【大河べらぼう】徳川家治 役・眞島秀和インタビュー「劇的に演じた家治の最期」 - リリース情報 - 大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」 - NHK

大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」

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【大河べらぼう】徳川家治 役・眞島秀和インタビュー「劇的に演じた家治の最期」

毒を盛られ無念の死を遂げることになった徳川家治。演じる眞島秀和さんに、ラストシーンに込めた思い、はかりごとの中心人物と目される治済の印象、老中に重用し共に政を行った意次との絆について伺いました。

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死の間際にぶつけた治済への本音

徳川一門の一橋家ですから、そう軽々しく治済を疑えない。そんな状況のなか、ついに自分自身が死に直面することになりました。命果てる直前、治済のところにはっていき、錯乱した様子で「天は見ておるぞ。天は、天の名を騙(かた)るおごりを許さぬ」と思いをぶつけました。劇的なシーンになりましたが、森下佳子さんが台本にそう書いてくださっていたので、やる気満々で挑みました。そういう場面がないと、将軍としてずっと我慢を強いられてきた家治が報われないと思いましたし、僕自身も「最後に何か言ってやりたい」という素直な気持ちが湧きました。

すべての収録を終えた今はひとつの役を演じきってホッとしています。ほかの作品では、城下に出て暴れていたおじいちゃんの吉宗とは違い(笑)、家治は江戸城から一歩も出られなかったので、実はオンエアで見る蔦重たちのやりとりに憧れていて、次はべらんめえ口調の町人役をやってみたいななんて思っています。  

いかに将軍然として居るか

将軍役は初めてで、徳川家の葵の紋が入った着物を着る貴重な経験ができました。将軍役ならではの豪華な衣装と家紋入りの小道具を身につけ、その責任の重さを感じたのと同時に、まだ緊張していた収録序盤には「ドラマの世界で一番偉い人」という点を少しだけ心の支えにしていました(笑)。

役作りのうえで品格が出るよう意識もしていました。蔦重たち江戸の庶民はストレートに感情を出しますが、その対極にいる人物だと思ったので、なるべく感情を抑えて振る舞うようにしていたんです。いかに将軍然としてそこに居るかに心をくだいたつもりです。ただ、治済が何かたくらんでいると分かっても、立場に縛られて我慢せざるを得ないつらさを痛感することにもなりました。  

同じ方向を向く主従

将棋を非常に愛し、政は人に任せきりだったという説のある家治。「べらぼう」では田沼意次(渡辺 謙)との信頼関係がしっかりと描かれていたので、政治については意次に任せ、将軍として最終的な責任を取る覚悟を持った人物像にできたらと思っていました。

ドラマではあまり詳しく描かれていませんでしたが、意次からはもっとマメに政についての報告があり、その進め方に家治も納得していたからこそ、同じ方向を向いてやってこられたと考えています。

想像ではありますが、「何かあったら責任を取るから、任せるよ」というふうに言ってくれる上司がいたら、部下もきっと「頑張ろう」と思えるはず。家治と意次はそんなバランスのいい関係性だったのではないでしょうか。  

意次を守ろうとする家治に好感

約1年の収録期間のなかで一番印象深いのは「十代家治は凡庸なる将軍であった。しかし一つだけすばらしいことをした。それは田沼主殿頭を守ったことだ(中略)余は後の世にそう評されたい。叶(かな)えてくれるか」と意次に言ったシーン。そこに家治の全てが凝縮されているように感じましたし、僕自身が家治に最も好感を抱いた場面でもありました。

絆の深い意次役が渡辺謙さんだったのはとても光栄でした。というのも「独眼竜政宗」(1987年放送/渡辺謙主演)は僕にとって大河ドラマの入り口になった作品でしたから。その分、最初は緊張しましたが、謙さんがフランクなお人柄で声をかけてくださったり、自然とセリフ合わせをしてくれたりしたおかげで、割と早い段階でほぐれました。本当に感謝しています。

今作では謙さんや石坂浩二さんらの“時代劇のなかでの居ずまい”に、とても刺激を受けました。うまく言葉にするのは難しいのですが、貴重な瞬間に自分も参加しているんだという高揚感があり、みなさんの姿を目に焼き付けておきたいと思いながら共演させていただきました。  

治済と生田さんのイメージは真逆

治済って何を考えているか本当に分からない。読めない人物ですよね。それに対し、ふだんの生田斗真さんはとても爽やかでステキな好青年なので、逆に「治済役を背負っているときは何を考えているのだろう」と気になってしまいます(笑)。実はほとんど共演シーンがなく、あまり言葉を交わせていないのですが、オンエアではいつも「いろいろと陰で動いているな」などと思いながら、治済の動向を見ているんですよ。

突然だった家基の死の際は、台本上では治済が何かたくらんでいたことが読み取れたものの、当事者の家治は全く状況がつかめない状態だったのではと感じました。ただ、納得できないことが積み重なっていく状況ではあったので、不審に思いながら取り乱すわけにもいかず、起きたことを受け止めるしかない苦しみを味わいました。やっぱり治済は不気味ですね。

 

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