非常用ボタンの電源「2年前から入れていない」 サウナ2人死亡火災
朝日新聞12/17(水)17:10
男女2人が意識のない状態で倒れているのが見つかったサウナ付近では、規制線がはられていた=2025年12月15日午後2時8分、東京都港区赤坂6丁目、三井新撮影
東京・赤坂の個室サウナ店で15日、男女2人が死亡した火災で、現場室内にあった非常用ボタンと事務室をつなぐ装置の電源について、従業員らが「2年ほど前から入れたことがない」と警視庁に説明したことが、捜査関係者への取材で分かった。非常用ボタンには押された形跡があったといい、警視庁は、業務上過失致死容疑も視野に捜査する方針。
警視庁によると、15日正午ごろ、東京都港区赤坂6丁目のビル3階の個室サウナ室外の煙感知器が反応し、従業員が消防に通報。室内で会社経営の松田政也さん(36)とネイリストの松田陽子さん(37)の夫妻が倒れ、その後死亡が確認された。司法解剖の結果、2人とも死因は不詳で、焼死や高体温症の可能性が高いという。焼死には一酸化炭素中毒も含む。
■室内の非常用ベル、押された形跡
捜査関係者によると、室内の壁面には、押すと、室外に異常を知らせる非常用ボタンがあった。1階事務室とつながっており、事務室で電源を管理する仕組み。電源が入っている状態でボタンを押すと事務室で電子音が鳴るという。
警視庁が火災の後、運営会社の男性社長や店の従業員に確認したところ「2023年ごろから、電源を入れたことがない」と説明したという。火災当時、店内には社長と従業員ら3人いたが、非常用ボタンとつながる事務室には誰もいなかったという。
警視庁は、電源を入れない運用が常態化し、火災発生当時、非常用ボタンが機能しない状態だったとみている。
火災後に消防隊員が駆けつけた際、個室サウナ室内外両方のドアノブが外れ、ドアが開かない状態になっていた。現場の非常用ボタンには押された形跡があったという。(長妻昭明、吉村駿)