【完全勝訴】株式会社Intermezzoおよび「もんぐち社長」こと門口拓也との民事訴訟の判決に関するご報告
※この記事は全文無料です。
このたび、私が被告として争っていた、株式会社Intermezzoおよび「もんぐち社長」こと門口拓也(@monguchitakuya)から提起された損害賠償請求事件において、第一審、第二審ともに勝訴の判決が言い渡されたことをご報告いたします。
事件の概要
本件は、私のX(旧Twitter)アカウント『ちょめ子(@chome2xx)』が、2023年9月15日にXに投稿された門口拓也の「SNSで4ヶ月で採用面談100名、採用40名って結構すごくない?」というコメントを引用し、「何を採用したのか知りませんが、オタクの会社の従業員2名ですよね?」と日本年金機構のWebサイトの照会画面を添付してコメントした投稿が、原告会社である株式会社Intermezzoおよび、その代表取締役社長の門口拓也の社会的評価を低下させたとして、損害賠償金490万6,110円を請求された民事事件となります。
https://x.com/monguchitakuya/status/1702413163810136443
何を採用したのか知りませんが、オタクの会社の従業員2名ですよね? https://t.co/HeKhVf3X4V pic.twitter.com/9rca8H1fvu
— ちょめ子 (@chome2xx) September 15, 2023
この投稿が2023年9月時点で510万回以上閲覧され、4,672件のリポストを記録し、多くのユーザーの関心を集めました。
訴訟までの経緯
当該投稿は、株式会社Intermezzoに対する名誉権侵害、および門口拓也に対する名誉感情侵害にあたるとして、令和5年(発チ)第2193号として東京地方裁判所に申立てされ、発信者情報開示請求が一度却下されたものの、不服申立ての結果、令和6年(ワ)第1446号として開示命令の判決が下され、同年11月に民事訴訟に至りました。
本件記事の流通によって、申立人の名誉権が侵害されたことが明らかであるとは認められない。よって、その余の点について判断するまでもなく本件申立ては理由がないから、これを却下することとし、主文のとおり決定する。
原告は、プロバイダ責任法5条1項に基づき、被告に対して、本件発信者情報の開示請求権を有するというべきものである。したがって、原告の発信者情報開示命令の申立てに理由がないとした原決定は相当でなく、原告の請求は理由があるから、原決定を取り消すこととして、主文のとおり判決する。
争点:社会的評価を低下させたか
名誉権侵害の成立要件として(1)公然と(2)事実を摘示して(3)社会的評価を低下させる、とあります。(1)公然性については、X(旧Twitter)上で不特定多数に拡散されたため、争いの余地はありません。したがって、本件ではまず(2)事実の摘示と(3)社会的評価の低下が主な争点となりました。
門口の主張
訴状にて門口側は、私の投稿が「門口拓也が虚偽のポスト(採用実績を偽る詐欺的行為)をした」と摘示するものであり、原告会社である株式会社Intermezzoの名誉権侵害、および門口拓也の名誉感情を侵害すると主張しました。
本件ポストは、「原告会社が、その従業員が実際には2名であるのに40名採用したかのような虚偽のポスト(採用実績を偽る詐欺的行為)をした」との事実を摘示するものであり、原告会社について、採用実績を偽る詐欺的行為をする違法・不当な企業であるとの印象を与えるから、原告会社の社会的評価を低下させる。
本件ポストは、原告会社に向けられたものであると同時に、実質的には原告門口に向けられたものであるから、本件ポストにより、原告会社のみならず、原告門口の社会的評価も低下する。
そして、私の投稿に対して、一般のユーザー(第三者)がリプライや引用リポストで反応し、門口拓也に対して批判的な内容を含む多数の投稿を行ったとして、それらのスクリーンショットを証拠として提出してきました。
