(暗い内容を含むので、読みたくない方はスルー願います。)

 

あっという間に師走ですね。

今年は11月でも11月らしくない陽気な日もあり、変な気候だなぁーキョロキョロ

なんて思っていたら、一気に冷え込みました。

現六年生は志望校も定まり、泣いても笑ってもあとひと息!

気持ちを奮い立たせていることでしょう。

 

こんな肌寒さを感じると、約一年前の魔の受験期を思い出します。

 

心が締め付けられるような気持ちになります。

元旦に広田神社で気恥ずかしそうにやったシュプレヒコール。

受験校では不安げな表情をみせながらのシュプレヒコール。

小さな背中で必死に緊張を飲み込もうとする息子くんを見送った花道。

どの子にも熱いエールを送った。

前受け校も含めると幾度となく囲んだ花道。

第一志望の学校での祈る気持ちで見上げた掲示板。

幕が外れた瞬間の周囲の歓喜の中で、1人受け止めきれないといった表情で振り返った息子くんの顔。

 

私がもっとも心が締め付けられる記憶がここ。

 

「よっしゃ!」と叫ぶお父さんの声、

「きゃー!うわー!あった、あったよぉー」と泣きながら誰かに電話するお母さんの声、

あの瞬間の中、私たち親子の間にあった何とも形容しがたい歪んだ空間が

一生忘れられない光景として深く心に刻まれたことは間違いない。

 

合格を見てうれしい気持ちは当然です。

興奮するのも無理はないけれど、、、理解できるけれど、、、

 

けど、その影でとても孤独な気持になったのは間違いない。

 

光庭とよばれるそこでは、中央では歓喜に満ちた家族や塾の先生たち、取材班、みんなで記念撮影。

ほんとうに眩しかった。潔く、心からおめでとうと思った。間違いなく人一倍に頑張った証だもん。

 

…だけど、番号の無かった私たちも人一倍頑張ったはずなんだよ。

 

冷静に周りを見渡すと、小さくなって端にたたずむ親子。不合格の点数表をもらいに静かに並ぶ親子。

そこにいた、半分の敗者と勝者が入り交じるあの空間はまさに光と影。

私たち親子にとって何物にも代えがたい人生勉強になったことは間違いない。

 

そそくさと点数表を受け取り、近くの公園へ逃げるように駆け込んだ。

一日目は良くできていた。二日目があと少し足りない点数。

合計点からは、あともう一歩のところだった。

 

公園で柵に足を乗せては飛び降りたり、ブランコで立ちこぐ息子くんの姿はカラ元気だった。

「洛南と第二志望校の滑り止めがあるから…きっと大丈夫」

まるで自分に言い聞かせるようにつぶやく息子くん。

 

急いで塾に電話した洛南専願切り替え。

しかし、塾側も混乱しており、灘落ちが例年以上に専願切り替えに駆け込んできているから

甲陽の子にチャンスがあるかというと厳しいと。。。

 

そもそも洛南はチャレンジに近かったことを私も理解していた。

ここの学校とは、あまり問題の相性が良くなかった。

だからチャンスは無いだろう。

第二志望校はかなり激戦になりそうだった。

いざ蓋を開けてみると前年以上の相当な人気で滑り止めにならない学校だと感じた。

こちらで滑り止まってほしかったが、今年は危うさを感じていた。

 

塾の指示で受験校は選定していくのだが、信用していいものか不安になっていた。

万が一に備え、かなり安全圏の学校に受けに行く必要があると考えた。

 

それなのに翌日は六甲Bか神戸大学附属しかなかった。

四日目の日程まで持ち込むのは最悪の事態とは分かっていた。

 

六甲Bは灘落ちが多いとなるとうちのような立ち位置の子には望みが薄くなる。

念のためどちらにも願書は出していた。出しているからには受け続けるしかない。

だけど、どちらを受けるにも賭けでしかなかった。

問題傾向から考えたら六甲を受ける方が良いと恩師の指示を受ける。

 

満身創痍の息子くんは

「どちらも受けたくない、洛南と第二志望校がダメなら公立に行く」

と言ったのだけどチャンスがあるのならと説得して翌日六甲Bに行った。

しかし、受験開始後に出た一件の合格発表で滑り止めでもあった第二志望校の不合格を知る。

まさかとは思ったけど、やっぱりという気持ちもあった。

 

同時に周囲では涙を抑えながら飛び出す数名のお母さんがいた。

「あ、あの人も同じだ。」と思った。なぜなら甲陽でも第二志望校でも見かけた方々だったから。

 

やるせなくてその場を出て、もう一つの待機場所である食堂に向かった。

そこで向かいに座ったご夫婦が沈んだ顔で今後の相談をしていた。

他の座席に移動すると、またその向かいに座る男性が涙を堪えながらうつむき腕組みして座っている。

周囲ではすでに合格をいくつか持っていると思われるお母さん達の輪が何組か出来ており、ワイワイ談笑していた。

この方たちは灘や甲陽に受かっているけど、願書を出しているから受けに来たという人たちでしょう。

 

同じ場所で過ごしながら光と影が交錯する。

一つ合格を持っているというのは心強い。本当にうらやましい。

 

この時、まだ洛南の結果が出ていなかったが、無理だろうと覚悟を持っていた。

 

こうなったらあの学校しかない…

 

息子くんに何の相談もなく私が心に留めていた一校へ受験申込をオンラインで行った。

この日の午後がこの学校の最終受験日程だった。

午前中がWEB出願の締め切り。

その学校まで今日この後行けるのだろうか?

