中国人訪日客の激減で白タクや闇民泊が危機。当事者が明かす危機と混乱「このままだと、すべて手放すしかない」
乱行パーティーまでシームレスに“ご案内”
そもそもこの裏ツアーとは、どのような仕組みだったのか。関係者のC氏(40代・延辺出身)は語る。 「場所は届け出なしで運営する高級マンションの一室を改装したラウンジ。ホステスは日本人か欧米系外国人のみで、基本料金は座るだけで30万円。シャンパンや指名料を加えれば、一晩で100万円は当たり前だった」 気に入った女性がいればマンションの別室で売春も可能で、素人で10万〜20万円、AV女優なら30万〜100万円。さらにカネを積めば、乱交パーティや薬物も提供されていたという。 数年前には、中国東北部のある省の党幹部が来日した際、13人の女性と覚醒剤、コカイン、MDMA、ケタミンを用意し、夕方5時から翌日深夜まで遊ばせて700万円を現金で受け取るという“景気のいい時期”もあったとか。
一晩で都内のマンションが溶けることも
バカラやポーカー、麻雀が楽しめる賭博場も用意され、客が勝てば仮想通貨や現金で支払い、負けた場合は“所有するマンション”を差し出させるケースもあったという。 「5000万円近く負けた富裕層に東京のマンションで払うと言われ、そのままいただいちゃったこともあるね(笑)」(C氏) こうした荒唐無稽な裏ツアーがなぜ成立したのだろうか。背景には、習近平政権が’12年に導入した「中央八項規定」による贅沢禁止と腐敗摘発がある。 中国本土で要人の遊び場が一掃され、欲望の逃げ場として日本が選ばれたのだ。そして「お遊びしたいなら、日本へ来ればよい」というキャンペーンが水面下で展開されたのだった。 しかしそんな景気の良さも今や激変。すっかりヒマになってしまったという。
「インチキ日本料理」で一旗揚げたが…
首都圏を中心に5店舗の和風居酒屋チェーンを展開するD氏(50代・上海出身)も、利益半減に直面している。 「コロナ禍で倒産寸前だったが、インバウンドが戻ると中国系団体客のおかげで急激に売り上げが伸びた。でもそれが最近、突然消えてしまった」 1994年に来日し、永住権も持つD氏は、昼の時間帯に在日中国人系の旅行会社と組んで、毎日20〜40人の中国人団体客に「インチキ日本料理」を提供して一人5000〜1万円を取っていた。 「超安い原価で作った天ぷらやたこ焼き」で高利益を上げ、東京都豊島区にローンで9000万円の中古マンションを購入し、車もプリウスからベンツに乗り換えたが、昨今の情勢によりピンチに。 昼間の売り上げ一日平均15万〜30万円が消失したためマンション月35万円、ベンツ月10万円のローンの支払いができなくなる見込みだ。 「このままだと、すべて手放すしかない。勘弁してほしいよ……」(D氏) 思わぬ形で「浄化」されつつある中国人闇ビジネス。しかし、水はせき止めても行き場を変えて流れ出す。新たな闇ビジネスを生み出すことになりかねず、注意深く見ていく必要があるだろう。 取材・文/根本直樹
日刊SPA!