幼馴染にフラれたので旅に出ることにした   作:イグアナ

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土日にZA買う予定です。

えー、はい。更新頻度はお察しのアレになると思います(白目)


72話

 センリさんとケッキングトークをしてから少し経った。

 

 あれからハルカにはホウエン地方をたくさん案内してもらって、この地方も大方見回れたと思う。

 

「今日も楽しかったね! 明日はどこに行きたい?」

 

 ハルカはまだまだ案内してくれるつもりみたいだが、いつまでも彼女の優しさに甘えてる訳には行かない。

 

 ホウエン地方の旅は、ここら辺りが潮時だろう。

 

「……実はさ、そろそろ違う地方に行こうかなと思ってるんだ」

「へ?」

 

 俺の言葉に、ハルカは足を止めた。

 

「え、えっと……なんで、急に……?」

「急っちゃ急だけど、ホウエン地方は大方見回れたしさ。それに、ハルカにこれ以上付き合ってもらうのも悪いかなって」

「そ、そんなことないよ! シバリくんと一緒に居るの楽しいし! ……大体見回り終わったのは、そうだけど……」

 

 ハルカはそう言って項垂れると、頭を抱えて何か呟き始めた。

 

ど、どどっ、どうしよう……。このままじゃシバリくんがホウエンから出て行っちゃうかも……。 でも、無理に止めようとして嫌われちゃったら多分あたし泣いちゃうし……

「……ハルカ?」

「ごめん、ちょっとだけ待ってシバリくん。あたし今、人生最大の窮地を迎えてるかもしれないの」

「……?」

 

 まったくそんな風には見えないのだが、今はそういう状況らしい。

 

 しばらくの間、ハルカは何度も唸ったり、顎に手を当てて考えるような仕草を見せたりしていたが、段々と顔色が悪くなっていく。

 

「な、何にも思い浮かばないぃ……」

「……大丈夫か?」

「だ、だいじょばないよ……。だってあたし、シバリくんのこと──ひょえっ!?」

 

 言葉の途中で、ハルカの携帯が音を鳴らし始めた。

 

「あ、あたしっ……今、何を……?」

「……その、電話は出なくて良いのか?」

「わ、わぁっ!? そ、そうだね! 先にこっちだよね!」

 

 ハルカは顔を少し赤く染めたまま携帯を取り出すと、そこに表示されている名前を見て、驚きの表情を見せた。

 

「……お、オダマキ博士!?」

 

 

──────────────────────────

 

 

「やあハルカちゃん! 突然済まないね」

「い、いえ……。大丈夫ですけど……」

 

 ハルカからすると、今オダマキから連絡が来た理由がさっぱりわからなかった。

 

 ただでさえシバリがホウエンを離れるか否かの瀬戸際だというのに、続けてイレギュラーなことが起きてしまい、ハルカの脳内は少し混乱していた。

 

 ……だがしかし、このオダマキからの電話が、今の彼女に救いの手を差し伸べることになる。

 

「シバリ君……だったよね? 彼はまだ一緒に居るかい?」

「居ます、けど……」

「おお! それなら話が早い! 実はね、さっきユウキから面白い動画があるって言われて、とあるコンテストライブの映像を見たんだ」

「それって……」

 

 ハルカが思い出したのは、シバリがコンテストライブに出た時のこと。

 

 ポケモンが大きく見えるあの現象。ポケモン博士ならば、興味を持たないはずがない。

 

「アレがガラル地方でのみ目撃される現象というのは知っていたけど、まさかこのホウエン地方でアレを発生させられるポケモンが居るなんて夢にも思わなかった! 是非、貴重な実例として研究させてほしいんだ!」

「!!!」

 

 ここでハルカに電流が走る。

 

 シバリが研究に協力してくれることになれば、ホウエン地方に留まる期間もそれだけ増える。

 

 これに乗らない手はない。ハルカはなんとしてもシバリを説得してみせると、心に誓った。

 