本件ポストが投稿された後は、本件ポストに対する返信には多数のリプライ(甲8~24、(別紙1))や引用ポスト(甲25~65、(別紙2))が投稿された。なお、(別紙1)は、本件ポストを閲覧した者による読み方を示したものであり、(別紙2)は、本件ポストを引用して投稿された、原告会社および原告門口に対する名誉毀損ないし侮辱的なポストの存在及びその内容を示した者である。
このように、本件ポストにより原告会社に生じた被害は二次的・三次的に拡大し、原告門口ポストは「炎上」した。
門口の主張は要するに、
「ちょめ子(chome2xx)の投稿は閲覧者に対して、株式会社Intermezzoは違法・不当な企業であり、門口拓也が詐欺的行為をする社長であるとの印象を与えた。その結果、一般ユーザーによる門口拓也および株式会社Internezzoへの批判的なリプライや引用リポストが多数生じた。よって、ちょめ子の投稿は門口らの社会的評価を低下させた」
というものです。
門口側は、門口拓也に対する慰謝料として50万円、株式会社Intermezzoが被った損害の賠償として440万6,110円、合計490万6,110円の支払いを請求してきました。(2023年9月15日から支払済みに至るまで、年3%の割合による遅延損害金含む)
原告会社は、被告に対し、440万6110円及びこれに対する令和5年9月15日から支払い済みまで年3%の割合による遅延損害金の支払、原告門口は、被告に対し、50万円及びこれに対する令和5年9月15日から支払い済みまで年3%の割合による遅延損害金の支払の支払を求める。
なお、この請求額のうち、発信者情報開示に要した費用として96万100円が含まれています。
私の主張
私は、「嘘をついた」や「詐欺的な会社」といった表現を一切使用しておらず、そのような意図も全くありませんでした。前後の投稿においても、同様の表現は用いておりません。
私の投稿は、日本年金機構の公的な情報をもとに、門口拓也が投稿した採用実績と、原告会社である株式会社Intermezzoの従業員数との整合性について確認する趣旨で行った、あくまで事実確認のための質問にすぎません。
社会的評価を貶める意図は一切なく、またそのような結果を招くような内容であったとも考えておりません。
SNSマーケティング事業を運営する会社の事業に関する投稿内容に誤解を招く表現があれば、疑問を抱くのは当然であり、発信者に質問することも自然な行為です。
したがって、私の投稿に名誉毀損性があるとは到底認めることは出来ず、違法性は存在しないという立場を一貫して主張しました。
加えて、私が投稿したものではない、他のユーザーによる批判的なリプライや引用ポストの内容についてまで、その責任を私に負わせようとする原告側の主張には、憤りを覚えざるを得ません。
誤解を招いた責任は門口にあるにもかかわらず、私の投稿の違法性が裁判所で争われている状況それ自体が不合理としか言いようがありません。
このような訴訟の提起は、SNS上の健全な双方向的情報交流を過度に制約し、憲法21条の保証する表現の自由を著しく害する不当なものであり、到底容認できないと主張しました。
本件ポストが「原告会社が採用実績等を偽る詐欺的行為を行った」とまで摘示したと解釈することはできず、何ら表現内容上の根拠なく本来原告側が負うべきリスクを被告に移転させることは、SNS上の健全な双方向的情報交流を過度に制約し、憲法21条の保証する表現の自由を著しく害する。
当然ながら「和解」という選択肢は一切ありませんでした。
争点:摘示事実
事実の摘示は名誉毀損の成立において重要な要件です。ここでいう「事実」とは、その内容の真実性(虚偽か真実か)に関わらず、人の社会的評価を低下させる具体的な事柄を指します。真実性の有無は、名誉毀損が成立した後の違法性阻却事由(免責の可否)の判断において考慮されます。
「摘示事実」とは、真実かどうかに関係なく、ある具体的な出来事を述べることであり、名誉毀損などの判断において重要な要素となります。
双方が主張する摘示事実を整理すると、
門口:虚偽のポスト(採用実績を偽る詐欺的行為)をしたと摘示した
私 :摘示事実は「株式会社Intermezzoの従業員は2名」であり、「なにを採用したのか知りませんが」という表現は意見論評の範囲である
前述のとおり、本件投稿は単なる事実確認のための質問であり、門口が嘘をついたなどと言ったつもりは全くありませんでした。
