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医師で作家の知念実希人氏に罰金30万円の略式命令、死体検案書めぐり「完全に偽造ですね」と投稿
記者会見を開く青山弁護士(左)と鵜川さん(2025年12月17日/東京・霞が関の司法記者クラブで/弁護士ドットコム撮影)

医師で作家の知念実希人氏に罰金30万円の略式命令、死体検案書めぐり「完全に偽造ですね」と投稿

医師で作家の知念実希人(ちねん・みきと)氏による投稿で名誉を毀損されたとして刑事告訴していたNPO法人の代表が12月17日、東京都内で記者会見を開き、東京簡易裁判所が知念氏に罰金30万円の略式命令を出したと明らかにした。

NPO法人「駆け込み寺2020」の代表、鵜川和久氏は、新型コロナウイルスのワクチン接種後に身内を亡くした人たちを支援する活動をおこなっている。

鵜川氏は、知念氏からX(旧ツイッター)上で、ワクチン接種後に死亡した人に関する死体検案書について、偽造したものだとする内容の投稿をされたとして刑事告訴していた。

●「死体検案書」をめぐる投稿が問題になった

鵜川氏の代理人である青山雅幸弁護士によると、知念氏は2023年1月、鵜川氏がXに投稿した死体検案書の画像付き書き込みを引用するかたちで、「完全に偽造ですね」「最も厳粛な書類である死亡診断書を偽造するなど、恥を知るべきです」などと投稿したという。

これを受けて、鵜川氏は2023年4月、知念氏のフォロワーが20万人を超えており、社会的影響力が大きいことなどを踏まえて「社会的評価を著しく貶めた」などとして、警視庁に名誉毀損の疑いで刑事告訴した。

鵜川氏によると、問題となった死体検案書は、新型コロナウイルスのワクチンの接種から2日後に死亡した人について、司法解剖を担当した大学教授が作成したもので、鵜川氏は遺族から写しの提供を受けていたという。

●民事でも110万円の支払い命令が確定

青山弁護士によると、東京区検察庁は11月13日、知念氏を名誉毀損罪で略式起訴した。東京簡易裁判所は同月18日、罰金30万円の略式命令を出し、この命令はその後確定したという。

この刑事手続きとは別に、鵜川氏は民事裁判も起こしており、東京地裁が2024年7月、110万円の損害賠償を知念氏に命じた判決が確定しているという。

●投稿後に誹謗中傷が相次いだと説明

鵜川氏は12月17日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開き、略式命令の結果を受けて「安堵していると同時に二度とこのようなことを起こさせてはならないという気持ちです」と述べた。

鵜川氏によると、知念氏の投稿があった後、SNS上で1000件近くの誹謗中傷のコメントが寄せられたほか、NPO活動の連絡先として公開していた携帯電話の番号に非通知で電話がかかってきて、「嘘をつくのをやめろ」「ワクチンで人が死ぬわけない」「それでビジネスしてるんだろ」などと言われたという。

●青山弁護士「SNSの異常な状況を正常化させる力になる」

青山弁護士によると、知念氏をめぐっては、青山弁護士自身も、X上の投稿をめぐり損害賠償を求める訴訟を起こしており、知念氏に対して投稿削除と賠償金の支払いを命じる判決が確定しているという。

青山弁護士は、今回の刑事処分について「有名人であり医師であっても、他者に対して誹謗中傷をおこなえば責任を問われるということを社会に知らしめることは、SNSにおける異常な状況を正常化させることに大きな力となる」と述べた。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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