週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:型破りドリュウズ

「ふぅっ如何でしょう」

「……(ゴクリッ)」

「アオキ、喉を鳴らすのではなく声に出さないと」

「失礼、シンプルに美味しそうに見えてしまって」

 

最後に残ったアオキのイラスト、それはポケモンと共に食事をしているシーンだった。おにぎりを頬張っているアオキと共に食事をしているノココッチの姿がある。が何処かこの二人の食事をする姿が似通っている形になっている。ポケモンはトレーナーに似るというのは良くある話だ、それを食事という誰もがする行いで表現されている。

 

「宝食堂で御一緒した時に黙々と食べながらも美味しそうに食べる声が聞こえましたので、食事が根本的にお好きなのは察しました。なので四天王としての強さではなく、一トレーナーが相棒と共に食事をすると言った感じにしました」

「……私は文句ありません、これでお願いします」

「私も同意見です、これはこれで酷くアオキらしい」

 

オモダカもこれにはニッコリ高評価をせざるを得なかった。これで四天王全員のイラスト作成は終わった。漸く仕事が完全に仕上がった事になる。

 

「これでお約束通りに四天王のイラストは完成した事になります」

「はい、その通りですね―――では改めて貴方をスカウトさせていただけませんか」

「……私がこの仕事で心変わりした、とでも思いで?」

 

矢張りそう来たか、内心で毒づくがオモダカは何処吹く風のように自分のジト目を受け流す。

 

「少なくとも私達の人柄などは知って頂けたと思っています、そしてそれは私達も然りです。貴方のポケモンへの尊敬と愛情はとても素晴らしい物です、故にそれを私達に貸して頂きたいのです」

「私には余りにも過分な評価です、私はポケモンの事が好きな唯のイラストレーター。それで充分ですしそれ以上も望むつもりはありません」

「貴方の配信をポケモンリーグで活用させてほしいのです」

 

配信ならばナンジャモがいるじゃないか、とも思うが違う。ナンジャモも確かに稀有な存在だ、彼女の代役など存在しないし同じ立場にはなり得ない。

 

「貴方の配信で行うポケモンの紹介、紹介されたポケモンを使用するジムリーダー。トレーナー達の情報収集能力や対応力を見極める存在になって頂けませんか」

「……」

 

発想としては面白い、ジムリーダーはそれぞれトレーナーを試す立場。そしてその実力や素質を認めた物へジムバッチを進呈する。かと言っても自分はジムリーダーへの興味は薄い、配信者として視聴者が増える事はメリットには繋がりはするがナンジャモ程重視している訳でもないので今のままでも良いと思っている。

 

しかし、同時に少しだけやってみたいという思いも混ざっていた。興味を消せない、自分の配信を見たトレーナー達がどんな風に対抗して来るのか……

 

「考えさせて、頂いても」

「問題ありません。期限を設定するつもりもありませんのでごゆっくりお考えください」

 

最後に頭を下げてオモダカは去っていく、アオキもそれに続くが最後にボソッと言葉にした。

 

「良い絵を有難う御座いました」

 

残されたラビは少しだけ上を見上げながら深い深いため息を吐いた。

 

「参ったな……この後配信やるつもりだったんだけど……」

 

 

「今回ご紹介するのは此方、ドリュウズさんです」

「ドゥ~ウズ!!」

 

様々な思いはあれど配信をやめる気はない、週刊は守られてこそ意味があるのだ。

 

 

・今度はドリュウズか!!

・地面続きだ~!!

・鋼でもあるぞ~!!

・ロマンの塊だぁ~!!

 

「はいドリュウズさんです。地面と鋼タイプの複合で攻撃力が自慢のポケモンさんです。両手のツメと頭のツノを活かして地面を掘り進む事を得意としています。ドリュウズさんが掘った洞窟は自然に出来たものと見紛うほどな穴掘りの達人なのです、そのパワーも凄まじく岩盤どころか鉄板すらぶち抜く程でバトルでも工事現場でも大活躍しています。特にイッシュ地方だとドリュウズさんの力を借りて地下鉄が発達していると言っても過言ではありません。因みにパワーだけだと思われるかもしれませんが、地面を掘り進む速度は150キロを超えるとも言われています」

 

・そ、そんなスゲェのか

・地下鉄工事でも活躍するんならバトルでもそりゃできるか……。

・てか150!?マジでそんな速いの!?

・スピードもパワーもあるとかそんなの有かよ……?

 

「そんなドリュウズさんの特性は砂かきと砂の力、それぞれが砂嵐の時にスピードとパワーを上げる特性ですね。砂嵐天候パのスーパーエースとして活躍が期待出来るドリルキングさんです」

「ドリュ!!」

 

・ドヤ顔ドリュウズ可愛いww

・おおっ!?両手のドリルってそのまま回るのか!?

・すげぇマジでカッコいい!!

・男の子ってこういうポケモン好きよね~

・うん大好きさっ!!

 

「更にドリュウズさんは夢特性持ち、私のドリュウズさんもそうなんですが夢特性は型破りです」

 

・敢えてドリルを使わない、的な?

・それは最早強み全部捨ててるじゃねえか

・アイデンティティの放棄www

・型破りどころじゃねえwww

・ラップが得意とか?

・ドリュウズのドリーっていうんだ宜しくね!!みたいな?

・なんでだよwww

 

「型破りは攻撃する時に相手の特性を無効化する事が出来ます。一撃必殺技すら耐える頑丈を無視してつのドリルで完全粉砕、清めの塩を持っているキョジオーンさんを火傷にする、クリアボディのドラパルトさんの能力を下げると言った芸当が可能となります」

 

・えっマジでつよっ!?

・天候パーティのスーパーエースだけかと思った汎用パーティのエースまで行けるじゃん!?

・頑丈相手をつのドリルで突破とかすげぇなぁ……。

・あれ、もしかしてミミッキュの化けの皮も?

 

「はい。ミミッキュさんの化けの皮、これは一回限定の身代わりを最初から張っているのと同じような感じです。ですが型破りならばこれにダメージを無効化される事もなくミミッキュさん本体にダメージを届けることが出来ます。しかし、逆に言えば化けの皮を剥がす事は出来ていないのでドリュウズさんを下げた場合には化けの皮を剥がす所から始める必要があります。砂嵐のエースとして、型破りで安定したアタッカーとして、お好きなドリュウズさんをお選びください」

 

ドリュウズの紹介を終えた後、水を飲みながらラビはオモダカからの提案を考える。素直に面白いと思ったから、そう思えたならば既に自分は負けている気もする……如何するべきか……。

 

「ゆっくり、考えますか」

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