めちゃくそ楽しい。
いよいよホウエン地方から飛び立つ日が来た。
なんだかんだ研究のために追加で2ヶ月くらい滞在してしまったけど、これくらいなら全然問題ない。
今は空港にハルカとユウキ、それにオダマキ博士が見送りに来てくれている。
「ホウエン地方でのダイマックスに、セルフメガシンカ……。貴重な研究をさせてもらって、とても感謝しているよ」
「いえいえ、俺のポケモン達がオダマキ博士の研究の役に立ったなら嬉しいです」
なんなら協力費として賃金払ってくれたからな。
最初は断ったんだが、『私の都合でホウエンに居てもらうわけだから、対価を渡すのは当然のことさ』と、押し切られてしまった。
おかげで旅費にはそれなりに余裕ができた。イッシュのときみたいにバイトしなくても良さそうだ。
「シバ──」
「次は俺の番だな。シバリ、これやるよ」
ハルカを遮るようにユウキが前に出てきて、俺にニット帽子を渡してきた。
不満ありげなハルカを見て少し苦笑いをしつつ、俺はユウキからニット帽子を受け取った。
「ありがとう! ……でも、なんでニット帽子なんだ……?」
「俺のやつの色違いなんだけど、シバリにも似合うと思ってさ。たまにイメチェンしたくなったときにでも使ってくれよ」
「わかった。これがあればユウキのことは忘れずに済むな」
「無かったら忘れるってか?」
「言ってねぇよ」
そんな風に言い合って、二人して笑った。
……そうだ。折角だから俺もお返しをしなくては。
「じゃあ俺からはコレ」
「………………なんだコレ?」
「アローラダグトリオのカツラだよ。おめでとう、これでユウキも今日からアローラだ」
「流石にアローラ民も怒るだろそれは」
言いながら、ユウキはカツラを被った。
「……よし、どうだ?」
「ナイスアローラ。これはもう完全にアローラしてると思う。完全究極態アローラ・ユウキだわ」
「究極完全態アローラ・ユウキ……!」
「あ、ちなみにソレ5980円するから」
「なんで無駄に高いんだよ」
ユウキはそう言いながらも丁寧にカツラを外したので、多分大事にしてくれると思う。
「む〜……」
「……いつまで拗ねてんだよハルカ。こういうのはほら、お前がトリを飾るもんだろ?」
「え? ……ユウキくん、もしかしてさっき割って入ってきたのって──」
「当たり前だろ。……それと、言っとくけど
「なっ……なぁっ……!?」
顔を赤くして口をパクパクし始めたハルカを見て、ユウキは笑いながら彼女の背中を押した。
「うぅ、恥ずかしい……」
「……恥ずかしい要素、あったか?」
「あったよぉ……」
未だにニヤニヤしているユウキに対し、ハルカは少し睨むような視線を向けたが、すぐにこちらに向き直した。
「というか、その……他の人は大丈夫なの?」
「他の人……?」
「ほら、ルチアさんとか、マグマ団とアクア団の人達*1とか、ヒガナさん*2とか……」
「その人たちなら、昨日までに連絡貰ってるから大丈夫」
ルチアさんからはコンテストの世界に誘うのは諦めないと言われているし、マツブサさんやアオギリさんは、今度またホウエン地方に来ることがあれば、いつでもアジトに遊びに来てくれて良いと言ってくれた。
ヒガナさんは……ちょっとよくわからない。『話が急すぎる。キミはもう少し想像力を働かせるべきだよ』と言われた。
急とは言っても、連絡したのは1週間前だったんだけど……。
とはいえ『また"りゅうせいのたき"に来てね』とも言ってくれたので、またホウエン地方に訪れた時は会いに行こうと思ってる。
「そっか。じゃあホントにあたしで最後なんだね」
「そうなるな」
「……ちょっと、寂しいな」
ハルカは少し儚げに笑うと、すぐに表情を元に戻した。
「なんて、そんなこと言ったらシバリくんを困らせちゃうよね。それじゃ、また──」
「ハルカ」
「へ?」
話を終わらせようとした雰囲気を感じ取ったので、ちょっと差し込ませてもらった。
ハルカには言っておきたいことがあるからな。
「……その、俺さ。実は最初にハルカからダイゴさんの代役を頼まれたって聞いた時、ちょっと申し訳ないと思ったんだよ」
「……そうなの?」
首を傾げるハルカに、俺はコクリと頷く。
「ああ。だって話を聞いた感じ急に頼まれたみたいだし、そもそも突然知らない人を案内しろって言われても、ちょっと抵抗あるだろうなって」
「でも、ハルカはそんなの気にならなくなるくらい、楽しそうに案内してくれてさ。……だからかな、俺もめちゃくちゃ楽しめたんだよ」
「ホウエン地方を案内してくれたのがハルカで良かった。ハルカのおかげで、俺はこの地方が好きになれた」
「……だから、ありがとう」
……よし、言いたいこと全部言えた。ハルカにはちゃんと感謝を伝えたかったんだよな。
もしこれでユウキが案内担当になっていたらと思うと恐ろしい。絶対観光そっちのけで二人して遊び呆けてた自信あるぞ。
そういう意味でも、ハルカが居てくれて本当に良かった。
「あ、あぁぅ……」
「えっと……ハルカ?」
「……ヒガナさんも言ってたけど、シバリくんってほんっとに想像力が足りないよね」
「急に何!?」
顔を赤くしたと思ったらいきなりディスられた。なんでさ。
「だ、だって……」
「急にそんな事言われたら、その……」
「あたし……もう、気持ちを……我慢、出来なく──」
