エピローグ 龍王よ、黒竜よ。
それは万能に非ず、されど風を読む事に長けていた。
それは全知に非ず、されど敗北の記憶を忘れる事はない。
それは神に非ず、されど神の時代に生まれたそれは……未曾有の災禍がとある三人と一匹、一頭、その他多数によって討たれた事を感じ取っていた。
『はははははは! 「赤」! 「赤」! 「赤」! 邪悪なる「赤」よ! かつての日、我が愛すべき人々を貪り醜悪な姿へと変えた赤色よ! 人は、人はついぞ、貴様を僅かな力で打倒するに至ったぞ! ははは、ははははは!!』
外的な損傷はなく、ただ単に疲労を回復していただけではあるものの、それでも回復した体力を使い切らんばかりに喜びを全身で表現する黄金の龍王。
『分かる、理解るぞ……あの忌々しき犬と、盟友ヴァイスアッシュの気配……む? なぜあの蛇や蛸の……まぁよい、いいやむしろ好ましい。くくくく……英傑、おおそうだとも、我を超えるはやはり英傑であってこそだ』
黒竜ノワルリンドを半殺しにまで追い詰め、赤竜ドゥーレッドハウルのちょっかいを一蹴する……言葉にすれば容易いが、それら全てを片手間でなす事はこの世界において開拓者には絶対に実現できない超常の領域である。
故にこそ七つの最強種、故にこそユニークモンスター。その名は「天覇のジークヴルム」、黄金の龍王はその名に違わぬ天の君臨者として笑う、笑う。
『おお、やはりあの竜どもめを滅ぼさずして正解であった……まぁ、勝手に死んでいたのは予想外ではあったが、彼奴等を打倒せしめるのであれば、人はより高みへと至るであろう』
過去を悔い、現在に君臨し、未来に期待する天の覇王の望みはただ一つ。
───人よ、英傑よ、どうか我を乗り越えよ。我が幾星霜に打ち克ち、始源をも超えるべく。
だが、黄金は知らない。
深く、澱んだ敗北の中、予期せぬ邂逅が既になされていることを。
【旅狼】
鉛筆騎士王:はい、流星の如く消えていったサンラク君が最後に特大の爆弾を投下してくれやがったせいで我々はとっても面倒な事になってます
オイカッツォ:魚人族とか知らないんだよなぁ……
ルスト:知ってる
モルド:まぁ、アラバさんは僕らが挑戦した時にいたNPCだからね……
京極:新大陸行けないから蚊帳の外なの少し悲しい
鉛筆騎士王:新大陸調査船が一隻そっちに戻るからそれに乗ればいいじゃん
鉛筆騎士王:一ヶ月後くらいになるだろうけど
京極:まぁ僕は幕末のイベントに備えないといけないから……
オイカッツォ:風の噂で聞いたけどデスゲームもどきのイベントやるんだって? 相変わらず修羅の国してんね幕末
京極:控えめに言ってここが僕の魂の場所だよね
鉛筆騎士王:幕末汚染が最終段階に入ってやがるよこの子……
鉛筆騎士王:ぶっちゃけ京極ちゃんも割と戦力として数えてるからちゃんとシャンフロも遊んで欲しいなって
サンラク:おはようございます
京極:まぁやっぱりシャンフロは飛び抜けてクオリティが高いし、ちょくちょく顔は出すつもりだよ
オイカッツォ:もう午後なんだよなぁ……
ルスト:サンラク、ネフホロが2に備えたアプデをしたので是非来るべき
京極:幕末のイベを欠席するとかないよね? 銭鳴さんから聞いたけどイベントの時だけ顔を出す二刀流使いってどうせ君だよね?
サンラク:いやぁ、割とそれどころじゃなくなったというか
サンラク:ちょっと知り合いから幻のクソゲーを譲ってもらったので
オイカッツォ:あっ(察し)
鉛筆騎士王:ヘイヘイヘイヘイ、サンラク君ここに来て情報抱え落ちはないでしょ
鉛筆騎士王:君と同じ所属ってだけで私ら大変なんだぞぉ?
