幼馴染にフラれたので旅に出ることにした   作:イグアナ

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カントー人気すぎて草
やはり原点なのか……

ZAも今日からですな。買わねばなるまいね。


71話

「……どうすればいいんだ」

 

 自宅にて、ダイゴは椅子に座って頭を抱えていた。

 

 彼からするとちょっとした出来心だった。

 

 珍しい石が見つかったと友人から連絡が来て、居ても立ってもいられなくなり、ハルカに後のことは任せてホウエンから出て行ってしまった。

 

 その結果がこれだ。シロナからはヒカリを応援をするように頼まれ、ミクリからはルチアとの仲を取り持つよう頼まれ、センリからはハルカに案内を任せたことをバチギレされている。

 

「ヒカリちゃんのことを応援するって約束したけど、それはハルカちゃんの気持ちを裏切ることになる……。しかも、コンテストアイドルの件もあるし……。うぐっ……せめて、ひとつでも解消されたら──」

 

 なんて呟いていると、ダイゴの携帯が鳴った。

 

 恐る恐る携帯を手に取った彼の視界には、『センリ』の文字が映っている。

 

「……な、何故センリさんから……?」

 

 嫌な予感しか感じなかったダイゴだったが、出なければ後で咎められることは目に見えているため、震える手で電話に出ることにした。

 

「は、はい……ダイゴです……」

「どうもダイゴさん。今ちょっと大丈夫ですか?」

「大丈夫です……」

「実はシバリ君のことなんですがね……」

「……っ、はい」

「いやぁ、素晴らしい若者だ! 今どきあんな子が居るんですねぇ!」

「……へ?」

 

 胃痛薬を握りしめ、何を言われても良いように構えていたダイゴだったが、センリから発せられた言葉は彼の予想を外れるものだった。

 

「『娘はやらん!』と言ってやるつもり満々でしたが、どうやら彼はそういう目的ではなかったみたいでしてね。ただ純粋に私と会って話がしてみたかったらしく……」

「そ、そうでしたか……」

「それで話してみたら話が合うこと合うこと! まさか若者とあんな風に楽しく話せるとは思いませんでしたよ!!」

 

 そう言って笑うセンリに、ダイゴはどこか胸の重みが和らいだように思えて、安堵の息を吐いた。

 

「そんなに彼のことを気に入ったんですね……。じゃあボク、怒られ損だったんじゃ──」

「いや、シバリ君がたまたま好青年だっただけで、ダイゴさんのやったことは普通にダメでしょう」

「……ハイ」

 

 ごもっともすぎてダイゴは反論出来なかった。

 

 しかし、今回は胃痛薬(コイツ)の出番は無さそうだと、手を離したところで──。

 

「……ですが、ひとつだけお願いを聞いてくれるのなら、今回の件は水に流そうと思っています」

「……お願い、ですか?」

 

 ダイゴの本能が警笛を鳴らしている。彼は手を離した胃痛薬を再び握りしめ、センリの言葉を聞く態勢を取った。

 

「実はハルカがシバリ君を慕っているようでしてね」

「グッ……」

 

 ダイゴの胃に再び痛みが走る。

 

(つまり、妨害しろってことか……? そりゃ、今の状況でハルカちゃんを応援しろって言われるよりはマシだけど、それにしたって、ハルカちゃんの邪魔をするのはちょっと……)

 

 ここまで考えて、ダイゴはハッと気づきを得た。

 

(いや違う。邪魔なんてしなくて良いんだ。ボクはヒカリちゃんかコンテストアイドル、どちらかの話をどうにか断って、片方だけを応援すれば良い。約束していたし、ヒカリちゃんが優先かな。そしてハルカちゃんには、()()()()())

 

(違う子を応援するというのは、実質的に"邪魔をしている"と言えるはずだ。……ミクリとハルカちゃんには悪いけど、ここはヒカリちゃんの対応だけをする方針で行く!)