裁判官の判断
ところが、裁判官は双方の主張を踏まえた上で、私の投稿が「門口拓也が嘘をついた」と受け取れる内容であると判断しました。
つまり、私の投稿によって門口らの社会的評価を低下させたことを意味し、摘示事実において門口側の主張が認められたことになります。
これは予想外の展開であり、裁判は私にとって不利な状況となってしまいました。
とはいえ、まだ私の投稿が違法であると決まったわけではありません。
このような判断を受け、この後の審議では「違法性阻却事由」が主な争点となりました。
「違法性阻却事由(いほうせいそきゃくじゆう)」とは、一定の条件を満たすことで違法とされなくなる理由のことです。名誉毀損のようなケースでは、たとえ他人の社会的評価を下げる内容を発信したとしても
①真実であること(または、真実と信じることに相当な理由があること)
②公共性があること
③公益目的があること
この3つを満たせば、「違法ではない」と判断されます。簡単に言えば、「正当な理由があれば違法じゃない」とされるための条件です。
争点:採用人数を偽ったと信ずる相当な理由(真実相当性)
私が摘示した事実は「株式会社Intermezzoの従業員は2名」という公的なデータに基づくものであり、「採用人数を偽った」とは一言も書いてないのでそもそも議論する必要はないはずです。仮に採用人数を偽ったと摘示したとしても、その事実を信じるに足る相当な理由(真実相当性)は成立します。
本件ポストの5日後、門口はXの投稿で、40名採用したのは別法人である訪問看護会社(株式会社ARIA)の実績であると説明をしていました。
https://twitter.com/monguchitakuya/status/1703967361282580541?s=46&t=R3eCFMQUK9jpIdVXYIbLLQ
しかし、私がX(旧Twitter)へ投稿を行った時点において、株式会社ARIAの存在を認識しておらず、また、門口がその代表であることを公表していなかったため、私がその事実を知る由もありません。本件訴訟とは無関係の(訴外の)会社の採用実績を摘示事実の対象とすることに違和感を覚えました。
この点に関して門口側は、X上で訪問看護会社に関する投稿も行っていたとして証拠を提出しましたが、その投稿日は私の投稿(2023年9月15日)よりも約5か月以上後の2024年2月と2024年4月のものでしたので、正当な反論とは言えません。
さらに重要な点として、門口は、自身の投稿の中で、株式会社Intermezzoが運営するオンラインスクール「eduGate」のキャッチフレーズである「せーーーのっ 頑張ろうな!!(リプは"頑張ろうな!!"でOK)」という文言を用いていました。
このような文面から、その投稿が株式会社Intermezzoの広報の一環であると受け取るのは、ごく自然な解釈であり、それが別法人である訪問看護会社の採用に関する投稿だとは考えないのが普通ではないでしょうか。
要するに、門口の投稿は誤解を招く内容であり、嘘をついていると思われても仕方がないということです。
にもかかわらず、門口はその誤解の責任を投稿を読んだ側に負わせ、さらにその責任を私に転嫁しようとしました。
争点:実際に門口拓也は嘘をついたのか(真実性)
「真実性」は、今回の訴訟において最も重要な争点となりました。
念のため改めてお伝えしておきますが、真実性を問われることとなった摘示事実「門口拓也が虚偽のポスト(採用実績を偽った詐欺的行為)をした」を主張したのは、私ではなく門口側です。(くどいようですが私はそのような発言は一切しておりません。)
私は、本件訴訟の争点と無関係である訴外の株式会社ARIAの採用に関する事実には言及しておらず、一切の摘示を行っていません。また、門口側が訴状で「原告会社が、その従業員が実際には2名であるのに40名採用したかのような虚偽のポストをした」と述べている以上、摘示対象は明白に原告会社(株式会社Intermezzo)の採用人数です。
この摘示事実の真実性を確認するため、私は門口側に対して採用実績に関する証拠の提出を求めました。
