12歳児死亡、麻酔科医側が無罪主張 判決は来年5月 東京女子医大医療事故

東京地裁
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東京女子医大病院(東京都新宿区)で平成26年に当時2歳の男児が手術後に鎮静剤「プロポフォール」を投与され死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた麻酔科医の小谷透被告(66)と福田聡史被告(44)に対する公判が19日、東京地裁(細谷泰暢(やすのぶ)裁判長)であり、両被告側は改めて無罪を主張し、結審した。地裁は判決期日を来年5月29日に指定した。

弁護側は弁論で、男児の死因は特定できていないなどと主張。両被告は男児の命を守るために最善を尽くしたとして、医療行為の刑事責任を問うことに疑問を投げかけた。

検察側は18日の論告で、人工呼吸中の小児にプロポフォールを投与するのは「禁忌」だったなどとして小谷被告に禁錮1年6月、福田被告に禁錮1年を求刑していた。

起訴状などによると、小谷被告は当時、ICUの医療行為全般を統括し、プロポフォールの投与を指示。福田被告とともに注意義務を怠り、約70時間にわたって計約6953ミリグラムを投与し、急性循環不全で死亡させたとしている。

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