幼馴染にフラれたので旅に出ることにした   作:イグアナ

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60話

「こんなところで会えるなんて運命だと思わない!?」

「あ、あー……えっと……そう、ですかね?」

「そうだよそうだよ! うん! これはもうコンテスト出るしかないよシバリくん!!」

「ヒェ……」

 

 勢いで押されるシバリを、ハルカはどこか面白くなさそうな表情で見ていた。

 

(むー……。あの二人、ちょっと近くない?)

 

 何故だかわからないが、ルチアがシバリに触れるたび、ハルカの胸の中ではモヤモヤのようなものが渦巻いていた。

 

「……好きって、言ったくせに……」

 

 告白を断った自分が言えることではないと、ハルカもわかっているつもりなのだが、ポロっとそんな言葉が出てきてしまった。

 

 ましてやシバリからあちらに行ったわけではなく、半ば強引に連れて行かれたようなものだ。こんな風に言っては理不尽というものかもしれない。

 

(……でも)

 

 ハルカから見ても、ルチアはそれはもうとんでもないくらい可愛い女の子なのだが、シバリはそんなルチアに靡く様子はなく、むしろ少し引き気味なようにも見える。

 

(あんなに可愛い女の子に迫られても、鼻の下とか全然伸ばさないんだ……)

 

 普通の男の人なら間違いなくデレデレになってしまうだろう状況で、シバリはまったくそんな素振りを見せなかった。

 

(……もし)

 

 なんとなく、ハルカはルチアのポジションを自分に置き換えて考えてみる。

 

「はい、これどうぞ! 持っていれば誰でもコンテストライブに出られるコンテストパスと、ポケモンにあげるポロックがきのみから作れちゃうポロックキットでーす!」

「えっ。いや、あの……」

「よかったらコンテスト挑戦してみてねっ!」

「け、検討してみま──」

よ か っ た ら コ ン テ ス ト 挑 戦 し て み て ね っ !

「……ハイ」

 

(……もし、あたしがあんな風に迫ったら……。シバリくんはドキドキしてくれちゃったり、するのかな……)

 

 言い寄られるシバリを見つめながら、ハルカはそんなことを思ったのだった。

 

 

──────────────────────────

 

 

 ルチアさんは俺にコンテストに出るよう念押しすると、スカウトイベントを終了させて去っていった。

 

「……どうしよ、これ」

 

 俺の視線の先にあるのは、ルチアさんから渡されたコンテストパスとポロックキット。

 

 ……確か、コンテストパスがコンテストに出るための許可証みたいなもので、ポロックキットはポロックを作るための道具だっけ?

 

 うーん……確かに大爆発大祭り(ダイナマイトカーニバル)とかいう妄想は語ったけど、実際にその権利を得てしまうとちょっと動揺しちゃうな。

 

「シバリくん、コンテスト出るの?」

 

 ルチアさんが居なくなったことで人混みも散り、ハルカが近くまで歩いてきていた。

 

「あ、ハルカ……。……まあ、あそこまで言われたら一回くらいは出ようかなって」

「……随分気に入られてたもんね」

 

 言いながら、ハルカは俺の真横にピトッとくっついてくる。

 

「……? あの、なんか近──」

「ねぇ、ポロックのことは知ってる?」

「え? ……いや、あんまり……」

「そっか。なら教えてあげる! あたしもあんまり詳しくはないんだけど──」

 

 ハルカが言うには、ポロックはきのみを原料に作るポケモン用の食べ物で、食べさせるとそのポケモンのコンディション*1がアップするとのことだった。

 

 なので、基本的にはコンテストに出すポケモンにはポロックを食べさせ、コンディションを上げて挑むものなんだそうだ。

 

「──というわけで、もしコンテストに出るなら、出す予定のポケモンにポロックを食べさせてあげないといけないってことなの!」

「なるほどなぁ……」

 

 でも、俺ってあんまりきのみ持ってないんだよな。

 

 あと大前提として、誰をコンテストに出すかも肝心だ。

 

「……やっぱりゴローニャか?」

「それだけは止めたほうが良いと思う」

「そんな」

「ゴロォ!?」

 

 ハルカまでゴローニャを否定するのか……?