サンラク:こころがぽかぽかするね!
鉛筆騎士王:私もそっちの立場だったら同じこと言うだろうから余計腹立つなぁ!
オイカッツォ:何のクソゲー?
サンラク:風雲プレジ伝
オイカッツォ:マジかよ
京極:何それ
オイカッツォ:パッケージ版しか存在しない上に販売本数三千本の時点で社長が資金持ち逃げして製作会社が破産した幻のクソゲー
サンラク:ちなみにパッケージに傷ありの中古でもプレミアがつくレベル
鉛筆騎士王:ていうか真面目な話、レイドモンスターの情報くらいは出してくれない?
サンラク:貪る大赤依
サンラク:参加人数上限45人
サンラク:戦闘エリアは森人族の里、ただしそこ固定なのかは不明
サンラク:発生条件は分からない、分からないがある程度の人数がトリガー臭い
サンラク:俺たちの時は青竜エルドランザを素体にしていたが本体はバッタの群れ
サンラク:第一形態は単純な殴り合い、なおNPCやモンスターを取り込んで駒にする能力持ち
オイカッツォ:ちょっ待っ
サンラク:恐らく分体を全て倒しきると第二形態に移行、地面を自身の身体を広げた赤いフィールドで覆ってくる
オイカッツォ:こいつVRシステム使って思考入力してるな!? 普段は使わないくせに!
サンラク:フィールド内では本体の手足が複製されたり、サイズが巨大化したりする。エルドランザを素体としているからかは不明だがフィールド内を潜行して奇襲を仕掛ける攻撃パターンあり
サンラク:第二から第三形態への移行は確信はないが時間耐久の可能性は高い
サンラク:一定時間耐えると貪る大赤依は地下へと潜り「資源回帰」なる特殊行動を経て第三形態に移行する
サンラク:ミス、「始源解帰」
サンラク:第三形態ではフィールドを覆っていた赤領域を本体に取り込んで自身を強化する、俺達が戦った時は頭の数を増やして来た
サンラク:さらに戦っているフィールドの広範囲に水晶を射出、破壊すると中からモンスターが出てくる上にモンスターは本体に取り込まれるので放置は悪手
サンラク:つまり放っておくと第一形態をさらに極悪化させたような状態になる
モルド:凄い勢いで文字が流れていく……
サンラク:第三形態時は本体がより戦闘特化した姿になる他、背中に赤い竜巻を背負った状態となる
サンラク:そしてそこから取り込んだ血結晶モンスターの攻撃を放ってくる
サンラク:第一形態や第二形態では取り込んだモンスターのパーツをちぐはぐに組み合わせたキメラを出してくるが、第三形態では取り込んだモンスターのパーツだけを作り出したりするので瞬間的な対応が困難
オイカッツォ:地味にこいつの特技なんだよ高速思考入力
京極:通知音がピコンピコンうるさ過ぎて何事かと
サンラク:さらに正体不明のモンスターを生み出すことが可能で、ボス性能のモンスターを一撃で消し炭にする超火力攻撃を搭載している
サンラク:弱点としてはおそらく素体にしたモンスターの肉体的特性をそのまま引き継いでいるので弱点も同様であること
サンラク:それを踏まえて少し話は変わるが例の色竜は体内に弱点としてはコアを持ってると推測される
秋津茜:あの
サンラク:話を戻す、撃破後報酬として血溜まりのようなオブジェクトに手を突っ込むとアイテムを獲得できる
サンラク:何が出るかは自分で確かめろ
秋津茜:あのー
サンラク:結論から言えばユニークモンスターとは異なり真っ当に大人数での攻略を前提としているので余程の縛りプレイをしない限りは三十人は欲しいところ
サンラク:これで満足か? 満足かぁぁぁぁ?