門口側が提出してきたのは株式会社Intermezzoではなく、株式会社ARIAの雇用契約書でした。
重大な真実の発覚
門口側より提出された資料に基づき、門口の発言内容と実際の採用実績を照合した結果、重大な真実が発覚しました。
なんと『4ヶ月で40名』という実績は、実際の採用人数の約2倍にあたる誇大なものであったことが証拠上明らかになりました。
このことから、門口自身が主張していた摘示事実「採用実績を偽った」が、結果として真実であることが明らかとなりました。
証拠上、「もんぐち社長」アカウントの発信主体を原告門口としても、原告門口はその代表を務める会社で「4カ月で採用40名」を採用していないのに採用実績を偽った事実が認められる
これも私にとって意外な展開でした。門口は、「ちょめ子に嘘つき扱いされた」として私に責任を追及してきましたが、結果として、門口自ら嘘つきであることを証明する形となったのです。
そのような展開になることになるとは、私も代理人も全く予想しておりませんでした。恐らく門口側の代理人も想定外だったのではないでしょうか。なにせ門口が嘘をついているなどとは誰も言ってなかったのですから。
正確な採用期間と人数は、株式会社ARIAの採用に関わっていた立場であれば、容易に知り得たはずです。それにもかかわらず本件訴訟を提起したことは、不当であると言わざるを得ません。
審議はさらに続き、原告側は真実性を否定するために「4ヶ月で100名採用面談したのであり、4ヶ月で40名採用したとまでは言っていない」などと摘示事実の解釈を変えて反論をしてきました。
本件ポストが引用する原告門ロポストは、「4ヶ月で採用面談100名」と「採用40名」とが読点「、」で明確に区切られている。にもかかわらず、あえて読点の存在を無視し、「4ヶ月で」との副詞が「採用40名」まで修飾すると読むのが一般閲覧者の普通の読み方であるとは到底いえない。
しかし、以下の投稿が見つかったことにより、4ヶ月で40名採用したと公表していたことがわかり、すぐに虚偽であることが証明されました。
https://twitter.com/monguchitakuya/status/1700997290146906224?s=46&t=R3eCFMQUK9jpIdVXYIbLLQ
この事実の判明により、違法性阻却事由の1つである真実性が成立し、状況は一転して私にとって有利な展開となりました。
争点:社会的関心のある事柄であるか(公共性)
「公共性」とは、 摘示事実が「公共の利害に関する事実(=多くの人にとって利害関係にある事実)」 であることをいいます。
本件の引用元はSNS上で公表された企業活動に関する投稿であり、その内容にミスリーディングがあるとすれば、投稿の趣旨を確認することは他の閲覧者の知る権利に資するものであり、公共の利害に関することであると私は主張しました。
株式会社IntermezzoはSNSを利用した事業を展開している企業です。いまや社会のインフラとも言えるSNSというプラットフォームを活用した採用活動は、多くの人の関心ごとであることは間違いなく、特に公共性が高いと言えるのではないでしょうか。
これに対して門口は、公職者ではなく私企業の取締役にすぎず、また、本件の引用元の投稿について、事業との関連性がないとして、公共性を否定しました。
しかしながら、同社のサービスであるeduGateの紹介ページには「採用支援」について明記されており、門口の「事業との関連性がない」との主張は、客観的事実と乖離しており、到底受け入れられるものではありません。
争点:社会の利益のためになるか(公益性)
名誉毀損における「公益性」とは、表現の目的が公共の利益を図ることであるかどうかを指します。
門口側は、「十中八九、社会的評価を貶めるとともに、インプレッションを稼ぐという自己中心的なものだ」などと主張してきましたが、これは単なる憶測であり、印象論にすぎません。「十中八九」といった根拠に欠ける主張がなされたことには、正直、驚きを隠せませんでした。
被告が本件ポストを投稿した動機・目的は、十中八九、原告会社及び原告門口の社会的評価を貶めるとともに、被告のポストのインプレッション数を稼ぐという自己中心的なものである。
