フォードがEV事業抜本見直し、195億ドル評価損 米政策や需要減退受け

フォード195億ドル評価損、EV需要減退で不可避=アナリスト
 12月17日 フォード・モーターの電気自動車(EV)事業関連を中心とする195億ドルの評価損計上について、複数のアナリストは16日、需要減退といった変化に対応する上で不可避だったとの認識を示した。写真はフォードのロゴ。2025年3月、ミシガン州ディアボーンで撮影(2025年 ロイター/Rebecca Cook)
[15日 ロイター] - フォード・モーター(F.N), opens new tabは15日、主に電気自動車(EV)事業関連で195億ドルの評価損を計上するとともに、7車種のEV生産・開発を打ち切ると発表した。
トランプ政権がEV普及支援に消極的なことや、EV需要自体の弱まりが背景にある。フォードのガソリン車・EV部門を統括するアンドリュー・フリック氏は「収益性につながる道がなくなっている大型のEVに多額の資金をつぎ込むのではなく、よりリターンが高い分野に投入しようとしている」と説明した。
こうした方針の下で、電動ピックアップトラック「F-150」はいったん生産を中止し、走行距離を延ばせるレンジエクステンダー型電気自動車(EREV)に衣替えする。次世代電動トラックや計画された電動商用バンからも手を引く。
ジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)はロイターのインタビューで「ここ数カ月で市場が実に変化したことが決断のきっかけになった」と述べた。
フォードはガソリン車とハイブリッド車に軸足を移すとし、短期的にはケンタッキー州の電池工場で一定の人員削減を行うものの、最終的には数千人の従業員を雇用すると述べた。ハイブリッド車とEREV、純粋なEVが同社の全世界の車種構成に占める比率は現在の17%が2030年までに50%まで高まるという。
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評価損は今年第4・四半期から2027年にかけて分散して計上する。195億ドルのうち約85億ドルは計画していたEVの開発中止に伴うもので、約60億ドルは韓国SKオンとの電池合弁解消関連、50億ドルは「プログラム関連費用」とされている。
またフォードは今年の調整後税・利払い前利益見通しを従来の60億-65億ドルからおよそ70億ドルに引き上げた。
フォードの方向転換はバッテリー駆動車への需要減退に対する業界の対応を反映している。トランプ政権がEVに対する補助金を打ち切り、排出規制を緩和したことを受け、EVの需要見通しは今年大きく悪化した。
EV購入に対する7500ドルの税額控除が9月30日に失効したことを受け、11月の米EV販売台数は約40%減少した。また、トランプ政権は7月に可決された大規模減税・歳出法案に、自動車メーカーが燃費規制違反に対して支払う罰金の凍結を盛り込んだ。

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Nora Eckert

トムソン・ロイター

Nora Eckert reports on the automotive industry from Detroit. She covers Ford, GM, Stellantis and the United Auto Workers, with a focus on the industry's transition to EVs. She was previously a reporter for The Wall Street Journal in Detroit, where she broke news on major automakers and the UAW. She was earlier part of a WSJ investigations team that was recognized as a finalist for the 2021 Pulitzer Prize. Nora began her career as an investigative reporter with the Rochester Post Bulletin in Minnesota, where she focused on the state's organ transplant system and prisons.