨張を確認、来ます」


「了解!!」


轟、と黄昏の空気を叩き割りながら巨大な百足が蜘蛛に巻き付く。互いの分厚い甲殻同士が硬さ比べに軋み叫ぶ、締め上げる百足に対抗するかのように蜘蛛は脚を踏ん張らせ、俺の攻撃が届かない「砲塔」から次々に子蜘蛛が発射される。


「【マジックエッジ】!!」


「射撃行動開始、撃墜します」


しかし同じく奴の腹の上から放たれた攻撃が弾丸たるアーミレットの何割かを撃墜し、数を減らした穴あきの弾幕がグスタフに命中し、衝撃を撒き散らして爆ぜる。

俺を比較にするのはちとアレだが、レベル100オーバーのプレイヤーを一撃で吹き飛ばす自爆攻撃だ、一体二体で有効打になるとは思えないがそれが数十にも及べば怯みくらいは誘発できる。

グスタフが仰け反ったことで拘束が緩む、その瞬間を見逃さずフォルトレス・ガルガンチュラの柱のような……全体図として見れば杭のような形状の脚がグスタフの身体を踏み付け、極大質量で甲殻を砕き穿つ。


「全員離脱!!」


「お人形の人! お人形の人!」


当機(ワタシ)の呼称は「サイナ」が適切であると原生生物:名称エムルに告げます。離脱機動」


「ほびゃああああ……!!」


サイナが宙返りで離脱したせいで酷いことになっているエムルを見送りつつ、俺もまた離脱のために脚に力を込める。


「ようグスタフ君、狙うならココがオススメだぜ?」


俺の勘違いだろうが、目が合った巨大百足へとアラドヴァルをヒラヒラ振ってアピール。

背中から生えたフォルトレスの「砲塔」が小さく見えるほどの「主砲」が蜘蛛へと突きつけられ、俺が臨界速(ブラディオン)で真上へと離脱した直後、グスタフの「主砲」から放たれた巨大毒砲弾が要塞蜘蛛の横っ腹にクリーンヒットする。


「ナイッショ!!!」


さぁ、一手一手確実に詰めていこう、要塞落としだ!




征服人形やヒューマンドラゴラはアクセサリスロットの代わりに別枠の装備スロットが存在します

征服人形の場合は追加パーツですね、素の状態だけではなく強化装甲を装備している時にも影響が出るので割と大事。無論このパーツの新規で作成するには古匠が関わって来ます……まぁそれ以外の方法がないわけでもないですが

ヒューマンドラゴラの場合は栄養剤を装備できます、任意もしくはランダムなタイミングで別枠バフをヒューマンドラゴラに付与できます。これは職業「農民」系列の最上位職業、もしくは隠し職業「薬剤士」系列が作成できるアイテムですね



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― 新着の感想 ―
【悲報】ディアレさん、コッソリ頑張ってレベル差縮めていたのに鳥の人に巻き込まれたエムルがまたレベル爆上げしそうな件
吹き飛ばされても反応しないサミーちゃんさんに笑う
ウィンプの雑魚キャラムーヴが可愛すぎてもうなんか言葉ないわ
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