前述のとおり、私の投稿において、公共の利害に関する事実を摘示しました。これは、日本年金機構が公開する公的なデータを参照するなど適切な調査をし、客観的な証拠に基づいて行ったものです。
門口の投稿は、不明瞭かつ誤解を招く(ミスリーディングな)記載内容であったため、正確な情報について確認するという私の行為は、公共の利益を図る目的であったことは明らかです。
事実、公共の利害に関する事実を摘示する行為は、特段の事情がない限り、公益を図る目的でなされたものと認められるという判例もあります(東京地判令和2年1月13日・平成25年(ワ)第19901号)。
争点:損害の有無及び訴訟物の価額の根拠
繰り返しになりますが、門口は慰謝料として50万円、および株式会社Intermezzoが被ったとする損害の賠償として440万6,110円、合計490万6,110円の支払いを請求してきました。
しかし、この多額の損害の根拠を求めたところ、その請求額を裏付ける具体的な証拠は一切提出されてませんでした。
それどころか、門口は「おかげさまでインプがめちゃくちゃ伸びたので次のXからの広告報酬が楽しみです。そのお金で訪問看護の従業員に焼き肉をご馳走しようと思います。」「炎上はおいしい」と投稿するなど、一連の騒動(炎上)によって利益を得たことを示唆する投稿を繰り返し行っており、門口側に実質的な損害が発生していないと推察します。
門口の投稿こそインプレッション稼ぎの自己中心的なものであると言わざるを得ません。
私は、門口が実際に利益を得ているのであれば、その利益額を請求損害額から控除(相殺)すべきであると主張しましたが、門口側はこれについて否定しました。
乙11上で、「おかげさまでインプがめちゃくちゃ伸びたので次のXからの広告収入が楽しみです。そのお金で訪問看護の従業員に焼肉をご馳走しようと思います」と述べているため、この供述のとおり、インプレッション(SNS投稿などがユーザーの画面に表示された回数)を上げるために、あえて被害拡大を防ぐ措置をとっていなかった可能性も否定できない。この点、この本件ポストによるインプレッションが上がったことによる広告収入は損益相殺の対象となる(本件ポストがなければ得ることができなかった収入)ため、本件ポストによって収益が上がったのか明らかにされたい(求釈明事項)。
炎上を恐れてSNSに参入しない企業は多いけど、SNSを使い倒してる企業はむしろ炎上は美味しいと思ってる。
— 門口 拓也 (@monguchitakuya) February 17, 2025
僕もう数年は炎上してないけど、日常的に見るインフルエンサーの炎上って群がるアンチはやったった!言ったった!って勝ち誇ってるかもですが、8割くらいは炎上により儲かってます。2割くらいはマジ焼けて終わる。
— 門口 拓也 (@monguchitakuya) July 17, 2025
僕会社複数あるのですがそのうちのどれか1つをピックアップされて従業員が少ない!など言われるのですがこれ定期的に燃えてくれておいしい。SNSマーケの会社なんか従業員2人だし業務委託もおらんねんけどな。それでそこそこ売上つくってるのすごくないか。
— 門口 拓也 (@monguchitakuya) October 16, 2025
争点:門口の故意・過失について
炎上の放置と無視
炎上直後に私が真摯にリプライをしたにも関わらず門口は無視を続けました。私の質問に応答しないまま、本件投稿の5日後まで状況を放置し、炎上を防ぐ措置を講じなかったことは門口側の過失にあたると考えます。
被告は、 令和5年9月16日午後5時頃に、 「なんかバズっちゃって申し訳ないんだけど、別の会社があるってことだよね?」と真摯にリプライしたにもかかわらず、原告はこれに反応を示していない。
被告が本件ポストで疑問を呈したのに対し「40名の採用を行ったのはもんぐち社長の別会社である」と即座に釈明すれば事態をすぐに収束できた。
なんかバズっちゃって申し訳ないんだけど、別の会社があるってことだよね? https://t.co/TlL8hiuSHc
— ちょめ子 (@chome2xx) September 16, 2023
門口の侮辱行為