 

 あとお前いつの間に出てきたんだよ。ボール戻れ。

 

「そうなると、後は……」

 

 なんかいつの間にボールから出てきたムクホークが毛並みを整え始めてるし、ジュカインも腕に生えた葉っぱを磨き始めてるけど、少なくともお前らではないだろ。

 

「ごめん、お前らじゃないんだ」

ホォ!?

ジュカァ!?

 

 なんで驚いてんだよ。そんな見栄えの良い技とかなかったじゃんお前ら。

 

「パァ……」

「──」

 

 なんか照れくさそうにパルシェンとケッキングが出てきた。

 

「ちげぇよ」

パァ!?

──ッ!?

 

 なんで目ぇ見開いて驚いてんだよ。

 

 珍しいって観点で言うなら"たてのおう"ガトリングパルシェンと、動き回るケッキングは適してるんだろうけど、今回はそういうのじゃないから……。

 

 だけど、ここまですれば分かるはずだ。そう。今回コンテストに出るべきは──!

 

ゴロォ!!

「帰れ」

 

 お前ダメって言っただろうが。敗者復活戦とかないから。

 

「……シャン?」

「なんで一番自信無さそうに出てくるんだ……。お前ならきっと大丈夫だよ。だからシャンデラ、頼めるか?」

「ッ! シャーン!」

「うん! シャンデラならピッタリだと思う!」

 

 ハルカも手を合わせて賛成してくれた。悪いけど、他の皆は今回お留守番だ。

 

「きのみの売り場なら知ってるから、まずはここで一回ポロックを作ってみたらどうかな?」

「そうだな。きのみがあっても作り方がわからないと意味ないし」

 

 そうして俺はポロックキットに手を伸ばして、とあることに気がついた。

 

「……ん? なんかポロックキットに紙が挟まってる……?」

「あ、ほんとだ」

 

 二度か三度折られた紙が目立たないように挟まっていたので、俺は傷つけないように取り出し、その紙を開いてみた。

 

『わたしの連絡先書いておくから、絶対連絡してね!!』

 

 恐らくルチアさんが書いたであろうこの文面の下には、メールアドレスと電話番号が書いてある。いつの間にこんなの仕込んだんだ……。

 

「……ふ〜ん」

 

 ハルカが頬と頬が触れるくらいに近くまで寄ってきて、紙の中身を覗き込んできている。

 

 な、なんか、さっきから近くないか……?

 

「連絡、するの?」

「へ? ……おわっ!?」

 

 ハルカの声に振り向くと、あまりに顔と顔との距離が近かったので、思わず距離をとってしまった。

 

 そんな俺を見て、ハルカは何が面白いのかニヨニヨし始めた。

 

「ふ〜ん……? へぇ〜?」

「……な、なんだよ……?」

「ううん! なんでもなーい!」

 

 ハルカの内心はわからなかったが、なんだか嬉しそうに笑ってるし、とりあえず良しとしておくことにした。 

*1
原作では食べさせたポロックによって、かっこよさ・うつくしさ・かわいさ・かしこさ・たくましさのステータスが上昇する。

 

基本コンテストでしか使用しないパラメータだが、一部のポケモンの進化条件にも関係あったりする




・ハルカ
なんかモヤッとしたけど解消したのでヨシ

・シバリ
このあとルチアの連絡先を登録した

・ルチア
コンテスト参加を念押し
とりあえず一回だけ! 一回だけでいいから!

多分大爆発大祭りを見せてもそれはそれで喜んでくれる

・ゴローニャ
お前じゃない

・ムクホーク&ジュカイン
お前らではない

・パルシェン&ケッキング
お前らでもない

・ゴローニャMark.2
帰れ

・シャンデラ
選ばれて喜んでいる。

どの手持ちポケが一番良かった?

  • シバリ:ムクホーク
  • シバリ:ジュカイン
  • シバリ:シャンデラ
  • シバリ:パルシェン
  • シバリ:ゴローニャ
  • シバリ:ケッキング
  • ラズ:エレキブル
  • ラズ:ドドゲザン
  • ラズ:ギャラドス
  • ラズ:ドーブル
  • ラズ:カクレオン
  • ラズ:メタモン
  • サイトウ:柔道整復師カイリキー
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