間に合う。迷いはなかった。

息子くんには後で説得すればいい。

 

そんな空気の中、一時間目の国語が「良くできた」と笑顔で戻ってきた息子くんに第二志望校がどうだったかと詰め寄られてしまい結果を隠し通すことができなかった。

 

ショックを顔に出さずに二時間目算数に向かったが、やはりパニックを起こしたのか算数が思うように力をだせなかった。

後から分かったことだけど発達障がいがある息子くん、きっと気持ちの切り替えができなかったと思う。

そんな息子くんのことを、「切り替えて頑張れ」と送り出した私は、彼のことを何も分かっていなかったんです。私の不徳の致すところなんです。

 

だけど一言…六甲中学さん、試験の合間に保護者席に子供を戻さないでください。

 

六甲の帰り道、もう受験はしたくないとつぶやく息子くんをとりあえず家に帰らせ昼食を食べ、

もう一度、滑り止めにと心に留めていた学校を提案する。

疲れていたのは分かっていた。傍で見ている私も耐えられなかった。

何度も拒否されたが、それでも★を一つでも取ろうよ、受かっても行かなくていいからと半ば無理やりに車へ乗せて連れて行った。

一日で西や東へ大移動。疲労困憊ですが無我夢中です。休んでられません。

公立に進学しようとどうしようと負けた気持ちのままで終わらせたくなかった。

 

「試験は本気でやらない。受かっても行く気ないから。」という息子くんをなだめながらコンビニで願書を印刷し、写真を張り付けて学校に行った。

 

もうすぐ夜を迎える凍てつく群青色の空の下、足早に到着したそこは、まばらにしか受験生はおらず、在校生も休みではないようだ。

「あ、受験生だ」とささやく声をよそに受付へ。

今まで行ったどこの学校よりも寂しい会場だった。

表ではN学園の生徒と思わしき数名が薄暗い寒空の中で寂しいシュプレヒコールをしていた。

受験棟へ息子くんを押し込み、待機場所に行くと、そこは今までのどこよりも重苦しい空気が漂った場所だった。まるでお通夜。

泣きながら外に出る親もいた。皆うつむき加減で、誰も話していない。

たまらず外に出ると、

「こんなことになるなんて!」と、大泣きしながら誰かに電話をする人もいる。

涙に暮れる気持ちは痛いほど分かった。

寒さと夜が相まって、悲しみが一層深まる。私も陰で人知れず涙を流し夫に電話した。

心を落ちつけて息子くんが戻ってきたら「お疲れ様、良く頑張ったね」と笑顔で迎えてあげたかった。

 

都落ちのような感覚でした。どんどん志望校から離れていく。

子どもたちはまるで落ち武者です。

たった四日です。こんな風に景色が変わるとは思ってもみませんでした。

四日目の午後ともなると激励の先生も来てくれません。

浜のどこの校舎か分からない事務員の方が四名雑談しながら立っている。

一体だれ?といった感じです。

こちらから声をかけないと塾生だとも分からない様子。本当に適当です。

誰も助けてはくれない。頼りにしていた塾でさえ何の役にも立ちません。

塾から電話が来ても、露骨に出さないまでもどこに合格したかしか興味はなさそうです。

ここから受けられる学校でどこがいいだろうかと相談しようにも最難関群以外のどこの学校にも興味も情報もないのか生ぬるい回答しか来ません。

私が息子を守ってやらねば。そう思っていました。

 

このとき、息子くんは泣きながら受験をしてたそうです。

それを見た試験監督がティッシュをくれたそうです。

 

 

私たち親子は椅子取りゲームが苦手です。

なんとなくこうなるんじゃないかって思っていた。

 

だから、密かに考えていた万が一の万が一に備えての四日目の午後入試。

 

周囲からはよくその日その学校を受けようと思いついた(頭にあった)ねと言われます。

そのくらいその学校でもその受験日は埋もれた日程でした。

確かこの年初めて追加された日程だったように思う。

あまり認知されていなかったのか、本当に受験者は少なかった。

 

息子くんは「簡単だった。受かっても行かないけど。」と言っていた試験。

それでもここまで来るとこの学校の合格発表をWEBで見るのがもう怖くなっていた。

ここを落としたら後期日程の学校ではほとんど望みはないから。

 

合格発表の17時。

 