また、門口は本件投稿の5日後の投稿で、「浅はかな判断しかできない頭で嘘だ!など思ってしまい、便乗してSNSで叩いてしまうほど知能が低いアイコン匿名系の人がいること、仮に嘘だとしてもこんな分かりやすいことをするメリットが一切ないことすら想像できない人がいることを考慮できていなかったこと、実社会で陽を浴びることもなく暴言を吐く事ができたのに台無しにしてしまったこともろもろ謝罪いたします。」と、明らかに私を標的とした攻撃的な言動を行っています。したがって、明確に誹謗・中傷行為を行っているのは門口の方であると主張しました。
原告門口は、乙11上で、「知能が低いアイコン匿名系」、
「実社会で陽を浴びることもなく言を吐く事ができたのに台無しにしてしまった」、「まことにすみますみませんでしたすみま。」「大変草でございます」などと、明確な侮辱的表現を執拗に行っている。このとおり、明確に侮辱を行っているのは被告ではなく、原告側である。
原告らは、閲覧者に誤解を与えるという意味でも、そして何より真実と異なるという意味でも不当な広報をしたにもかかわらず、疑義を合理的に呈する投稿について侮辱的投稿をした上、名誉権侵害を主張して高額な損害賠償請求を行っている。かかる原告らの請求が認容されるというのは到底受け入れ難い。
https://twitter.com/monguchitakuya/status/1703967361282580541?s=46&t=R3eCFMQUK9jpIdVXYIbLLQ
さらに、門口はゆっくりドットコム(@yukkuridotcom2)さんに対しても侮辱的な行為を行っていることが判明しました。私との係争においては、誹謗中傷の被害者であると主張しながら、自らが加害者の立場に立っているという事実に、ただただ驚くばかりです。本件が提訴に至ったことは、やはり到底納得しがたいものであると言わざるを得ません。
いつもご覧いただきありがとうございます。以前「ゆっくりドットコム」さんとのやりとり中で適切ではない表現がありました。「ゆっくりドットコム」さんを含め、不快な思いをされた方々にはお詫び申し上げます。今後は情報発信者として、自分の投稿の受け止められ方にも配慮し、より慎重な発信を心がけ…
— 門口 拓也 (@monguchitakuya) December 12, 2025
判決
第一審
令和7年6月24日、計5回の審理を経て、大阪地方裁判所にて判決が言い渡されました。 第一審では『門口が誇大な採用実績を表示している』という私の投稿内容は『真実』であると認められ、判決書の言い回しをそのまま引用すると「原告門口が誇大な採用実績を表示しているという本件ポストの摘示事実は、その重要な部分について真実であったと認められる」と認定されました。さらに、私の投稿は『公共の利害』に関わり、かつ『公益』を図る目的であったことも認められ、これら違法性阻却事由が成立したことにより、門口らの請求は全て棄却されました。「門口が誇大に採用実績を表示して、私はそれを指摘しただけ」というわけですから、名誉権侵害が成立しないのは当然です。
原告門口が誇大な採用実績を表示しているという本件ポストの摘示事実は、その重要な部分について真実であったと認められる
本件ポストの摘示事実は、原告らの対外的な事業活動の有効性に関するものであって、多数の者にとっての正当な関心事であるいえることのほか、日本年金機構の検索結果という相応の根拠を示した投稿であること、表現自体が殊更に誹謗、中傷又は揶揄するものとまではいえないことなどを踏まえると、本件ポストの摘示事実は専ら公益を図る目的でされたと認められる。
以上によれば、その余りの点について判断するまでもなく、原告らの請求に理由がないことからこれらを棄却することとし、主文のとおり判決する。
第二審(控訴審)
想定内ではありましたが、門口側は控訴をしてきました。もっとも、控訴理由書には第一審での主張の焼き直しと言える内容しか書かれていませんでしたので、こちらも第一審と同様の主張で対抗しました。
