テクノロジー

2021.11.10 07:30

臓器・児童ポルノの闇通販サイト。グーグル検索不能な「ダークウェブ」の行き先

Getty Images

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サイバー空間上に多く存在する「ダークウェブリンク」。その多くが、「グーグル検索」では見つけられない闇サイトだ。

サイバー兵器や銃、ドラッグ、盗難クレジットカード情報、児童ポルノ、偽造通貨、無許可医薬品を含む違法商品などの売買、仲介販売がされるというブラックマーケット、闇の通信販売サイトとして機能する。昨今では「臓器」「血液」の売買すらされているという情報もある。もちろんそんな闇サイトを、司法、警察が放っておくわけはない。闘いは激烈だ。


ユーザー認証8000万件以上を売買した「Slilpp」、摘発される


たとえば米国司法省が個人のオンライン認証情報やアカウントを売買する悪名高いダークウェブ(闇サイト)「Slilpp」を摘発したと発表したのは6月のことだ。

司法省のプレスリリースによると、Slilppの売買リストには8000万件以上のユーザー認証情報が登録されていた。そのユーザー情報は、サイバー攻撃の標的となった約1400社のサービスプロバイダーから集められたものだ。

ドイツ連邦刑事庁、オランダ国家ハイテク犯罪ユニット、ルーマニア組織犯罪・テロリズム調査局、および米司法省刑事局国際室の協力によって、FBIは「Slilppのインフラと大量のドメイン名を管理する一連のサーバーを突き止めた」という。

サーバーとドメインを差し押さえた後、当局はSlilppの運営に関わったとみられる12人以上を逮捕または告発した。FBIとドイツ、オランダ、ルーマニア各国の法執行機関による詳しい捜査が始まれば、さらに多くの逮捕者が出るはずだ。

被害額数兆ドル?


1400社のウェブサイトから8000万件超のユーザー名とパスワードが盗まれたのだから、被害の深刻さは容易に想像できる。しかし司法省によると、Slilppでの違法取引による被害の実態はまだ明らかになっていない。

Slilppが関与した不正行為による直接的な被害額はおよそ2億ドルとされる。あくまで米国拠点の取引に限定した数字だ。この推計は「限られた既存の被害報告に基づく」もので、1400社のプロバイダーが受けた損失のごく一部に過ぎないと司法省は述べている。

そのほかのサービスプロバイダーと個人両方の被害を考慮に入れ、全世界での損失を試算した場合、被害総額は優に数兆ドルを超えるだろう。

サイバー犯罪との果てなき闘い


Slilppはネット上に増え続ける違法なダークウェブマーケットのひとつにすぎない。とはいえ、今回の摘発は法執行機関にとって大きな勝利を意味する。

「司法省は個人情報を売買する地下経済を断じて許さない」と司法次官補代理のニコラス・L・マクエイドは言う。「われわれは引き続き世界各国の法執行機関と手を携え、いかなる闇市場も徹底的に壊滅させる構えだ」

翻訳・編集=大谷瑠璃子/S.K.Y.パブリッシング/石井節子

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2021.11.05 07:00

ジェフ・ベゾスとエリック・シュミットの元側近が語る「成功者のメンタル」

1兆ドル企業のリーダー,ジェフ・ベゾスとエリック・シュミット(Getty Images)

1兆ドル企業のリーダー,ジェフ・ベゾスとエリック・シュミット(Getty Images)

アマゾン共同創業者兼会長のジェフ・ベゾスとグーグル元会長兼CEOのエリック・シュミットにはいくつかの共通点がある──。

そう語るのは、なんと14年以上にわたりベゾス、そしてシュミット両者の側近として働いてきた人物、アン・ハイアットだ。

そのハイアットに、シリコンバレーで活躍する、「NFX.com」CEOジェームズ・クーリエ(James Currier)がインタビューした。以下、そのインタビュー記事を翻訳転載で紹介する。

「NFX.com」は、「投資ポートフォリオ」でなく、相互のビジネスに相乗効果をもたらす可能性のあるスタートアップを「組み合わせて」投資するという、ユニークな「ギルド」の発想を採用して成長する投資家集団。そしてクーリエは、4つの企業を興したシリアル起業家でもある。

【関連】ジェフ・ベゾスが最高経営陣で共に励み、後継者と目した「もうひとりのジェフ」


成功のタネは、「なぜ」ではなく「誰」にある


アマゾンとグーグルにおけるリーダーシップのフレームワークは、商品そのものやビジネスモデルとはほとんど関係がない。また、「なぜ成功しているのか」に注目するだけでは、両社のリーダーシップの取り組みを理解することはできない。

実は1兆ドル企業のリーダーシップが執拗なまでにこだわっているのは「誰」である。だが、それを理解している人はほとんどいない。

ジェフ・ベゾスもエリック・シュミットも、「誰に提供するのか、そのためには誰が必要か?」という問いをつねに念頭に置いて会社を運営しているのに、だ。

今回は、これまで14年以上にわたり主任補佐、共同経営役員としてベゾス、そしてシュミットのそばで働いてきたアン・ハイアットに、内部から見た両氏について、彼らにまつわるエピソードやリーダーシップ方針とメンタルモデルの分析、パターンを披露してもらう。