「うわああああああああああああああああ!?!!!!? やめろラグラージィィィィィィィ!!!!!」
「「!?」」
急にユウキの叫び声が聞こえてきたのでそちらを振り向くと、ラグラージの身体が光り輝いていた。
その横では、オダマキ博士が興味深そうにメモをとっている。
「これはもしや、シバリ君のセルフメガシンカに感化されたのか……? ラグラージ、頑張れ!」
「頑張るなラグラージ! キーストーンとメガストーンで力を合わせてメガシンカするのがロマンだろ!?」
「ラグゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
光が晴れた先には、メガラグラージがドヤ顔で鎮座していた。
「あ゙っ……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!?!!!?!?」
ユウキは地に蹲って慟哭した。
喜ぶラグラージの横では、オダマキ博士が目を輝かせており、セルフメガシンカのアドバイスをしたであろうムクホークとジュカインは『成ったな……』みたいな表情をしていた。
「ユウキ……」
この状況、ユウキの悲しさは察するに余りある。
だからこそ俺は、ユウキに近づいてポンと肩に手を置いた。
「
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!!」
仲間が増えたよ! やったね!
─────────────────────────
「ピッカァ!!!」
「うそっ……! まだそんな力が──!?」
赤きトレーナーにまたしても敗北し、ラズは今のバトルの反省点をまとめ始める。
少しずつではあるが、攻撃が当たるようになってきた。しかし、相変わらず先鋒のピカチュウを突破することが出来ていない。
しかし成長しているのは確かだ。だからこそ、ラズは敗北が重なってもメンタルが壊れることはなかった。
「……ところで、
「……!!」
キルネアは驚いたような目をラズに向ける。
「まさかそんな風に呼んでくれるだなんて……。今までは"あんた"呼びだったのに……」
「ゔっ……。その、流石に今となってはどうかしてたと思うわ……」
バツの悪そうな表情を浮かべるラズがどこかおかしく感じて、キルネアは小さくクスクスと笑った。
「そう言えるのなら上出来よ。……ところで、何か用だったかしら?」
「いや、その……さっきから上の空だったから……」
「……わかるの?」
「そりゃあ、流石にこれだけ長く居ればね……」
「そう……」
キルネアは内心驚いていた。彼女の家族ですら表情から気持ちが読み取れなかったと言えば、キルネアの驚きが理解できるだろうか。
「……実はね、貴女の幼馴染さんを視てたんだけど」
「さらっと人の幼馴染ストーキングしてました発言するのやめてもらえる?」
「違うのよ、そういうことじゃないの。だって彼、視ようとしても全然視えないし、視えても視る度に変わるから、面白くて……」
「何も違わないじゃない……」
なんて言いつつも、彼女はキルネアですら視通せないというシバリをどこか誇らしく思っていた。
彼女の次の発言を聞くまでは。
「でもね、さっき急に彼の
「……は?」
ラズはキルネアとたまに雑談することがあり、彼女の能力についての話を聞いたことがあった。
曰く、
それはつまり、
「そ、それって……つまり、シバリが、死──!?」
「落ち着いて。確かに視失ったとは言ったけど、今回はそういうケースじゃないわ」
「じゃ、じゃあ、何なのよ……!?」
「……こういうケースは、その、私も初めてなのだけれど……」
彼女にしては珍しく、少々しどろもどろになりながらも、言葉を続けていく。
「亡くなってしまうときは、視えていたモノが"プツリ"と消えてしまう感覚があるのに対して、今回は一瞬にして掻き消えたの。つまり──」
「──そうね。例えば、なにかしらの要因で
・シバリ
お前も家族だ
・ユウキ
ラグラージが嬉しそうにしてるのを見て、怒るに怒れない
・ハルカ
良い雰囲気を邪魔された
告白はお預け!
・オダマキ博士
ひゃっほぅ!
新鮮な研究対象だ!
・ラグラージ
や っ た ぜ
ユウキの慟哭には気づいていない
・ラズ
大分マシになった
キルネアの言葉に一瞬正気を失いかけたが、レッドさんのブートキャンプで精神的に成長したおかげで、どうにか耐えた
・キルネア
今日も彼の未来視て見よーっと!
……あれ、消えちゃった……。
まだ出てない地方で好きなところ(参考にするかも)
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カントー地方
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ジョウト地方
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カロス地方
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アローラ地方
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パルデア地方
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ヒスイ地方