第二審(控訴審)では、第一審とは異なり門口が株式会社ARIAの採用実績を誇大に表示したか否かには触れず、門口が株式会社ARIAの採用実績をIntermezzoの採用実績であると強く想起させるような形で投稿した点などを捉えて、真実性ではなく真実相当性(Intermezzoの採用実績を誇大表示していると信じたことに相当の理由がある)を認めて、請求を棄却しました。誤解を防ぐために強調しますと、第二審は「株式会社ARIAが『4ヶ月で40名』を採用していた」とは決して認定していません。その点とは異なる視点で結論を出したということです。
本件被引用ポストには、訴外ARIAについての面接数、採用数であることを示唆する記載は一切なく、かえって、eduGateの標語である「頑張ろうな!!」、「リプは“頑張ろうな!!”でOK」との記載があり、eduGate及びこれを運営する控訴人会社との結び付きを強く想起させるものになっている
被控訴人が、本件被引用ポストを控訴人会社の採用数についてのものと認識し、日本年金機構における被保険者数を調査した結果、実際の従業員数と大きく食い違っていることが判明した場合、控訴人門口の経営する控訴人会社がSNSスクールを運営していることから、被控訴人において、SNSの利用効果を強調するために、その成果を誇張する動機があると考えたとしてもやむを得ないというべきであり、本件被引用ポストで控訴人門口が控訴人会社の採用数を誇大に表示したことが真実であると信じることについて相当な理由があったと認められる
上記引用文を見ての通り、株式会社Intermezzoの運営するedugateのキャッチフレーズである「せーーーのっ 頑張ろうな!!(リプは"頑張ろうな!!"でOK)」が判決の決め手となったわけです。
令和7年11月28日、大阪高等裁判所は門口らの控訴を棄却する判決を下し、これにより、第一審に続き私の完全勝訴となりました。
※余談ですが、判決言い渡し後、訴訟で証拠となった門口のXの投稿がすべて削除され、門口からブロックされていることがわかりました。どのような意図かは不明ですが、おそらくはこれ以上の争いを望まないという意思表示でしょう。
おわりに
およそ1年にわたる長い戦いがようやく終わり、その結果、私の正当性が証明されました(門口にとっては2年3ヶ月)。
ようやく緊張から解き放たれ、日常の生活に平和が訪れた喜びを実感しています。
今回の裁判を通じて、SNS上の誇大広告や誤解を招く情報に対し、客観的なデータに基づいて正当な疑問を投げかける行為が、公共の利益に資する正当な表現であることを証明できたと考えております。特に第一審は一企業が誇大に採用実績を表示していたことまで認定しているため、特に社会的意義があると感じています。同時に、名誉毀損に関する法的な解釈の複雑さと、法律の奥深さを実感する貴重な経験ともなりました。
記事をご購入いただいた方には、判決文(マスキング済み)がダウンロード可能となっております。本判決が、今後のネットの誹謗中傷問題や言論の自由における有用な一つの事例として、広く活用されることを心より願っております。
なお、今回の裁判では多額の費用を要しました。もし、ご支援をご検討いただけるようでしたら、ご無理のない範囲でカンパをお寄せいただけますと大変ありがたく存じます。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
せーーーのっ 頑張ろうな!!(リプは"頑張ろうな!!"でOK)
※本記事は法律事務所によりチェック済みとなります。
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初めましてまねまねと申します。 私もスピや悪徳占いの抑止活動をしているので他人事には思えませんでした。 微力ながらnote購入させて頂きました。長い裁判で大変だったと思いますが、どうかご自愛下さい。noteの内容はとても勉強になりました。ありがとうございます。
ご購入ありがとうございます!頑張ろうな!
頑張ろうな!! (Note購入させて頂きました、少しでも今回の理不尽な裁判費用の足しになれば幸いです)
もんぐろんな!カンパありがとうございます!弁護士費用の精算に使わせていただきます!
ほんとお疲れ様でした。 胃の下あたりがむかむかしますね。 ひどい話としか形容できないよ…
コメントありがとうございます!いまだになんで訴えられたのかわかりません!