【太平洋沿岸漁港ルポ】黒潮大蛇行終了で「魚の獲れ方」が激変! 高知のカツオ、静岡のシラスにも大きな影響が...
「実は大蛇行による海水温の上昇に追い打ちをかけるように、3年前に青潮といって毒性のプランクトンが大量発生して、畔蛸町近海の的矢湾内の貝類、魚類、海藻類がほぼ全滅したんです。 今年はやっとこさ7、8割くらいまで回復したというのが現状。回復したというよりも、大蛇行&青潮のダブルパンチという最悪の状況から脱出したっていう感じですね。 ただ、去年はあまり見なかったサザエの稚貝、まだ500円玉くらいの大きさでしかないのですが、そんなサザエの子供が海底にたくさんいるのが、今年は目につきます。 これが大蛇行終了の兆しで水温が低下していることで起こっているのか、青潮から海が回復している影響かはわれわれでは判断がつかないんですが、とにかく少しずつ改善の方向に向かっているような気はしています」 ■静岡ではシラスに異変が! 高知→和歌山→三重と大蛇行した黒潮は静岡に入る。その静岡の影響を語ってくれたのは、静岡県水産・海洋技術研究所の担当者。 「静岡でも大蛇行の影響で、海水温が高い状況がずっと続いています。この影響は県の特産品であるシラスの漁業に計り知れないダメージを与えています」 遠州灘に面した静岡県浜松市の浜名漁協の担当者はシラス漁の変化についてこう語る。 「静岡のシラス漁獲量は黒潮大蛇行が始まる前の16年で約7700t、それが昨年では2100tと4分の1近くに激減してしまいました。漁獲のピークは春と秋の年に2回あったんですが、最近は獲れるピークは春だけで秋シーズンはまったく獲れません。 それで、今年はというと、春先からはひどくて、ほとんど獲れなかったんです。4月、5月と最低で昨年の漁獲量を下回っていました。 この調子だと今年もワースト記録を更新するかなと思っていた矢先の6月に入ると、突然ポツポツと獲れ始め、昨年の6月の2倍の漁獲量に。7月になっても獲れ続け、こちらも前年比2倍の量が獲れています。 例年、8月は海水温が高く、ほとんど漁獲量がないのですが、運が良ければ水揚げの様子が見られると思います」 ということで、静岡で最もシラス漁船の多い浜名漁協でシラスの水揚げとセリの様子を見に行ってみた。 朝の8時過ぎから、次々と漁に出ていた漁船が港に帰ってくる。船からはシラスがいっぱいに入った青いカゴが降ろされ、すぐ横の市場のレーンに並べられ、カゴが一定数たまるとセリが行なわれる。 昨年よりもシラスが獲れているのか、漁師や漁協関係者、仲買人らの表情には笑みがこぼれていた。この日獲れたシラスはケース98個。漁協関係者はこう語る。