「ちょっと待っててください。シバリくんに聞いてみます」

「へ? 俺?」

 

 急に名前を出され、シバリは不思議そうにハルカの方を振り向く。

 

 ここが勝負どころだとハルカは意気込み、事情を説明すると、シバリは二つ返事で研究への協力を快諾した。

 

「オダマキ博士! シバリくん協力してくれるって!!」

「ほ、本当かい!? そ、それじゃあちょっと彼に代わってもらうことは出来るかな!?」

「はい!」

 

 ハルカはシバリに電話を渡し、オダマキと会話する彼を見てニコニコし始めた。

 

(これでもっと長くホウエンに居てくれる! その間に、もっと意識してもらえるように頑張らないと!!)

 

 むんっ! と拳を握って気合を入れるハルカだったが、彼女にはいくつか見落としていることがあった。

 

 オダマキの助手には、シバリと同年代のユウキが居ること。

 

 そしてシバリは、同性の友人を渇望していること。

 

 では、この2人が出会うとどうなるかと言うと──。

 

 

──────────────────────────

 

 

「もっと速くムクホーク! お前ならホウエンのNo.1になれる!!!!!!」

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!! 俺のオオスバメの速度を舐めるなァァァァァァァァァァァ!!!!!」

「……ナニアレ」

 

 今シバリとユウキは、それぞれムクホークとオオスバメに乗ってレース勝負をしていた。

 

「行ける行ける行ける! 今のお前ならフウロさんのジェット機すらも超えられる!!!!」

ホォ!?!!?

「ジェットがなんだジェットがぁ!! それくらいの速度、俺のオオスバメだって到達してやらぁ!!」

スバァ!?

 

 この2人、出会って十数秒で意気投合し、研究の無い日は二人で遊ぶようになった。

 

(あ、あたしより、仲良くなってない……?)

 

 なんというか、ハルカの入り込む隙間が無かった。

 

 シバリは女性に対しては自分から距離を詰めるようなことはしないが、同性には心理的な壁が無いからか、仲良くなった相手には自分からグイグイ行くようなところがあった。

 

 ユウキから見てもシバリは馬の合う相手だったらしく、その結果2人はどんどん仲良くなっていき──

 

「そろそろ折り返し地点だ! オオスバメ、少し速度を落と──」

「ムクホーク! そのまま行けぇ!!」

「なっ……! 減速しないと行き過ぎてタイムロスになるぞ!?」

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

「やっぱりアイツ、スピードが乗りすぎてる! 今から減速したところで、間に合わ──」

「行くぞムクホーク! どりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「な、何ィ!? 慣性ドリフト!?」

「ははははははははは!!! 勝ちは貰っていくぞユウキィ!!!」

「……ッ! 負けてたまるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 今ではこのざまだ。

 

 空中で慣性ドリフトとはどういうことなのか、ハルカからすればさっぱり理解できなかったが、男同士だけで通じ合う世界があるらしい。

 

 だがそれよりも、ハルカは本能的に危機感を覚えていた。

 

(と、取られる……)

 

 カタカタと身体を震わせながら、ハルカはユウキ(ライバル)を見つめる。

 

(シバリくんのこと、ユウキくんに取られる……!)

 

 このあと、見たこともない笑顔をユウキに向けるシバリを見て、ハルカは言いようのない敗北感に包まれたのだった。




・シバリ
第2の親友が出来た。よかったネ!!

・ハルカ
なんかユウリみたいな感じになっちゃった。
私にはそんな笑顔を向けてくれたことないのに!!

・ユウキ
すぐ仲良くなった。
シバリのポケモンに感化されたのか、なんかラグラージがキーストーンなしでメガシンカしようとしてるのだけは勘弁。

まだ出てない地方で好きなところ(参考にするかも)

  • カントー地方
  • ジョウト地方
  • カロス地方
  • アローラ地方
  • パルデア地方
  • ヒスイ地方
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