鉛筆騎士王:誠意が足りない
サンラク:マジかよ俺は誠意を見る側の筈なんだが
秋津茜:あの! ご相談があるのですが!
サンラク:相談? なんの?
秋津茜:えーと、あの実はですね
鉛筆騎士王:んー、聞く限りでは挑戦間隔が空くほど厄介になりそうなタイプかなー?
鉛筆騎士王:あ、ごめんね秋津茜ちゃん。どうぞどうぞ
秋津茜:はい! その、実はシャンフロで仲良くなった方がいるんですけど……あ、NPCです!
秋津茜:それでその方の挑戦を手伝うことになったんです
オイカッツォ:ユニークシナリオ?
サンラク:秋津茜はユニークシナリオを見つけて凄いなぁ!
鉛筆騎士王:それに比べてどっかの誰かさんはぁ!?
オイカッツォ:ぶっとばすぞこのやろー
ルスト:脱線しながら走り続ける電車みたいな
秋津茜:でも私一人じゃどうすればいいかわからなくて、手伝ってもらえませんか!!
サンラク:あの風雲プレジ伝が……
鉛筆騎士王:っはぁー! サンラク君がそんな薄情な奴だったなんてなぁーっ!
オイカッツォ:同じクランメンバーを助けずにいるなんてなー!
サンラク:ええいわぁーったよ!
サンラク:それはそれとして専念は出来ないけど協力くらいするってーの
秋津茜:わぁ、ありがとうございます!!
秋津茜:よかったぁ……流石に私一人じゃジークヴルムさんには勝てないですから!!
サンラク:は?
オイカッツォ:うん?
鉛筆騎士王:おや?
ルスト:む
モルド:えっ
京極:なんて?
サイガ-0:その……今やっと追いついたのですが、一体なんの話を……というか、その、仲良くなったNPCというのは……
秋津茜:はい!!
秋津茜:「穢れし黒、黄金へ挑む」というユニークシナリオで……
秋津茜:黒竜ノワルリンドさんのお手伝いをするんです!!
サンラク:ふえぇ……
鉛筆騎士王:ふえぇ……
オイカッツォ:ふえぇ……
ようやっとこのクソ長い竜災編が半分書ききった……というわけで最近ずっと不定期のくせに今更何言ってんだ、という感じですが更新をしばらく休んで色々と次に備えたいと思います。
なにせリアルが普通に忙しいくせに頭の中では絶対、設定、設定……メタグロスになりたぁい!!
Q.前線拠点で繰り広げられたジークヴルム達の戦いはどういう結末だったの?
A.ジークヴルムさんが超絶舐めプしてノワルリンドを半殺し&見逃した。理由は「それなりに強いんだから人に倒させればいい経験になるんじゃね?」というリサイクル精神。
屈辱の逃走の果てに自身の住処に戻って「?人族」達に八つ当たりでもしようか、と考えていたところに「とりあえず死ぬまで走ってみよう!」と大陸横断マラソンをしていた秋津茜がエンカウント。というか地味に樹海を突破してるリアルLUC強者秋津茜。
嬲り殺す前に会話でもしてやるか、と考えたのがノワルリンドの運の尽き、作中最強の光属性に充てられてなんやかんやでユニークシナリオ発生に至った。
ちなみにジークヴルムサイドは「自分が登場する最高の舞台が整うまで大人しくしてようかな」と考えていたところにドゥーレッドハウルが登場。
ノワルリンドがそれなりに体力を削った今なら俺が倒せる! とイキっていたもののジークヴルムに余裕綽々でボコられたので逃走。ちなみにジークヴルムに挑むため、マナを吸いまくった弊害でむさたんが復活したので大体こいつのせい。
ジークヴルムさんはその後、やかましいビリビリ獅子をワンパンで追い出し出番が来るまで寝ようとしてた所にむさたん撃破を感じ取りフィーバーした模様。
え? 本編で書け? 主人公が関与しないから裏設定と言うのです