米軍の輸送機「オスプレイ」、過去2年で事故率が上昇-報告書

  • 2007年の運用開始後で最も包括的な調査報告書、米政府監査院が公表
  • 事故の大半は機体構造やエンジン部品の不具合、人的ミスに起因
米海軍の「V22オスプレイ」Source: Bloomberg

米政府監査院(GAO)が12日に公表した新たな報告書によると、米軍が運用する輸送機「V22オスプレイ」では近年、事故率が上昇している。度重なる事故に見舞われてきた同機は、過去2会計年度における重大事故件数が、その前の8年間の平均をいずれも上回ったという。

  2007年の運用開始以降で最も包括的な調査となる同報告書は、複数の死亡事故を起こしてきたオスプレイの実績が悪化していることを浮き彫りにした。オスプレイは海軍航空機の中で「重大」リスクの数が2番目に多く、そうしたリスクが平均9年間も未解決のままとなっていることも判明した。これは他の機体を上回る水準だ。

  「調査時点で、未解決の重大リスク評価がオスプレイより多かったのはF35戦闘機だけであり、F35のリスク評価が未解決のまま経過していた期間は平均5.5年だった」と同報告書は指摘している。

  GAOによると、海兵隊および空軍のV22オスプレイでは、2023および24会計年度に「死亡、恒久的な障害、長期入院、60万ドル超の物的損害、または機体喪失を伴う重大な非戦闘事故」が18件発生した。事故の大半は機体構造やエンジン部品の不具合、運用中や整備時の人的ミスに起因していたという。

  オスプレイについては米海軍航空システム司令も独自の調査を開始しているが、その内容はまだ公表されていない。

原題:V-22 Osprey Accidents Rose In Last Two Years, Watchdog Says (1)(抜粋)