画面越しに受験番号を確認したとき、とにかく無我夢中で車に飛び乗った。

夜七時までに受け取らなければ無効になる合格通知を受け取るために一時間飛ばして向かった。

息子くんはこの学校に行くのだろうか?実感が無かった。

見学も説明会も行ったことのない学校だった。

息子くんが行かないし行きたくないというのも無理はない。

だけど、入学すると決意するまでにはまだ数日の猶予がある。

このまま無効にすることもないだろう。

 

校舎の外に張り出された番号を再確認。

「あー。。。間違いない、合格している。」

 

それが五日目の夜だった。

しっかり食べていたはずなのに2kg痩せた。

 

本当に苦しかった。

 

あれから11カ月。

 

合格を頂いた一校への気持ちを大切に大切にして、

今は毎日楽しく学校に通っています。

あの日が信じられなくらいに学校が好きです。いや、学校の仲間が好きなのかな?

みんな同じ痛みを味わった子ばかりです。

痛みを分かち合える。みんな優しい。仲良し。

一緒に勉強を教えあい、認め合い、楽しんでいる姿を見ると、

ご縁を下さったこの学校に心から感謝する気持ちしかありません。

当初ほとんど志望外の学校であったこと、本当にごめんなさい。

ですが、何かに吸い寄せられるかのように踏み入れたこの学校。

本当に運命としか言いようがなく、息子くんには結構ぴったりだったんじゃないかなぁと今では思うのです。

 

塾で洗脳させられ、プライドばかりが高くなっていたあの頃。

本当に良い学校はどこなのか?分かったつもりで何も分かっていませんでした。

偏差値の高さ=学校の品質や価値

という考えたかたがいつの間にか染みついていたのかもしれません。

 

偏差値の数値に関わらず、ほんとに良い学校は沢山あります。

偏差値が低いと質も内容もすべてが落ちる錯覚がありますが、そんなことはありません。

 

偏差値の数値とは

学校の営業力の高さ=人気の高さ=塾の看板校=偏差値

この辺りが行き来して影響しているのかなぁと思います。

 

確かに上位校ほど生徒さんの粒がそろっていると思います。

けど、偏差値の差ほど生徒の質に大きな差はありません。

 

学校選びは相性と校風も大切。校風が生徒を育てます。

 

受験を終えてから振り返り、改めていろんな学校を冷静に見直すと

良い学校が他にも沢山見えてきました。

冠校や塾の評価、偏差値などで私たち親子の眼が曇っていたのは明らか。

上位校の学校ばかりの中から探そうとしすぎていました。

本当に情けないです。けどそこに気がつけたのは収穫です。

 

我が家のような経験は、浜学園の同志にも多くおられました。

一部の突出した連戦連勝をするお子さんを除き、最難関クラスにはこういう子が多くいることを知りました。

最難関ボーダーにいる多くのお子さんはあちこちと名のある学校へ受け続けるか、脱落していくか。

 

最難関クラスの資格を持つことが不幸の始まりなのか、そこに居ながらも倍率通りに落ちる子たちが居ます。

この子達が、ついつい少しでも偏差値の高い学校を狙いたくなり、迷走しがちなのです。

偏差値が高い学校となると選択肢は少ない。

 

甲陽なら約半数。

塾の合格実績に現実あれだけの人数は居ません。

120名ほど出陣し、恐らく60~良くて70名行かない位は確実に甲陽コースに居たと思われますが、残りは…

灘も同様です。やはり出陣した人数に倍率通りの結果かと思われます。

(事実、今年も浜学園は元塾生や他塾在籍のイベント参加生に電話をかけまくり人数を確保していました。)

そこから弾き出された子ども達の行き先は本当に大変です。

成績上位から順番に最難関グループ校の椅子取りゲームでしょう。

 

早い段階でかなり落とした受験校も一つ取るのも良いことだと思いました。

あれだけ頑張ってきたのに、一つくらいどこかの学校に認めてもらいたいですもの

 

色々と経験し、地獄をみた中学受験でしたが、我が家にはとても大きな糧となりました。

これが我が家の不合格と合格体験記です。

 

 

以下後輩に向けた余談

 

おすすめは初日にかなり確実の押さえ校を受けておく、もしくはチャレンジ校は後期に。

本命校の初日午後に安全校を受験しておくのもベストです。

疲れるとかそんなことよりも受けちゃってください。

我が家のように連敗になっての疲労と比較になりませんから。

初日の本命校が危ういけどチャレンジしたい場合は、初日をランクを下げた第一志望にし、後期に受けれるチャレンジ校をやってみるのも良いです。

塾に言われて初日の午後入試も受けず、特攻のような初日のチャレンジはおすすめできません。

万が一のコンディションに備えW出願(同じ日程同じ時間の二校に)もありです。

 

1日目、2日目ならどこも受かりやすいのに、チャレンジにのみ時間を割くのは得策とは思えません。

午後入試で押さえておくか、後期にチャレンジするかが良いと思えます。

今だからそう言えます。

周囲では上手にそのようにやり切った方もおられました。

 

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