50万円で「吉野家・松屋」の株を買いたい!「株主優待」で考えると、どちらがお得に利用できますか?「優待内容・利回り」を比較

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牛丼チェーンといえば、吉野家や松屋を思い浮かべる人も多いでしょう。 最近は株主優待も昔よりも身近になってきていますが、同じ牛丼チェーンの「吉野家」と「松屋」では、どちらのほうがよりお得に株主優待を受けられるのでしょうか。 本記事では、両者の株主優待の概要に触れたうえで、利回りを比較します。

株主優待とは?

株主優待とは、企業が自社の株を一定数以上保有してくれている株主に対し、金券・自社商品・割引券・食事券などをお礼として提供する制度です。
自分がよく使うチェーン店の株を保有すれば、日常利用とつなげてお得に食事できることも少なくありません。それでは、吉野家と松屋の株主優待の内容を見ていきましょう。

吉野家の株主優待概要

吉野家の株主優待の概要は次の通りです。


■権利確定月:2月末・8月末

■株主優待内容:100株以上保有の場合、吉野家などのグループ店舗での飲食に使える1枚500円分の「株主様ご優待券」を受け取れます。例えば、100株~199株の場合は半期に1回4枚なので、年間で8枚=4000円分です(以降、保有株数に応じて段階的にもらえる優待券の枚数も増加)。

松屋の株主優待概要

松屋の株主優待の概要は次の通りです。


■権利確定月:3月末

■株主優待内容:100株以上を「1年以上継続保有」している株主に対し、松屋などグループ店舗で使える「株主様ご優待食事券」を受け取れます。食事券では、グループ店舗で指定メニュー1食と引き換えが可能。受け取れる食事券の枚数は、100株以上・1年以上保有で10枚、3年以上で12枚です。

50万円分株を買ったら優待はどうなる?

それでは、両社の株をそれぞれ50万円分購入した場合の株主優待内容を見ていきましょう。
まず吉野家ですが、2025年11月上旬の株価はおおよそ1株あたり3000円です。そのため、50万円で166株手に入ります。そして、前述の権利確定日まで166株保有している場合、半期で2000円、年間で合計4000円の「株主様ご優待券」を受け取れます。
続いて松屋ですが、同じく2025年11月上旬の株価は1株あたりおよそ1800円です。そのため、50万円で277株保有できます。松屋の場合、100株以上であれば株を何株保有していても優待内容は変わらず、「株主様ご優待食事券」は、前述の権利確定日まで株を1年以上保有の場合は10枚、3年以上で12枚受け取れます。

吉野家と松屋の株主優待はどちらのほうがお得?

吉野家と松屋の株主優待について、購入金額に対する優待内容を比較し、どちらがよりお得なのか見ていきましょう。
なお、ここまで50万円分でどれだけの優待を受けられるか解説しましたが、株主優待はどちらが得かをこれから見ていく際には、ともに「100株」購入した場合の利回りで検証します。
また松屋は「指定メニューの中から1品」を選べますが、今回は600円相当分を利用したとします。
 

【吉野家の利回り】

・100株購入に必要な資金:3000円×100株=30万円
・100株購入時の優待(金額換算):500円×8枚=4000円
・利回り:4000円÷30万円=約1.3%

 

【松屋】

・100株購入に必要な資金:1800円×100株=18万円
・100株購入時の優待(金額換算):600円×10枚=6000円
・利回り:6000円÷18万円=約3.3%

※3年以上保有で12枚の場合の利回りは4%

このように、投資金額に対する株主優待のお得度という意味では、松屋に軍配が上がります。なお松屋の場合、短期売買では優待が受けられず、利回り計算に含まれる優待はすべて長期保有が前提となります。
1年以上継続保有で3.3%が受け取れますが、最低でも株を1年間保有したうえで受け取れる利回りです。同様に3年以上継続保有で4%も、実際に優待が増えるまで3年の保有期間が必要です。

まとめ

吉野家と松屋の株主優待を比較すると、利回りでは松屋が上回るものの、保有期間の条件がない点では吉野家のほうが手軽といえます。ただし、株主優待だけでお得・損を判断するのは注意が必要です。実際には、各社の配当金や株価の変動リスクも考慮しなければなりません。
優待と配当を合わせた総合利回りや、自分の生活圏で使いやすい店舗の有無も含めて検討すると、より納得のいく投資判断ができるでしょう。
 

出典

吉野家ホールディングス 株主還元方針
松屋フーズホールディングス IR情報
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など