《高市首相が推進も認知度は低いまま》博多駅ホームでペロブスカイト太陽電池による実証実験が開始 なぜ博多駅が選ばれたのか?
JR九州が実証実験を始めたペロブスカイト太陽電池による発電は、既存の環境への負荷が少ないとされる。なぜなら、太陽光発電の主流になっているシリコン製パネルとは大きさ・厚さ・重量が大きく異なるからだ。 材料となるペロブスカイトは、厚さ1ミリメートル未満の薄くて軽いフィルム状のシートで、それが太陽光を電気に変換する。また、ペロブスカイトは柔らかいという素材の特性もあり、曲げて使うこともできる。 そうした施工性に優れているので、これまで物理的に設置できなかった駅ホームの屋根や壁、車両の窓・ドアなどにも貼り付けることが可能になった。 くわえて、従来のシリコン製のパネルは発電に約10万ルクスという高照度の光が必要だった。そのため、効率的に発電ができるのは日照時間の長い夏期、しかも晴天時に限られていた。曇天だと発電効率が落ち、日照時間が短い冬季の発電量も少なくなるという課題を抱えていた。 一方、ペロブスカイト太陽電池を使用すれば200ルクスほどの低照度でも発電が可能なため、曇天時や朝夕の薄暗い時間帯でも電気を生み出すことができる。冬季でも安定した発電量が見込める。これまでの太陽光発電が抱えていた発電効率をクリアしたことで、次の再生可能エネルギーとして注目が集まっている。 経済産業省は2024年からペロブスカイト太陽電池による発電の開発・普及の旗を振り、石破内閣はこのシート形太陽電池による発電を推進した。2025年10月に発足した高市早苗内閣でも、エネルギー安全保障の観点から引き続き推進するスタンスを取る。 メガソーラーで使用されている発電用パネルの多くは中国製だが、ペロブスカイト太陽電池は積水化学・東芝・パナソニック・コニカミノルタといった日本メーカーが技術開発で世界をリードしている。エネルギー安全保障という観点からも、国産メーカーの技術を使えることは大きなメリットと考えられている。 さらに、ペロブスカイトの原料となるヨウ素は、日本が世界2位の生産国となっている。原料供給の面でも心配がない。こうした複合的な要因から、政府は普及・開発を急がせている。