トランプ政権の「ひどすぎる国家安全保障戦略」で大ショック、いよいよ欧州は「アメリカ離れ」を決意しそうだ
アメリカのトランプ政権2期目の「国家安全保障戦略」(National Security Strategy=NSS)が公表された。これがいかにもトランプ政権らしく、ツッコミどころが満載なのである。 ■いったい、誰が安全保障戦略を書いているのか? まず、マスコミ報道によれば「12月5日」に公表されたということになっている。が、ホワイトハウスのHPで現物のPDFファイルに当たってみると、表紙には”November”(11月)と書いてある。どうやら文書は以前に完成していて、公表のタイミングが遅れたらしい。ひょっとすると11月27日からの感謝祭休暇で、ホワイトハウスが浮足立っていて、発表するのを忘れていたんじゃないだろうか。
というか、普通だったらこんな重要文書を発表する際は、ホワイトハウスが記者会見をしたり、各種シンクタンクが内容のブリーフィングを行ったりするもんじゃないのか。どうなってるんだ、これは。 NSSを作成するのは、ホワイトハウス内のNSCこと国家安全保障会議の仕事である。ところが現在はNSAこと国家安全保障担当補佐官が空席であり、それをマルコ・ルビオ国務長官が代行している。もちろんルビオ氏は、ウクライナ戦争や中東情勢、最近はベネズエラ問題などにも忙殺され、加えて公式儀礼も含めたアメリカ外交全般の諸事に追われているはず。だったら「第2期トランプ政権の安全保障戦略」を、いったい誰がどうやって書いていたのか。
中身を読んでみると、どうやらJ・D・ヴァンス副大統領やスティーブン・ミラー大統領次席補佐官の意見が色濃く反映されている。欧州に対する厳しい評価は前者から、大量移民、自由貿易、グローバル化の否定には後者の影響が見て取れる。つまり「トランプ第2期政権の世界観」を知るうえでは、この文書は非常に示唆に富む。その反面、どこまで本気でやるつもりなのかは計りかねるところがある。戦略文書としてはいささか問題ではあるまいか。