《「みんなで大家さん」不動産投資トラブル》ゲートウェイ成田プロジェクトに“異常なくらい肩入れしていた”2人の政治家「成田市長」「JAL出身の市議」
「法令違反はない」
2019年8月27日には、共生バンクの柳瀬に招待され、市長の小泉と市議の上田がヘリコプターに乗って三重県の伊勢忍者キングダムを視察している。小泉はヘリ代などの7万5000円の費用を支払ったと弁明しているが、一方の上田は親族の経営するコンサルタント会社が共生バンクからアドバイザリーフィーを受け取っていたと報じられている。二人が異常なくらい成田プロジェクトに肩入れしていたのは動かしがたい。 共生バンクという新興企業に対し、長らく日本政府が運営してきた国際空港や成田市が杜撰な計画に加担している。おまけにそこには、千葉県も噛んでいる。成田市が開発許可を決定する1年以上前の2018年9月、共生バンクは成田空港とともに千葉県に農地転用を申請した。従来の農地を開発できるよう届け出ているのだが、その相手が知事だった鈴木栄治だ。タレントの森田健作といったほうが通りはいいだろう。 申請の1年後の2019年10月、森田知事が開発用地の農地転用を認めると同時に、成田市が開発を決定しているのである。そこにどんな力が働いているのだろうか。 前回報じたようにゲートウェイ成田は2023年当時、大企業の力を借り、計画を大幅に見直した。柳瀬はそれを「日本版フードバレー構想」と名付けた。その計画変更にあたり、3月23日には成田空港の会議室に先の上田のほか空港の取締役や部長が集結し、打合せをしている。 「共生バンクの相談に乗ってやってほしい。借地料の見直し、(計画変更後の)物流倉庫の利用も検討していただきたい」 そう上田が持ちかけると、担当役員が答えた。 「それはNAAで引き受けるというより、ANAやJALなどと提携して利用したい」 役員はゲートウェイ成田の客についても触れた。 「日本人のアウトバウンド(海外旅行)は多くないが、インバウンドは戻ってきておりうまく取り込んでいただきたい」 成田市長の小泉は「開発許可に対し便宜を図った事実は一切ございません」などと文書回答し、市議の上田は「法令に違反していることは一切ございません」と言葉少なく答えるのみだ。 NAAは「共生バンク側に便宜を図るよう働きかけを受けた事実はございません」とし、面会については「様々なステークホルダーの方々と業務上必要となる打合せ等を適宜実施しております」と答えた。共生バンクは「便宜をはかって貰った事実などは全くないことを改めて強く申し上げます」とした。もっとも2000億円の投資事業が、一介の地方行政マンだけのバックアップで成り立つものでもないだろう。さらに追及していく。(敬称略) * * * マネーポストWEBの関連記事【《ついに見えた問題の核心》「みんなで大家さん」2000億円超不動産投資トラブル“異常なくらいにプロジェクトに肩入れ”の便宜供与疑惑政治家たちを直撃、何を語ったのか】では、強引に進められた疑惑の“ゲートウェイ成田プロジェクト”の問題の本質はなんだったのか、その全貌に迫る。 【プロフィール】 森功(もり・いさお)/ノンフィクション作家。1961年福岡県生まれ。岡山大学文学部卒。新潮社勤務などを経て2003年よりフリーに。2018年、『悪だくみ──「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』で大宅壮一ノンフィクション大賞受賞。『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』、『菅義偉の正体』、『魔窟 知られざる「日大帝国」興亡の歴史』など著書多数。 ※週刊ポスト2025年12月26日号
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