(以下のポッドキャストで、アン・ハイアットへのインタビューを視聴可能)

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Ann Hiatt on Trillion Dollar Leadership (An Inside Look at Jeff Bezos & Eric Schmidt)

具体的には、以下の点について掘り下げて話を聞いた。

・草創期にして、すでに並外れていた長期的ヴィジョン
・1兆ドル企業の経営チームにおいて、価値観の一致をもたらすフレームワークの3要素
・いかにして未来を創りだす人材を登用し、意欲を引き出すか
・ジェフ・ベゾスとエリック・シュミットの「直属の部下」として働いた経験から学んだ、リーダーシップのメンタルモデル

高校の卒業式のスピーチで「いずれ宇宙に行く」と言ったベゾス


ジェフ・ベゾスは信じられないほど先を見通す力を持っている。高校の卒業式で総代としてスピーチしたときには同級生に向かって「いずれ自分は宇宙に行く」と言ったという。「行きたい」ではなく「行く」と。こうと決めたら、必ず実現する。ベゾスはそういう人だ。
次ページ > 「ベゾスを殺してしまった!」

翻訳・編集=北綾子/S.K.Y.パブリッシング/石井節子

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2021.11.05 07:30

「QRコード」で変わる米外食業界。ウーバー超えの新業態も

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「QRコード」は自動車部品メーカー、デンソーによる日本発の技術だ(関連記事:日本発テクノロジー「QRコード」、コロナ禍の米国で再ブーム)。1994年にリリースされてから、欧米ではあまり普及しなかったこの技術が、ここにきて米国内で爆発的に使用されるようになっている。

理由は、コロナ禍で非接触型の支払いが好まれるようになったためである。とくに飲食の分野では、使い捨ての紙メニューにかけるコストを厭い、QRコードを使用したペーパーレスメニューに切り替えるレストランが増えたことも大きい。


駐車スペースで「外食版のウーバーイーツ」


米国の一般大衆紙「USAトゥデイ」によれば、店内での飲食が制限されたコロナ禍で、フードコートの「パール・ブリュワリー」は、店外の駐車スペースを「バーチャル・レストラン」として開放。ここにQRコードを用意したテーブルを並べ、メニュー閲覧、注文、そして会計までを一気通貫で行えるシステム「bbot.menu」を採用した。

店側が料理を運ぶのは、客のテーブルから少し離れた脇までで、言わば「外食版のウーバーイーツ」ともいえるシステムだが、なんといってもフードコート内の複数の店へのオーダーを1度で済ませることができ、料理もまとめて運んでもらえることが利点だ。もちろん客には好評で、パール・ブリュワリーはコロナ禍にもかかわらず新たに4つの店舗をオープンさせたという。

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「bbot.menu」のトップ画面。「料理と飲み物のご注文はここから テーブルのナンバーカードにあるコードを下のボックスに入力してください(または、お手元のQRコードをスキャン)」とある。

また、米国の飲食専門メディアである「ナショナル・レストラン・ニュース」によると、ナショナルチェーンレストランとゴーストキッチンを経営する「C3」が立ち上げたデリバリープラットフォーム「GO by Citizens」も人気だという。

GO by Citizens は、中食版の「bbot.menu」ともいえる。家やオフィスに居ながら、複数のレストランを横断した注文が1度で済むのだ。巨大フードチェーンであるC3の傘下には、実に200のゴーストフードホール(イートインスペースを持たないデリバリー専門の店舗)、店舗を持つレストラン、空港の飲食店などがあるので、注文の選択肢は実に幅広い。そういう意味でGO by Citizens は、ウーバーイーツの競合にもなり得るプラットフォームかもしれない。

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「GO by Citizens」の画面

「コロナ禍終息後もQRコードは使う」


飲食業界には、「コロナ禍が終息すれば、店外で受け取るコロナ仕様のテイクアウトや、テーブルでQRコードにスマートフォンをかざして注文するスタイルはいずれ廃れる」とみる向きも多い。

しかし、12以上の超人気リゾート施設と数百のレストランを運営するラスベガスの「MGM Resorts」の広報担当であるジャン・マイケルズは、「コロナ禍終息後もQRコードをメニューに使い続ける予定だ」とUSAトゥデイ紙に語っている。

米国においては、外食のみならず、コロナ禍で市場を驚異的に伸ばした「中食」の分野でも、「〜抜き」や「〜増量」といったカスタマイズやオプションが、オンライン注文で簡単にできるようになったという。

また、パンデミック前とは異なり、店内に入らなくてもテイクアウトできることは、やはり消費者にとってはアドバンテージだ。さらにピックアップの時間も指定できるから、できたての料理を受け取ることができるのも利点だ。

そんなメリットを享受し続けたい消費者を、中食分野でも外食分野でも、店側は無視できないかもしれない。


関連記事:日本発テクノロジー「QRコード」、コロナ禍の米国で再ブーム

文=石井節子

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