 

(それに、まだヒカリちゃん達にはハルカちゃんの気持ちはバレていないはずだ。ちょっと卑怯だけど、そのことを向こうに伝えなければ、特にハルカちゃんを妨害するような指示は飛んでこないだろうし、センリさんにも『他の子を応援していた』という顔が出来る)

 

(その間にハルカちゃんがゴールインしてくれれば何も言うことはない。キミはただ、ボクの知らないところで彼にアタックし続けてくれれば良いわけだ)

 

 この間わずか0.3秒。ストレスに侵された彼の脳内は、この窮地を脱するために高速で答えを導き出した。

 

(……これはもう、要らないな)

 

 ダイゴは胃痛薬をポイっと投げた。

 

 さっきまでのストレス生活とはこれでお別れ。ようやく彼は胃の痛みから解放されるときが来たのだ。

 

「……わかりました。シバリ君とくっつくのを阻止すれば良いんですね」

「え、逆ですよ逆。仲を取り持ってほしいんです」

「…………………………ヴェッ!?」

「丁度あんな子に婿に来て欲しいと思ってたところに、ハルカから『シバリ君に好かれるにはどうしたら良いか』って相談されたんですよ。いやぁ、こんなの応援するしかないじゃないですか!」

 

 彼は放り投げた胃痛薬に向かって全力でダイブした。

 

 カムバック胃痛薬。胃痛薬(キミ)が居ないとダイゴ()は生きていけないのだ。

 

(な、何故だ……!? ボクの脳内CPUが導き出した結論は完璧なはずだったのに……!)

 

 確かに彼の導き出した結論は、最善とは言えずとも悪くないものだった。

 

 しかし、"前提"が違ってしまえば、全てが崩れ去る。

 

 センリからのオーダーが"妨害"だと勘違いしていた時点で、彼の計算は初めから破綻していたのだ。

 

 今日からダイゴは、安○透(ヒカリの応援)バー○ン(ルチアの応援)降○零(ハルカの応援)という、どこぞの公安警察官のようなトリプルフェイスを強いられることになる。

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 今日はフエンせんべいにリベンジするため、フエンタウンに向かっていた。

 

 フエンせんべいは一度くらい食べてみたいし、また温泉にも入りたいから、それは全然良いんだけど……。

 

「……なんか、違くない?」

「何が?」

 

 今日もハルカが手を取ってきたので、いつもみたいに手を引いてくるパターンかと思っていたのだが、今回は指を絡み合わせるように手を繋がれている。

 

 ……これ、アレじゃないの? 恋人繋ぎとか言うやつじゃないの?

 

 なんかすれ違う人にも"そういう"目で見られてるっぽいし、あんまり良くないかもしれない。

 

「なあハルカ。これ……」

「これがどうかした?」

 

 ハルカは肘を曲げ、恋人繋ぎしている手を顔の前まで上げてきた。

 

 それを直視するのが少し恥ずかしくなり、俺は視線を逸らす。

 

「そ、その……、周りの人に誤解されないか?」

「……もしかして、嫌?」

「そういうわけじゃなくてさ……」

「えへ……ならいいよね!」

「……ハイ」

 

 う〜ん、ハルカらしくしてれば良いとは言ったけど、これは勘違いされるだろうな……。

 

 センリさんの心配もごもっともだ。俺も勘違いしないよう、気をつけないとな……。

 

 そう思いながら改めてチラリとハルカの方を見ると、俺の視線に気付いた彼女はこちらに向かってにへらと笑い、ぎゅっと腕に抱きついてきた。

 

 ……いやいやいや、ないないない。

 

 ソニアさんとルチアの件があったからって、立て続けにそんなことあるわけない。

 

 あるわけない……よな?




・シバリ
俺は勘違いしないように頑張ってる人
いや、勘違いじゃないけど
このあとちゃんとフエンせんべい食べれた

・ハルカ
センリと相談した、『スキンシップを増やして意識してもらおう作戦』を実行中
好きな人にベタベタ触れるし幸せ

・ダイゴ
世界一ダサいトリプルフェイスを強いられることになった

・ハピナス製薬
大 盛 況 
今度ダイゴとダンデに広告塔になってもらおうかなとか思ってる

まだ出てない地方で好きなところ(参考にするかも)

  • カントー地方
  • ジョウト地方
  • カロス地方
  • アローラ地方
  • パルデア地方
  • ヒスイ地方
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