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【速報】山上徹也被告に「無期懲役」を求刑 検察「犯行は短絡的かつ自己中心的」と指摘 安倍元首相銃撃

2025年12月18日 14:59
【速報】山上徹也被告に「無期懲役」を求刑 検察「犯行は短絡的かつ自己中心的」と指摘 安倍元首相銃撃
山上徹也被告

 安倍晋三元首相を銃撃し、殺害した罪などに問われている山上徹也被告(45)の裁判員裁判で、奈良地裁では18日、検察側の論告が行われ、山上被告に対して無期懲役を求刑しました。

 検察側は論告で、「被告人の生い立ちで不遇な点があることは否定しないが、被告人は善悪を判断できる社会人として生活していた。生い立ちに被害者は無関係。量刑の大枠を変更するものではない」とした上で、山上被告が犯行に使った手製の銃について「被告人自身が殺傷能力を認識していた。強い殺意が認められることは明らかで、過去に類例を見ないほど危険」と指摘しました。

 また、安倍氏を狙ったことについては、「対象が幹部から被害者に変わった理由について被告から最後まで納得のいく説明がなく、被害者を選定した理由について合理的飛躍があると言わざるを得ない」として、「犯行は短絡的かつ自己中心的で人命軽視もはなはだしい。宗教2世が凶悪犯罪に陥りやすい傾向はない」と指摘し、山上被告に対して無期懲役を求刑しました。

 裁判は、このあと、弁護側による弁論と山上被告の最終陳述が行われます。

■旧統一教会に翻弄された過去が犯行にどう影響したかが争点

 山上徹也被告は2022年7月、奈良市で応援演説中だった安倍晋三元首相を手製のパイプ銃で撃ち、殺害した罪などに問われています。10月28日の初公判で山上被告は、「全て事実です」と話し、母親の旧統一教会への多額の献金が与えた影響が大きな争点となっています。

 これまでの裁判で弁護側は、旧統一教会に対する母親の献金をきっかけに、兄が自死に至り、自身も進学をあきらめるなど、家庭崩壊ともいえる状況に陥っていたことを強調。家庭環境と事件にはつながりがあるとして、量刑を決める上で、「十分に考慮されるべき」と主張しました。

 一方、検察側は「不遇な生い立ちを抱えながら犯罪に及ばず生きている者も多くいる」と強調したうえで、「不遇な生い立ちが刑罰を軽くするものではなく被害者(安倍元首相)は何ら関係ない」と指摘しました。

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■銃刀法の「発射罪」が成立するか否か
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